世界は美しく、悲しい。カンボジアの旅から学んだこと
ハワイやフランス、オーストラリアや韓国……。
旅行といえば、美しい景色やその国ならではのグルメを楽しむもの。わくわくしてやまない娯楽でしょう。
かつて私は、旅行会社のカウンターで旅の相談に乗ったり手配をしたりする仕事をしていました。毎日のようにわくわくしているお客様の対応をしていたので、旅行は人を幸せにするなぁと心から思っています。
実際に私も、旅は大好き。
各国の景色、人、もの、ことに触れるのは心の豊かさにつながると感じています。
しかし、20代前半。わいわい楽しいだけの旅ばかりしていた私に、世界の"現実"を見せられた国がありました。
ーーカンボジアです。
美しき世界遺産
カンボジアといえば、東南アジア最大の世界文化遺産「アンコールワット」が有名です。
実際には600ほどあるアンコール遺跡群全体が世界遺産で、アンコールワットはそのうちのひとつ。主要寺院を見るだけでも、数時間かかります。
とくに、アンコールワットと日の出を楽しめるツアーは神秘的で、息を呑むほど美しい景色を望めました。10年以上経った今でも、鮮明に思い出せるほどです。
これぞ美しき世界遺産。
ガイドが語る現実に言葉を失う
美しい!美味しい!楽しい!
そんなことばかりの旅しかしてこなかった、当時20代前半の女子(私)は、ガイドが語る現実に衝撃を受けました。
「この国は今も地雷が埋まっています。不発弾ではありますが、判別が難しく誤って触れてしまい爆発することも珍しくありません。手足がなくなったり死んでしまったりする子供もいるんです。」
ワイヤーで柵が作られた場所を指差しながら話をしてくれました。不発弾がある可能性が高い場所なのでしょう。
衝撃でした。
恥ずかしながら、今の時代にまだそんなものがあるなんて知らなかったからです。美しき遺産の隣には、悲しき戦争の名残がありました。
発展途上国の現実
日本は恵まれています。
蛇口をひねれば水が出るし、そのまま飲める。ボロくても足を守る靴があるし、選ばなければ仕事だってたくさんある。
でも、世界には、そんな当たり前だと思っている環境が"当たり前ではない"国が多数あります。カンボジアを含む、発展途上国と言われる国々です。
ストリートチルドレンや幼くして労働している子供、観光客に物乞いする子供の姿にも考えさせられました。
贅沢な環境で生きていること。
貧しいながら頑張っている子供がいること。
そして
世界のことを全然知らなかったこと。
旅行会社で働いていながら、何も知らなかったなと反省しました。ただただ「楽しい」旅しかしてこなかったことに、恥ずかしさも覚えました。
価値観が変わったこの旅はーー
美しさと悲しさ、不甲斐なさなど感情がごちゃ混ぜになり、また価値観がガラリと変わったこの旅は、旅行会社に勤めていた時の「研修旅行」でした。
そうです、JTBです。
これが、私の忘れられない旅。価値観を変えてくれたのはJTBでした。
あれからもう10年くらい経ちますが、たくさん旅してきた中でもっとも忘れられない旅。感謝しています。
貧しい国へ、何ができるのか。
微力ではありますが、これからも考え、行動していきたいと思います。
追伸:
現在、違う形ではありますが、ほんの少し関われているご縁に感謝します。微力ですが、恩返しができるよう頑張ります!
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