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海外で拡散された能登半島地震関連の誤情報

日本時間1月2日あたりから徐々に海外のファクトチェックメディアが自国で拡散された能登半島地震関連の誤情報の検証を行い発表していました。すべてのファクトチェック記事を確認することはできませんが、Google Fact Check Toolsに登録されている記事にはどのようなものがあるか確認してみました。
※海外の記事のリンクは、Google翻訳などで簡単に日本語に訳すことができます。気になる方は読んでみるのも良いかもしれません。


多くは東日本大震災の時の映像の使いまわし

圧倒的に一番多いのは、東日本大震災の時の津波の映像を今回の能登半島地震だとして拡散しているものです。同じ日本での出来事ですし、街並みや写っている人も日本人らしき人たちなので、海外の人であれば信じてしまっても無理はないのかもしれません。
ちなみに…ご存じの方も多いと思いますが、日本でも同じように東日本大震災の時の映像が能登半島地震の時に発生したものだとして出回っている例もありました。これは国に関係なく万国共通の誤情報の作成方法と言えます。

「能登半島地震は人工地震である」

これも日本で拡散された誤情報と同じです。私が所属しているファクトチェック専門メディア「リトマス」でも検証記事を出しています。
興味深いところは日本で拡散されたものとほぼ同じ動画や画像を使用しているところです。もしかしたら日本の誤情報が輸出されて台湾で拡散されたのかもしれません。誤情報は輸出入され、世界的に同じ誤情報が拡散されることがあるからです。

「日本とモロッコの地震の写真を開くと、携帯電話は 10 秒でハッキングされる」

海外で拡散された誤情報の中には少し「?」と思ってしまうものもありました。
「日本とモロッコの地震の写真を開くと、携帯電話は 10 秒でハッキングされる」という誤情報は3つのメディアによってファクトチェックされていました。それだけ多く拡散していたということでしょうか。これがもし本当であれば、日本在住者の携帯電話のほとんどがハッキングされていることになりますが…そんなことはありません。

「日本では地震時に空中に浮かぶ家を建てることができる」

また、以前から拡散されている誤情報も再度拡散されました。
「日本では地震時に空中に浮かぶ家を建てることができる」はスリランカで拡散されたようです。サムネの写真をご確認いただければわかりますが、思わず笑ってしまいそうな誤情報です。むしろこのアイディアが実現したら世界を地震から救えるような気さえします。ある意味では今後実現してもらいたいくらいの誤情報でした。
もしかしたら、日本=テクノロジーの国、のイメージが強いためこのような誤情報が生まれるのかもしれません。

その他にも様ざまな誤情報が拡散

この他にはトルコの病院が日本の病院として拡散したり、アメリカ・カリフォルニアの高波の動画が日本として拡散したりするなど、全く関係のない動画が日本として拡散しており、日本人の私としては「どうしてそうなった?」と言いたくなるものがたくさんありました。

今や世界中の人がスマホを使いSNSにログインしています。その中にはそれほど教育を受けていない人も含まれるでしょう。海外で拡散された「面白い誤情報」をどれくらいの人が信じているかはわかりません。でも危惧されるのは、一部の誤情報だとわかっている人が面白がって拡散していたとしても、一部のそれを本当だと信じてしまう人に届いてしまうと、社会を混乱させる要因になり得ることです。
やはり情報の判断は冷静に、誤情報は拡散しない、ということが必要なのだと思います。

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