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勝手にオマージュ Vol.1!会田誠さんに届け!あぜ道 NO7

一年に一度のこの作業は、途切れることなく毎年続き、みなこの小瓶を肌色に彩り、さりとてその皮膚は本来なら香のものでは?

という疑問を抱えながらも、香は自分など作物を育てる土壌のようなものですと、

農婦として皮膚を収穫したみなこに対して敬意を示す謙虚な人柄であったため、

どちらかというと全能感に浸りやすいみなことこれまで喧嘩をすることもなく過ごせてきたのであり、

そういうわけでこの年も、特に波風立てることなく、香はみなこの希望通りにむけた皮膚をすべて彼女に委ねるつもりだった。


 翌朝、興奮気味のみなこが香の家のチャイムを押すと、中から出てきた香の母が、

「腹痛む。少し遅れて、いかそわい」と告げ、

「お大事に。必ず、学校来てほしい」と返したみなこは、仕方なく一人で登校した。

一時間目の授業がはじまった十分後、遅れて登校した香が席に着くと、後ろの席に座る興奮を隠しきれないみなこが、コンパスを手に、いざ、香の髪の分け目と対面した刹那、みなこの絶叫が学校中に響き渡ったのでした。

どういうわけだか、香の頭皮の分け目には、焼けてはしゃいだ皮膚はなく、

そこにあるのは青みがかった新たな皮膚で、それはみなこの求めている皮膚ではなく。

みなこは震え、

この裏切りに対する怒りをどう言葉で表現してよいのかわからずに、

ただひたすらぷるぷると震え、

みなこの方を振り返りもせず背筋をぴんと伸ばして着席したままの悪びれるふうもない香の後姿を睨んでいた。

写真:坊主頭で落ち膚拾い

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