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工場の機械の保守サービスのサブスクはシャンプーのサブスクとは違って難しい。それホントですか?

こんにちは。CollaboGateのCOOのMikiです。ほとんどの人は私が誰で、CollaboGateが何をしている会社であるのかをご存知ないと思います。「Mikiって誰なの?」という件は、私のLinkedInをご覧いただければと思います。

小学生にわかるようにいうならば、CollaboGateは、インターネットの仕組みが密かに抱えている問題を解決するのに必要な道具と作っているお道具屋さんです。(道具の名前は「UNiD」(読み方はユニッド)と言います。)

実は、今のインターネットには解決されていない課題がたくさんあります。IoTのセキュリティやID管理もそのうちの一つです。こういう問題を分散型IDの技術を使って修理していくうちに、インターネットのお直しが進み、その結果として、安全で滑らかなインターネットが出現するんだろうなと考えています。私は、今年の春、本当に偶然にCEOのMasa、そしてCTOの千葉に出会い、「私も一緒にそういう世界を作りたい、CollaboGateが作るプロダクトを世界中に広めたい!」と思いました。毎日CollaboGateのことを考えるようになって、いつの間にかCOOの仕事をするようになりました。

本マガジンでは、エンタープライズのDX化のトレンド、セキュリティやプライバシーについての各国の規制動向、セキュリティについてのインシデント(事故;要はハッキングや漏洩のケース)の状況などなどの幅広いトピックをわかりやすく発信、みなさまと安全で滑らかなインターネットが作れる未来について一緒に考えていきたいと思います。ご関心のある方は、マガジン登録よろしくお願いします。

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保守サービスの売上増加はメーカーの悲願

さて、本題に入りたいと思います。

読者の皆様の中には、新規事業やDXに関わっている方もいらっしゃることでしょう。保守サービスをDXできたら、儲かりそうな匂いは確かにします。

はい、確かに儲かりそうです。詳細が気になる方はマッキンゼーさんの以下のレポートをどうぞ。


製造業は「保守サービスでもっと儲けたい」という希望を持っていて。とりわけ、国内のメーカーでは、「モノ売りから卒業したい」「モノ売りからコト売りへ」というスローガンが叫ばれて久しいですが、これといった進展が見受けにくいというのが現状のようです。

上記の記事では山積する課題として次の要素を掲げています。

1. 保守部品は多品種多量で管理点数が膨大
2. 保守部品は複数拠点でそれぞれ過不足なく管理されるべき
3. 保守部品の価格設定は繊細になっている

多品種多様な部品の管理は、ITによる管理にいかにも向いていそうです。人の目よりもテクノロジーに任せる方が正確かつ早いですね。

保守部品のロジスティクスも同様です。工場での足りなくなる前に、さーっと届く、そしてメーカー側の運用・管理・保管コストも最安になったらいいですよねですよね。工場での不足個数

保守部品の価格設定も透明性を持たせることが可能です。透明性を持つとちょっと困るプレイヤーがいますか?ユーザーの目線に立てば、保守部品を最安値で買いたいのは当然のこと。日常生活の中でも、同じ品物を買う場合には、より安いものを選ぶものです(衣服用洗剤は大容量パックがお得ですよね!)

保守サービスの本質は「情報の非対称性」なのだろうか?

保守サービスDX化は総論賛成ですよね。具体的にアクションを取ろうとしたら、メーカー社内からこんな意見が出てきそうです。(ちなみに、具体的なアクションが気になる人は、上記で紹介したマッキンゼーのレポートの終わりの方にまとめられています。それでも、下記の問いは依然として投げかけられるだろうな、と筆者は自身の経験に照らすと感じます。)

「現在、保守サービスは代理店が提供しているのですが、DXしたら代理店はどのような立ち位置となるのでしょうか?」

Great question! この問いかけには、①情報の非対称性と②デジタルに適したバリューチェーン構築という二つの課題が含まれています。

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①情報の非対称性

代理店で保守サービスを担当するフィールドエンジニアは、基本的には、メーカーによるトレーニングとマニュアルで保守サービスのスキルを獲得していきます。

メーカーが顧客に対して、直接、オンラインによるトレーニング、サポート、やマニュアルを提供したら同じことができるようになるはずです。初めての修理で自信がないという人も、スマホで手元を写しつつ、遠隔でメーカーの担当者のサポートを受けながらセルフで修理をするなどということだって可能です。つまり、セルフで対応できる種類の保守サービスは、情報の非対称性の上に成り立っているということになります。これらは、幸か不幸か、DXによりセルフサービスへと移行していくことになりますね。

オンラインのトレーニングでは作業の質を担保できないほどの繊細な作業、危険を伴う作業、法律上作業をするためには国家資格を要する作業は存在するでしょう。そのような保守作業は、専門家に依頼する意味が十分にある領域です。

②デジタルに適した保守サービスのバリューチェーンとは

現状、保守サービスのバリューチェーンは次のようになっているケースが多いです。(すごく単純化しています)

メーカー → 代理店 →エンドカスタマー

それでは、DX後はどうなっていくのでしょうか。

DX後)修理や点検サービスについて

メーカー → エンドカスタマー
      *難易度の高いもののみ代理店のフィールドエンジニアが対応

DX後)保守部品の供給

メーカー → エンドカスタマー
     *部品の製品寿命や使用状況により自動的に配送

DX後の世界では、代理店は、フィールドエンジニアが、高度に専門的な修理点検サービスを提供する場合などで価値が発揮されるものと思います。また、パーツ販売がDX化され、代理店が顧客に対して直接パーツ販売をしなくなった後であっても、顧客紹介料として、メーカーと売上シェアをする仕組みを作るという考え方をすることも可能です。(この場合、エンドユーザーの御用聞き的な作業は予防保全AI(PdM)が担うことになるので、紹介料は少ないのかもしれません。)

現在、先進的な企業では、保守サービスのDXは、IoTを活用したPreventive maintenance (PdM、予防保全ということも)として広がりつつあります。参考までに、市場規模のレポートを掲載しておきます。CAGRは23.3%。国内での浸透も時間の問題な気がします。

PdMの浸透により、「メーカーの悲願:保守サービスの売上アップ」が叶えられる日は、案外すぐなのかもしれません。


IoTデバイスから取得される情報のセキュリティや機密保持が心配で、PdMの実施に踏み切れない、というエンタープライズもいるかもしれませんね。そんな方は、私たちのLPをご覧いただけるとうれしいです。


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