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#翻訳 Fast Company 「世界を変えるアイディア2019」

米経済紙、Fast Companyが世界を変えるような問題解決をしている企業をリストアップし、17部門でそれぞれ優秀なソリューションを表彰しています。
こんな課題があったんだ、そしてこんな解決がされているのか!と面白かったので簡単に調べました。
原文:World Changing Ideas 2019: 17 winning solutions that could save the planet

[最優秀]Aira:視覚障がい者のための、カメラ付き眼鏡

眼鏡の映像がライブ配信され、エージェントが遠隔でサポートしてくれるサービス。
これまで、視覚障害者のうち、大学に入学してから卒業できるのが53%しかいなかったが、Airaを使った人は93%が卒業できたとのこと。
視覚障がい者の約70%がフルタイムで雇用されていないが、これを7%に下げるのがAiraのミッション。
参考:カメラ付きメガネを活用した、視覚障がい者の“目”となるサービス「Aira」

[広告]Uncensored Playlist:プレイリストで検閲を潜り抜ける

国による検閲が厳しい五ヶ国(中国、エジプト、タイ、ウズベキスタン、ベトナム)で、音楽ストリーミングサービスの「プレイリスト」を用いることで、検閲により報じられなかった情報を伝えるというアイディア。
参考:検閲をくぐり抜けた、ジャーナリストたちのプレイリスト

[AI、データ]Flood Concern:洪水予測をマップで表示

AIを利用して、洪水や嵐を5日前から予測し、どのエリアが一番被害が大きくなりそうか可視化するサービス。
サンフランシスコ、ロサンゼルス、クパティーノなどの市で利用されているほか、保険会社とも契約を結んでいる。
参考:One Concern CEOインタビュー記事

[生活者向けプロダクト]Roo:10代向け性教育チャットボット

10代の性に関する相談(セックスや、カムアウトについて等)に答えたり、情報提供をするAIチャットボット。
参考:「私の性器はふつう?」「初Sexの理想年齢は?」匿名24時間対応、ティーンの〈聞きにくい性の質問に秒で答えるチャット〉

[クリエイティビティ]Outrider Bomb Blast:核爆弾が落ちてきた時を想像できるサイト

自分の街に核爆弾が落ちてきた時の被害状況が可視化されるサイト。爆弾の種類や、どこで爆発したかなど様々なパターンで可視化される。
教育目的で非営利団体が作成。
参考:自分の街に核爆弾が落ちてきた時の被害状況が一発でわかるサイトが登場

[途上国のテクノロジー]Banqu:途上国の農作物管理

ブロックチェーン技術を用いて、途上国で作られる農作物のデジタル台帳を作成する。
お金を受け取ったり、送金したりできるほか、何の農作物がどれくらい出荷されたかや、1エール当たりの価格なども管理できる。
もともとは、金融サービスの外にいる難民などに、デジタルIDを付与するサービスを提供していた。
参考:ブロックチェーンは、難民を「経済的アイデンティティ」で救っている

[教育]Meraki Margdarshaq Project:恵まれない環境にいる親子のための教育方法の指導プログラム

インドにある非営利団体で、恵まれない環境にいる親子のための教育方法の指導プログラムを提供。

[エネルギー]Energy Vault:コンクリートによる発電

タワーから、コンクリートを落下させるときのエネルギーを電力に変えるスイスのスタートアップ。(すごい!)
参考:水力発電よりも低コストで実現できる「コンクリートバッテリー」とは?

[実用性]Spinnova:木材繊維の開発

木材から繊維を作るフィンランドの企業。
綿と違って大量の水を必要としないし、有毒物質も使わない。

[食品]Apeel:農産物を長持ちさせる技術でフードロスを解消

Fast Comapnyの2019年「世界で最も革新的な50企業」にも選出。
農産物を長持ちさせる技術でフードロスを解消しようとする会社。
今年、特殊な溶液でコーティングすることで長持ちさせたアボカドをコストコ等で販売開始し、米大手スーパー”Harps Food Store”ではアボカドの廃棄を60%減少させており、その技術力と貢献性を評価。
参考:農産物を長持ちさせるApeel Sciencesはフードロス問題に一役買う

[健康]Butterfly iQ:小型&ユーザーフレンドリーな臨床用超音波検査

現在、超音波検査は超高額でマシンも大きいが、
電器シェーバーくらいのサイズで超音波検査ができて、スマホに画像を送ってくれるAI技術を開発したスタートアップ。
参考:ポータブル型全身超音波スキャナを開発するButterfly、シリーズDラウンドで2.5億米ドルを調達

[社会]Upsolve:破産申告を簡単に

低収入の個人が簡単に破産を申告できるソフトウェアを提供する非営利団体。
これまでケースワーカーによる対応では、1人ずつしかサポートできなかったが、簡単に入力できるフォームを用意することによって、申告が簡単になり、弁護士によるレビューも5分ほどで済むように。
最終的には機械学習を使ってプロセス全体を自動化する予定。
破産申告によって利益があるが、現在それに気づいてない何百万人ものアメリカ人にリーチする予定。

[公共空間]RYSE commons:at-risk youth向けのスペース

リッチモンドにある、at-risk youth(非行や虐待の恐れのある若者)向けのプログラムを提供する施設。
ワークショップや教育プログラムのほか、料理や瞑想など、様々な目的に合わせた多様な空間がある。

[学生]Incluse:デザイン性の高い補聴器

聴覚障がい者のための補聴器をファッショナブルにデザイン。
ドイツでは1500万人が聴覚障がいを抱えているが、デバイスを使っているのは現在は300万人にすぎない。

[運送]EPIC Chassis:電動シャーシ(車台)

トラックやバン向けの電動シャーシ(車台)、EPIC Chassisを開発。
開発コストは詳らかにされていないが、ガソリンと比べて85%程度コスト削減できるとされている。

[世界を変える企業]IBM

災害救助から食料供給、人工知能など、保有技術を幅広く活用している点を評価。
Call for Codeコンテストは、災害地点にwifi ネットワークを構築するためのゴムボールを上から落とすことによって、より救助隊がより効果的にリソース管理できるようにするソリューションを産んだ。
Food Trustプログラムは、農作物の出荷経過を透明化した。Project Debatorは、討論の仕方を学習することで高い将来性を見せた。
参考:IBMのAIシステム「Project Debater」、討論では人間に負けるも高い将来性