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『雪桜・残恋』~先生の本当の顔~後編

 ※表現上、官能的描写があります。

 恋とは、本当に残酷だと思う。月は面と裏ではまったく違うと聞く。私は、全てを受け入れることができたのか、思い出す度にわからない、いまだに気持ちは混乱したまま降りしきる雪の中に迷いこんだままでいる。あの氷の世界を思い出す。

 ”前編、1出会い2はじまり、からの続編。彼のもう一つの顔とは?”

4発展

 美術学科の実習は4限目の後だった。イタリア人男性のヌードを描く事になり大きなキャンバスにバランスを取りながら描いた。およそ20人くらいで囲みながら。

 自分もヌードモデルのバイトをしていたから、モデルの立場になってつい考えてしまう。動かない辛さはよくわかる。だけど男性は、つい勃ちそうになったらどうするのかなと、半分眠気の覚めない頭で考えた。木炭で、人物に陰影をつける作業の手を止め、集中力の切れた私は、タバコに火をつけふと窓の外をみて、数秒固まった。教授が、女性と歩いていた、学生でもない学校関係者でもなさそうな30代くらいの、髪の長い清潔感のある美しい女性だった。笑わない教授がかすかに笑ってみえた。

 思わず、落とした灰。いそいで灰を膝から払い思わず、考える前に体は、教室の外へでていた。

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