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「小さな町の精神科の名医が教える メンタルを強くする食習慣」

著者は米子市の皆生で飯塚クリニックという医院を構えている精神科医です。彼の医院には他県からも患者が多数来院し、多いときで年間一万六千件の診療を行なっているそうです。

これまでメンタル疾患と食事の関係性については多くが語られてきました。まさにYou are what you eat(医食同源)であり、「体は無数の化学反応でできている」のです。

ステロイド治療などあらゆる治療法を試しているのに治らない皮膚病に苦しんでいた30代の姪に、小麦製品、乳製品、糖質をやめるようにアドバイスをしたら、3日でかゆみが一切なくなったそうです。

著者は人が普段何気なく摂っている有害なものとして、アルコール、カフェイン、小麦類、乳製品を挙げています。

「カフェインは有害です。長年、精神科医をしていて、カフェインを徹底して避けるとこれら記疾患の安定度がまったく違ってくることを断言できます」

これは体内にあるアデノシンという物質は興奮性の神経物質の分泌を抑制するのですが、カフェインはアデノシンと化学構造が類似しているので、アデノシンを感知する受容体に蓋をしてしまうからだそうです。

小麦(グルテン)と乳製品(カゼイン)は消化の難しいタンパク質です。頻繁に摂取すると腸の炎症を引き起こすだけでなく、脳にも影響が出ます。

糖質についての様々な危険性はよく知られていると思いますが、果糖も同様です。果物が体にいいからと、毎朝自宅で作ったフルーツジュースを大量に飲み、糖尿病になった人を知っています。血糖値が急激に上下する血糖値スパイクは心筋梗塞や脳梗塞を引き起こします。

最後にCBDオイルについても言及しています。これは大麻草から抽出したオイルなのですが、もちろん法的規制のあるTHCを除去したものです。国内ではアイソレートとカンナビノイドを含んだブロードスペクトラムが流通しています。著者もブロードスペクトラムを癌予防、認知症予防として毎日飲んでいるそうです。

著者は言います。

「150歳まで生きる。わたしは結構本気で考えています。今後、自分の健康がよりよい方向に向かう予感にワクワクしています。いまのペースでアンチエイジングに関する治験が積み上げられ、その実践を導くナビゲーターである人材が多数出現すれば、現代病は激減し、健康寿命は飛躍的に伸びるはずです」

本書を読むとそれを実感します。

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