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今日、子供の頃に感じた「わだかまり」が解消した……気がする。

子供の頃、「どうしてなの?」と感じたまま、ずっと心に秘めていた思い出がある。

その「どうして?」に、今日、自分なりの答えが見つけられたような気がする。ちょっと嬉しかったし、ちょっと感動しちゃった。

そのことについて。

とおいあの日、音楽の授業のあと

ソプラノリコーダーを習い始めたのって、何歳だったっけ。曲が吹けるようになって、ある日、「やってみたいこと」を見つけた。

「ハモり」である。

当時、音楽についての基礎を何も知らなかった私は、楽譜に書いてある音符をひとつずつ上にずらしたら、ハモるのではないかと想像した。

不協和音ハモり

黒がもとの音階。赤が私が書いたもの。

ある日、音楽の授業のあと、先生を呼び止めた私は、友人に無理矢理つきあってもらって、自分でアレンジしたものを演奏した。

もちろん、不協和音であるので、非常に耳ざわりな音だっただろうと推測できる。

先生は言った。「音程はひとつじゃなくて、ふたつ、ずらしたほうが良いのよ」

それを聞いた私は、「自分がやったことを、ただ否定された」と感じてしまった。

あのときの、わたしの思い

幼かったわたしは、自分がアイデアを思い付いたことについて、ただ、とにかく、褒めてもらいたかった。

悲しいかな、周囲の大人に、あんまり褒められた経験がないためだ。

だから、音楽の先生に、リコーダーを聞いてもらったのも、

「教わってないことを、自分で見つけて、考えて、やってみたの。ねぇ、褒めて!」

って思ったからだ。

だから、「褒めてもらえなかった」という事実が、ショックだった。

今日のできごと

わたしはギター教室に通っている。それでも、往年の名曲「スタンド・バイ・ミー」はギターよりベースの方が花形なので、ベースを練習してみた。(ギターでベースの練習をした)

今日、ギターの先生に、ベースをお付き合い頂いた。

そしたら、わたしがちょっとベースに触っているのを見ただけで、「こっちのほうが良いですよ」と先生が言い、自分が練習してきたのと、完全に違うポジションになった。

(そっちのほうが、実際、太い良い音が出たのだった)

先生は、わたしが新しいことに興味を持って、取り組んだことを、別に褒めなかった。わたしも、褒められたいと思ってやったのではなかったから、気にならなかった。(できたらセッションがやりたかった)

帰り道、思い出した、昔のこと

レッスンの帰り道で、急に思い出した。

子供の頃の、リコーダー不協和音事件。

あのときの自分は子供だったから、自分の気持ちのことしか考えられず、先生がどんなふうに感じていたのかなんて、想像もしていなかった。

大人になった今、当時の先生の立場など、いろいろ考えてみた。

小学校の音楽は、「音楽の授業を受けなくちゃいけないから、別に興味はないけど受けている」という子も、多かったのだろうと思う。先生は、少しでも多くの子に、音楽に興味を持ってもらいたかったし、楽しく授業を受けてもらいたいと考えていただろう。

そんな折、教えてもいないことを児童が率先して、「聞いて聞いて!」と演奏を披露したら、きっと、先生は嬉しかったと思う。

もしかしたら、この子は少し、何かの楽器を習っているのかもしれないと想像されたかもしれない。

どっちにしても、この子は音楽に興味があるんだと思ったはずだ。だからこそ、「こうしたら良くなるよ」というアドバイスをくれたのだ。

それを、わたしは子供すぎて、気が付けなかった。

もちろん、これは、当時の音楽の先生の気持ちを、今の自分が想像しただけなので、正解かどうかは分からない。でも、可能性としては、あり得そうな気がする。

少なくとも、そう考えることで、わたしの気持ちは、ずいぶんと楽になった。

反面、その当時、先生のアドバイスを素直に受け入れ、次の音楽の授業までに直していったら……と想像しちゃうため、すごく残念な気にもなる。(こればかりは考えたところで仕方がないww)

ココロが救われた今日

悲しい思いを胸に音楽室を去った日から、ずいぶんと、時間が経ってしまった。

それでも、その悲しい思い出から、自分を解放できることが、わたしは嬉しい。ちょっと感動すらした。

今日、先生に「教わりもしないベース」を付き合ってもらったことが、そのきっかけになった。

出会いについて

人との出会いに「偶然」は無いと思っている。その時の自分にとって、必要になる相手と、その時々で、出会っているのだ。

もちろん、今回の気づきについては、

自分が年を重ね、経験を積み、子供の頃よりも、ものをしっかりと考えられるようになった、というのもある。

たぶん。(いや知らんけど)


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