039. 人の心を鷲掴みにする「何か」
先日、2万8000字弱のあたしの完結小説を会社の子が読んだそうだ。夜、突然「ねぇ、奥村さん」と来たものだから、何事かと息を飲んだ。
「やばい、初めて切なすぎて泣いた」
頂戴した言葉だった。自分の小説で泣いた報告をしてくれたのは彼女が初めてだったから胸が張り裂けそうだった。
2万8000字、そんなに多くない。でも初動から飽きさせないように書いてどんどん脚本でいう柱を立てていかないと読者は飽きてしまう。
肝心なのは1番最後のシーンだ。そこで読者にどんな余韻を残せるのかが決まってしまう。でも、そのラストシーンのための、、、2万7000字に引き込まなければならない。
そういう時、いつも韓国映画を思い出す。2つ。
「殺人の追憶」「箪笥」
この2つだ。
どちらも、最後の2分。最高に心震える。
ここまでたどり着くために、2時間余りを費やしてきたのだ、と思う。
最後のシーンだけを見たければYouTubeで公開しているけど、あたしはこの各2分弱だけで泣いてしまう。全ての感情がぐちゃぐちゃに綯い交ぜになって、吐きどころがなくなるのだけど、今までの全てのシーンが走馬灯のように胸に迫る。
そんな小説を書いていきたい。
最後の数行の言葉のためだけに。
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