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No.052「旅」について思うこと・その1

No.052「旅」について思うこと・その1

「旅」特に海外への「旅」について思うことを書き連ねてみる。自分の経験を通してなので、ヨーロッパへの「旅」に限ってのこととなる。具体的な「旅」の数々は、noteの中に気ままに書き連ねていく予定だ。最終的には、何らかの形でまとめようと計画はしている。

若い時の「旅」と違い、一人旅でもホテルやレストランは贅沢する。そうしないとつまらない事が多くなった。年齢を重ねたという事か。それでも「旅行」ではない「旅」の言葉に伴う雰囲気は、言葉の明確な定義づけもせず、勝手な解釈のもとに持ち続ける。

以前から、人が沢山訪れるいわゆる観光地・名所旧跡には、魅力を感じないことが多い。沢山の人が集っている中で見ても、巨大な滝は巨大な滝である。確かに凄い。周りの歓声の中、「何百人何千人の人と一緒に見る滝って、一人当たりにするとこれくらいか?」巨大な滝の前で、右手の親指と人差し指で滝を切り取ってみる。

かたや、国道とも思えない道にレンタカーを止めて、たまたま水の音を聞きそちらに向かうと、こんな所にと思う滝があったことは、何度も経験した。一人きりで、水の音楽と風の挨拶を受ける贅沢と、偶然の出会いに嬉しくなる。ここにはオレ一人と、両の手を思いきり広げてみる。

こんなふうに書いていると、さぞや自然が好きと誤解を受けそうだ。友人の自然児、木村くんにこんな話をしたら、一笑に付せられるのは目に見えている。「オノちゃんの言う一人きりの滝は両手で余っちゃうだろう。だから山に登るんだ。目の前に広がる景色は、両手広げたって全然足りないぞ」

木村くんの言うこと(実際言ったわけではありません。例えです)は一つの真実なのは間違いない。ただ、山の頂上に登るのは、誰でもできることではない。自分の「旅」特に海外への「旅」は、山の頂上独り占めに近づくことを模索してきた。特に意識してきたわけではないが、明光風靡な景色に対しても、歴史的建造物に溢れる街並みにも、できる限り独り占めを試みてきた。

ここから書き連ねていくことは、ヨーロッパを「旅」する時のヒントにして欲しい気持ちもある。ビッシリと予定が組まれている団体ツアーの方たちが実行するのは、難しい箇所もあるとは思うが。

お城など名所旧跡を始め美術館など、観光客が多く訪れる所へは閉館1時間前を中心に訪れる。開館の時は意外に混みます。団体ツアーは閉館時の訪問を避けるようです。時間指定のない街中などの遺跡などは、早朝あるいは夜遅くに訪れる。できれば両方の時間帯に行くことをお勧めします。

具体例を挙げます。イタリアローマで「トレビの泉」を早朝6時に訪れました。ほとんど人はいません。素晴らしいです。昼間にも行きました。観光客であふれる中で、賑やかに見るのは、僕は好きではありません。深夜2時頃に行ってみると、まだワイワイとしていました。東洋人はほとんど見かけませんが。

ヨーロッパの街、村でもそうですが、夜の散歩は絶対お勧めします。パスポート、クレジットカード、バッグなどは持たず、最低限のお金だけをポケットに入れて、大通りを歩けば危険な目に遭うことは稀です。僕は一度も危ない目にあったことはありません。それどころか、プラハで夜の12時過ぎに道に迷い、尋ねようと近くの人に近づいたら逃げられた事があります。あれ〜、こっちは優しい観光客だよ〜。地方都市などは、女性でも夜一人で歩いています。僕はカメラ(ヨーロッパの夜の街の写真は大好きです)と地元の新聞を持って夜中の1時くらいまで歩いています。日本語以外で道を尋ねられた事が三回あります。地元に住む駐在員にでも思われたのでしょうね。変装、成功〜。

できれば一泊でもちょっと贅沢なホテルに泊まる。旅は日常生活から離れる時間でもありますので。お勧めはミシュラン4つ星か3つ星、予算に合わせて2つ星でも1つ星でもいいと思います。30室以上のホテルであれば、朝食にビュッフェスタイルで色々な料理が楽しめます。

語学ができる人であれば、部屋数10室程度までのプチホテルもいいと思います。スタッフの方たちとの交流も楽しめます。ガイドブックにない地元の方達ならではの情報が得られます。プチホテルに限りませんが、僕の旅先でのメインの情報収集の方法です。プチホテルの朝食は、宿泊客それぞれに提供される事が多いですね。

5つ星ホテルは2種類あると思います。一つはアメリカ系資本の設備のいい大きなホテルで、部屋数1000室を超えるところもあります。ヨーロッパで泊まるのはお勧めしません。個人的感想ですが、表向きだけの雰囲気しか味わえません。もう一つは部屋数は200室くらいまでですが、ハイソサエティ向けのホテルです。パリのブリストルやプラザアテネなどがその代表です(5つ星以上ですが)。ヨーロッパは階級社会が厳然と残っています。ドレスコードや、スノッブ(気取っている)な雰囲気に慣れている人であればいいでしょうが。

一回はちょっと背伸びをして美味しい食事をする。ランチが無難ですが、ブレックファーストもお勧めです。大きめのホテルですと、宿泊客以外でも予約ができるところが多いです。ヨーロッパの階級社会の一端を味わいたければ、高級ホテルの朝食はお勧めします。ドレスコードもうるさくありませんし、旅人の特権である「どんな人?」か分からないのですから。カップル文化も残る西洋社会で、僕のようなひとり旅でのディナーは案外行くところが限られます。日本でもそうかもしれませんね。

僕はヨーロッパの墓地を訪れるのが好きです。美しいですし、静かです。誰にも会わない事がよくあります。ベンチに腰をおろし、風の音を楽しみましょう。墓石に「1914」の数字の多いことに気づきました。第一次大戦がもたらしたヨーロッパへの被害の甚大さに気づきます。

オーストリアの首都ウィーンに5日いて、シェーンブルン宮殿は訪れず、中央墓地は行きました。ベートーヴェン、モーツァルト、ヨハン・シュトラウス、誰にお花をあげようか迷い、ここはウィーン、ヨハン・シュトラウスに捧げました。フランス、パリの郊外の墓地に、哲学者サルトルとボーヴォワールが一緒に眠っています。薔薇一輪供えられていて、とても素敵でした。

色々と書き連ねてしまった。やはり「旅」は楽しいですね。

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