見出し画像

わたしの音楽の趣味を決定づけたロックンローラー~矢沢永吉☆

「中学2年ごろに聴いた音楽が、その後の音楽の趣味を決める」と、あるベテランミュージシャンが言った。

振り返ると、確かにそうなのだ。中学2年の私は出会ってしまった。その時すでにロック界のトップスターだった、あの男に……。

1、渋い刑事ドラマが好きだった中学時代

当時「あすなろ白書」とか「ポケベルが鳴らなくて」などのドラマが流行っていた。しかし、そういう「他人様の恋愛」に全く興味のなかった私は、「はぐれ刑事純情派」などの、オジサマが好んで観そうなドラマばかり観ていた。(例外として「白鳥麗子でございます」は観た)

そんなある日、「はだかの刑事」のエンディングテーマが、わたしの心にグサッと刺さった。

イントロからもうグッと掴まれた。それまで聴いたことのないような音楽だった。渋くてたまらなかった。詩的でもあった。匂いたつような大人の世界を感じた。

ドラマ本編よりもエンディングテーマが気になって仕方がなくなった。ドラマのエンドロールで表示されるエンディングテーマ情報を、目を皿のようにして探した。(21時ともなると睡魔との格闘だった)

そして、睡魔との数回の戦いのすえ、勝ち取った情報が以下のとおりである。

「東京」矢沢永吉

という訳で、人生で初のアルバムはこれだ。当時はお小遣い制でなく、「欲しいものはその都度、親に買ってもらう制度」だったので、街へ買い物にいった時に買ってもらった。

https://www.amazon.co.jp/HEART-%E7%9F%A2%E6%B2%A2%E6%B0%B8%E5%90%89/dp/B002LFZFTS

同じクラスのヤンキーに借りパクされそうになった。

2、高校時代は永ちゃんで目覚めた

大して体力があるわけでもないのに、伝統ある高校の、伝統あるバレーボール部に入ってしまった私は、朝練を欠かしてはいけないというプレッシャーの中で、けっこうな早起きをしなくちゃいけなかった。(何時だったか忘れた)

当時、兄貴が親に買ってもらったソニーのミニコンポが、私の部屋にあった。兄貴は大学進学のため実家を出ていたので、コンポは私が独占して使える状況だった。

コンポについていた「タイマー機能」を使って、目覚まし代わりに鳴らしていたのは、永ちゃんのアルバム「バラッド」「ゴールドラッシュ」だった。

高校の部活なんて、休日も返上しなくちゃいけなかった。(半日だけど)部活が終わったら「カラオケいこーよ」なんてハシャイデいるメンバーに「帰る!」とキッパリ。

なぜなら、早くうちに帰って永ちゃんを聴きたかったからだ。永ちゃんを聴きながら、窓の外を眺めたり、自分だけの時間を楽しみたかった。私の部屋は南向きだったので、窓から見える景色は明るくて素敵だった。

そんな景色と、永ちゃんの曲。風が通り、音楽が流れる。サイコーな週末だった。

永ちゃん

アルバム「ゴールドラッシュ」のジャケ写を描いたもの。口から星を吐く永ちゃん。スターが過ぎる。

3、エレキギターのカッコよさを教えてくれたのは永ちゃんのバラード

多感なティーンエイジャーだった頃、電気楽器を「電気がなくちゃ一人前に音も出ない他力本願楽器」と決めつけていた。その代表格がエレキギターである。永ちゃんの音楽が好きなのに、エレキギターに対して良い感情を抱かないという「矛盾」に、当時は気づいていなかった。

でもある日、何気なく永ちゃんのアルバム「HEART」を聴いていた時だった。雷に打たれたような衝撃だった。

「エレキギターが泣いているように聴こえる!」

いや、そんなはずはない。電気がなくちゃ一人前に音も出ない他力本願楽器に「感情表現」ができるはずがない。そう思ったけど、何度聴いても、エレキギターの音が「泣いているように聴こえた」のだ。

それはもう360°……あ、行きすぎちゃった。180°、考えが変わった。

「エレキギターってイイじゃん!」となったのだ。

いったん「好きじゃない」時期があったから、その反動も手伝って、一気に「スキ」にいったのかもしれない。

あるいは「女の子らしくしなさい」というプレッシャーの元、「エレキギターみたいな男の子趣味を持っちゃいけない」と、無意識に決めつけていたのかもしれない。

確かに、エレキギターを背負っている同年代の子(男女問わず)を見て、わたしは嫉妬を感じていた。

まとめ的なこと

今年、ようやく永ちゃんのファンクラブに入った。これまで何度かライブにも行ったのだが、常にチケットぴあでチケットを買っていた。夢のアリーナに行ける日はいつだろう。

あの時、刑事ドラマのエンディングに、永ちゃんの曲を選んでくれた制作チームの方ありがとう。

永ちゃん2

そして何よりも、矢沢永吉さま、ありがとう。

わたしは今、エレキギターを好きになったきっかけの曲「涙が…涙が」のギターソロに、てこずっております。





そのサポートが励みになります!これからも頑張りますので、よろしくお願いします!