ストレス解消系 1

ジョン・ケージ氏のいくつかの曲と、キノコの話をしている動画が好きだ。

ジョン氏を知った経緯は、音楽でも、キノコでもなく友人との関係を綴った本だった。
恐ろしいことに、私はその経緯と文脈をずれまくって冒頭に記したものを好きになっていた。

その本の話はともかくとして、経歴を検索したところ、ジョン氏は「和声」の才能が全くないと評価されたらしい。音楽の必須才能らしいのだが…
それなのに、ジョン氏は世界的天才の人々に認められる音楽家なのだ。

ジョン氏のいくつかの曲を聴くと「脳」のホコリを熟練のはたき技でトントン落としてくれるような感じがする。
わかりやすい表現で言うと「頭が少しスッキリする」というプチストレス解消系…

プリペイドピアノの考案や、日常生活に存在する音に耳を澄ましてつくる音楽などからも、「音」というありふれたものから、純粋な思考や哲学的なイマジネーションを学ぶことを教えてもらっている。

好きなものを見つけたらそれを聴く。
それはジョン氏の曲でなくて良い、という当たり前のことを改めて感じるということ…
別の言い方をすると、なぜ私はこの曲を何度も聴きたいのだろうとか、好きな理由を見つけたりすること… 今のところ私は、そういうプラスを得ている。
そうして色んなプラスが様々なカタチで加わって、ひとつ一つの音楽を奏でている。
その構成要素は、和声だけでなくても良いのではないだろうか…

ただ…ジョン氏の音楽は難解だったり好きになれないものもある。それだけ試みの幅が広いのだろう。
私の嗜好スペースは、かなり狭いようだから。

そしてキノコの話しの動画は、たしか来日されたときのものだったと思うが、ジョン氏のとても穏やかな愛に満ちる語り方に惹かれた…
ジョン氏は心の「和声」の天才で、世界の天才方がまた会いたいと思う人なのだろうというイメージだった。その理由のひとつはどうやらキノコらしい…
奥深いキノコの世界…私にはまだ説明が難しいが、面白かったのは「キノコ(の仲間?)は、いつも私達の側にいる」らしい…