勝手にオマージュ Vol.1!会田誠さんに届け!あぜ道 NO11
みなこは都会に出てカイワレ工場でのアルバイトに精を出し、
そこで知り合った都会の男と結婚し、それなりに喧嘩し、
それでもそれなりに家を持ち、ローンを抱え、
車を持ち、ローンを抱え、
子供を持ち、ローンを抱え、
イワシの缶詰工場でパートをし、そんな中ふと思い出すのは、
香の分け目、
香のはしゃいだ頭皮、
その皮膚がぺりぺりとむけていく憧憬、
いつしかその皮膚は両脇に青々とした稲を揺らす水田を抱えたあのあぜ道と重なり、
ああ、香ちゃん、と呟く先に香はおらず、
みなこはただ両手を合わせ、青い空に向かってその名を唱えるレイワの春。
(完)
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写真: 完 あぜ道へのオマージュ
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