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049. 好きな人に写真を送る、もし、受け入れられたら。

※これは小説(ホワイトクリスマスの祈り)の執筆裏話です。
好きな相手に、「好き」を言う代わりに写真を送るって、とっても情緒的で最高な「好き」の伝え方だと思う。昔、好きになった人と、結ばれない、と気がついていた時、その彼に面と向かって伝えたことがある。

「告白したのは後悔していません。でも、何度言っても足りないけど、今後は言いません。でも、どこか遠くへ行って、綺麗な風景を写真に収めたときにその写真を送ったら、それは好きっていう意味と、おんなじですから」

彼の横顔はずいぶんと綺麗で、まだアルコールに飲まれていない頬の色をしていた。鼻がやっぱり高いなぁと思っていると、

「うん」

と言って、ゆっくり深く頷いた。

それできっちり彼の胸に伝わった、と理解して、硬い雰囲気など微塵もなく2人で料理をつついたり、3杯目を頼んだりした。

この事実を小説に組み込んだ。大半はもちろんフィクションだけれど、「とどめておけない空気を小説としてとどめておきたい」と思った。

読み返しても、個人的に好きだ。

その彼はまったくこの小説のことも知らない。

ただ、あの気持ちを受け入れられた瞬間の雰囲気を思い出すと、今でもあの頃と同じように果実たっぷりのサングリアを飲みたくなる。

「決して恋人同士になれなくても、私の好意があなたのお守りになってくれたらいいのに」
「ちゃんとなってますよ」

この会話自体、今も自分のお守りになっている。

#エッセイ #小説 #短編 #執筆裏話 #ホワイトクリスマスの祈り #お守り




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