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「GO」を読んで

何度目かの再読。
それにも関わらず初めて読むみたいに新鮮に読めました。
この小説に対しての印象は初めて読んだ時から変わらず、"カッコいい"です。

杉原もそのお父さんも生き方?在り方?みたいなものがすごくカッコいいです。

正一の事件のところは初めて読んだ時は衝撃で、再読するたびにその箇所が近づくとドキドキして心なしか他のところより早く読んでしまいます。

杉原が桜井に自分が日本人じゃないことを打ち明けるシーンは色々考えさせられます。
「君はー、桜井は、どういう風に、この人は日本人、この人は韓国人、この人は中国人、て区別するの?」
この問いには私も考えさせられました。でも、いまだに答えは見つけられていません。

P231の杉原が桜井に対して気持ちを吐露するシーンのセリフが初めて読んだ時よりずっしりときます。
「おまえら、どうしてなんの疑問もなく俺のことを<在日>だなんて呼びやがるんだ?俺はこの国で生まれてこの国で育ってるんだぞ。<在日>って呼ぶってことは、おまえら、俺がいつかこの国から出てくよそ者って言ってるようなもんのんだぞ。」
確かに、と思いました。こういう何も考えずに差別発言をしてしまっているのかもしれないし、偏見もあるかもしれないと思いました。

自分の中にあるそういう部分を見つめ直すきっかけにもなったし、今回の再読はただカッコいいという印象だけで終わることのなかった読書となりました。


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