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No.046 英語・挫折の歴史・その8・ラジオ基礎英語、続基礎英語、英会話

No.046 英語・挫折の歴史・その8・ラジオ基礎英語、続基礎英語、英会話


朝日カルチャーセンター「初級英会話」で、クラスの奥様方に大いに刺激をいただいた。少しでも恥ずかしくないようにしないと、あかんで〜。連れ合いの由理くんを真似た怪しげな関西弁を使うと、明るく前を向けた。関西弁おそるべし。

ラジオ「基礎英語」「続基礎英語」の視聴挫折は、酒屋商売の仕事中の中断が大きな原因の一つだったので、放送をカセットテープに録音することにした。翌日までに「英語会話」を含む三つの番組を、時間を見つけて、途切れ途切れでも必ず聴くことを、自分に課した。お昼の暇な時間帯と、閉店後夕飯の後に聞くことが多かった。

「基礎英語」「続基礎英語」の視聴を、今回は真面目に(奥様方の前で恥をかきたくない思いで、が正しいかも)再開して、いかに自分が中学英語の、まさに「基礎」が欠けていたかを思い知らされた。助動詞の違いなど頭からすっ飛んでいたし、現在完了形に至っては、そんなものあったか?だった。ラジオ講座は地味と言えば地味だが、聞いていてつまらないとは思わず、徐々に楽しくなっていく。知識が体内に入ってくる喜びだ。

「続基礎英語」のあとに放送される「英語会話」も、最初はついでとの思いで録音した。聴くと、そのスピードには、およそ付いていけなかったが、ナチュラルな響きが心地よかった。放送を聞いた後にテキストを見る。へえ〜、そう言っていたんだ〜、は〜、そうなんだ〜、だらけだ。自然に相手の英語が聞き取れ自分も英語で発信できる、そんな日を夢見た。

ある日の「英語会話」今日のフレーズ の一つが、” I can’t make it.” であった。スキットの中で、二人が話している。パーティがなんたら言ってるな。流れからすると、男性がパーティに誘っているんだな、ふむふむ。女性が答える。「アイキャン…メイキット」彼女、パーティに行けるんだな。

会話は続く。あれ、話が変だな?彼女パーティに行けないの?テキストを見ると、アイキャントメイキット " I cnan’t make it." 彼女はパーティに行けない。「否定形、キャント〜?!」巻き戻してもう一度聞く。いつの間にか、巻き戻しの感覚が鋭くなっていた。(今の若い人には、なんの事か分からないか。(笑)です。無視して続けます)10回以上繰り返し聞いてみた。否定形can'tキャントが、肯定のcanキャンにしか聞こえない。「 "t" ティーの音がどこにあるんだ…」。この時の番組講師東後勝明先生は、放送で自分の疑問には答えてくれない。

当時の独学の学習上の欠点の一つと言っていい。理解できないところが質問できない。この時持った思いは「一生、canとcan’tの違いを聞き取るのは自分には無理なのか?成人になってから始めたものの弱さか、生来の音感の悪さは致命的か」であった。

何か聞き取るコツがあるかも知れない。本屋さんに足を運び、英会話のコーナーを目指す。一冊の本が目にとまる。アルク出版「ゼロからスタート・英語を聞き取るトレーニング(旧版)」カセット付きの冊子だったので、中身の確認ができなかったが、購入した。

読むと、本の中に「消える音」の章があった。なんだそれは〜!消えたら聞き取れるわけがないじゃないか〜!「アルファベット”t”や”d”は後に続く子音と重なると消える」。こやつらは忍者か〜!雲隠れの術か〜!

英語の渦の中で育ってきていない自分には「理屈で理解する」必要性を感じた。理屈が分かれば、学ぶ時間の節約になる。今は便利な時代だ。ネットで検索をすれば、すぐに一流の諸先生方が疑問に答えてくれる。物知りの方達が丁寧に動画で教えてくれたりもする。

ただ、遠回りしながらも自分で答えを探した、不便だが熱くなれたあの頃が懐かしい。英語の学習に限らず、何かを学ぶ上で、似たような経験をなさった方たちも多いと思う。簡単に手に入れたものは、すぐに離れる。時間をかけて手にしたものは、いつまでもとどまる。僕は、しんやは、「英語の学習」以外の「何か」を学んでいた。「何か」をつかもうとしていた。

新たな挫折が、また一つ希望へと繋がった。まだまだ「英語の学習」の挫折の道のりは続く、続いている。

※タイトルの写真の説明です。ラジオ「基礎英語」「続基礎英語」「英語会話」のテキストをバラし、宣伝などの部分を捨て、パートごとに分けたりして製本したものです。内山さん(No.o21 フジヤ酒店の思い出(1)内山さん・参照)の手を煩わせました。ありがとうございます。

今回の記事を書くのにあたって、久しぶりに本棚を探り、手作りのテキストを確認した。「英語会話」は、二年間かなり真面目に学習したようです。新たな記事で触れる予定の「TV英会話」も、同じように二年間視聴していました。黄ばんだ紙が貴重品の趣(おもむき)で、もう一度振り返り学習してみる気になっています。新たな発見があるでしょうね、きっと。
あっ、後書きが長い〜!(笑)

・・・続く


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