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彼岸花とspider lily

秋分の日が近づくと、その日を知っているかのように時季を合わせて咲く彼岸花。日本人は、この花をお彼岸と重ね合わせ、季節を感じ、死者に思いを馳せる。

昨年、留学生と一緒に彼岸花を見に行き、彼岸花は英語でspider lilyと言うことを知った。クモのようなユリ。そう聞いてしまうと、クモにしか見えなくなってしまうから不思議である。
私たちは「ことば」を通して世界を見ているのだと、改めて感じさせられる。
だから他のことばを学ぶのはおもしろい。他の人がどのように世界を見ているのか、私も少しだけ味わうことができる。

私たちは世界のいろいろなものを、似ているものでつなげたり、同じ季節のものでカテゴライズしたりすることによって、無秩序な世界に秩序を与え、自分なりに整理された世界の中で物事を認識している。そのやり方は言語によっても違うし、それぞれの人によっても違うだろう。それに優劣はない。

でも私たちは、自分の見ている世界、自分のやり方で整理した世界が唯一ではないということを忘れてしまう。私が見ている世界と、他の人が見ている世界は違うのだ、といつも心に留めておきたい。


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