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QOL(Quality of Life)とWell-being(乳がん治療中の気づき)

2023年2月8日~3月23日、私の乳がん治療、放射線治療、全30日間、無事に完遂できた。
放射線治療そのものは、毎回10分程度、放射線は目に見えないし、痛みも熱さも、ない。主な副作用として事前に言われていたのは「放射線宿酔、皮膚炎など」だったが、私は17日目までは皮膚炎もほとんど出ず、このまま最後まで完遂できるかと安心していた。(放射線治療の副作用としての皮膚炎は殆どの人に現れるが、人によって程度は異なる、と言われていた)
が、、、そうは簡単にはいかず、18日目から見事な皮膚炎になった。皮膚炎といっても強い日焼けのような状態で、皮膚が赤くなり熱を持つ。皮膚の表面が乾燥していることもあり、少し触ると皮がむけてしまう。皮膚の炎症が時々ズキズキと痛み、夜の眠りが浅く寝不足になってしまったので、塗り薬と飲み薬を処方してもらい、しのいだ。皮膚科の先生からは「放射線は目に見えなくてもきちんと効いているということですね」と言われたが、確かに分かっていても副作用が出ると、心身に負担があるのは間違いなかった。

放射線治療の30日間、全力で意識したことは「他の病気になって治療を中断しないようにすること」だった。今は、30日間完遂できて、本当にほっと安心している。

治療中に友人から「体調どう?」と聞かれた、なんて答える?
私の乳がん治療を知っている友人と話すと、必ず最初に「体調どう?」と聞いてくれる。これは皆、私のことを本当に心配して聞いてくれているので、その思いやりに心から感謝なのだが、最初の頃、どのように答えようか迷っていた。なぜなら、予後順調で標準治療を進めていても、治療による副作用もあり、痛みがないわけではないので「健康」というわけでもないから。

そこで私が考えたのは「予後順調、治療も順調で、QOLを下げずに生活と仕事が両立できています」と答えることにした。
この「QOL」という言葉は今までも知っていたが、がんサバイバーになって初めて自分で実感を持って発すると新鮮に感じたし、改めて自分の中でQOLとWellbeingが結びついた。
QOLのQualityをどのレベルにしたいのか、生活する上で何が一番大切なのか、病気になると必然的に考える。特に治療が長期化する場合には、自分の生活への影響も大きいので徹底して考える。
自分にとって最善のQualityが維持できる生活、それがWell-beingと言えるのだ。

QOL:クオリティ・オブ・ライフ
国際的に定義について必ずしも合意が得られているとはいえないが、1947年の世界保健機関(World Health Organization:WHO)の健康憲章から「(略)not merely the absence of disease, but physical, psychological and social well-being(単に疾病がないということではなく、身体的にも精神的にも社会的にも完全に満足のいく状態にあること)」と定義されることが多い。
日本では、2000年に旧厚生省大臣官房障害保健福祉部が公表した「障害者・児施設のサービス共通評価基準」の用語解説にある「日常生活や社会生活のあり方を自らの意思で決定し、生活の目標や生活様式を選択できることであり、本人が身体的、精神的、社会的、文化的に満足できる豊かな生活」をQOLとする定義がある。

Wikipedia

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