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ショートショート⑦告白(2020/08/24)

「好きです、付き合ってください」

顔の可愛い後輩から告白された。天文サークルの後輩。足細いのに意外と胸あるし、さらさらな髪の毛で、性格も繊細で可愛らしい。その外見の良さで人に嫉妬されて、そのたびに、外見にやられた男が助けてきたんだろうなって感じの子。
まあかく言う俺も、その子が同期の女子から軽い嫌がらせをされてるって話を聞いて、顔が可愛いし少し助けてやった。そしたら俺のこと好きになったか。
まあ正直俺も背は高いし、それなりに顔もいいし爽やかだし、バレンタインで困ったことなんてないんだけれど、こんな簡単じゃつまんないよな。
別に暇つぶしに君と付き合ってもいいけど、どうせ君は顔だけは取り柄な女の子でしょ。俺を満足でさせるような日常を提供してくれんの。でも可愛いし手放すの惜しい気持ちもあるのは事実。
まあいずれ同棲とかしちゃって「おかえりなさい先輩」とかエプロン姿で言われたら萌えるかもしれない。「お帰りなさいの後にいうことは?」とかいって調教するのも面白いかもしれない。でもそんなに簡単に手に入るのってやっぱ狩りがいがないんだよなw

「ありがとう。すごくびっくりしてるんだけど、嬉しい。でも君と僕はまだ出会って3ヶ月だし、今まで可愛い後輩として接してきたから、少し戸惑っているところが本心なんだ。君の気持ちに対して誠実に答えたいし、だからもっと君を知ってから付き合う選択をしたいんだ。」

こんな所謂正解みたいなこと言っておけば、いい塩梅で転がせるだろうな。ああこいつどうしようかな。でも断るのは惜しいよな。

「せんぱい。一個補足させてくださいね。そうやって世間を舐めててぼんぼんなお前が好きなんですよ、こっちは。」

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