ダウン症？それが何？

写真はダウン症次男が5歳くらいの時の写真。今は11歳ですっかり〝ちっさいおっさん〟になっている。

何年か前、アクセサリー販売の仕事で百貨店のイベント出展の時、お隣のブースのジュエリーデザイナーさんとしゃべりまくっていた。
店頭でしゃべりまくるのはけしからんことかもしれないが、お隣さんと仲良しになるのは良くあることで、この日もちょっとお客様が引くと、仕事の情報交換から話題がそれてプライベートなこともぺちゃくちゃしゃべっていた。

その時のお隣さんはニューヨークで長年ジュエリーデザイナーをされていた方。
デザイナーとしても経験豊富でざっくばらんな楽しく素敵な方だった。

私が何かの話の流れで、「次男がダウン症なんですよねー」と言うと、そのデザイナーさんが、「え？」という顔をされた。
あ、しまった、ダウン界にいるとダウン症が身近にいる生活が当たり前なので、つい普通に「ダウン症、ダウン症」と平気で口走ってしまう。
ダウン症が身近にいない人に取れば、「ダウン症」と急に言われても、どう返答して良いのかわからないはず。
気を使わせてしまったかも・・・と反省していた。

その後、話していくうちに、その「え？」という顔は全く違う意味だとわかった。

そのデザイナーさん曰く・・
「ダウン症の人なんか、ニューヨークでなんぼでも働いてるよ！私が通っている眼科の視力検査の人もダウン症やと思う。はっきり聞いたことはないけど・・話し方とか、ちょっと独特なところがあるから絶対そうやと思う。後はファッション関係で働いてる人もすごく多いよ。」

ま、まじですかー！
全く想像つかない！

マクドナルドとかそうところなら想像できるけど、眼科！？

うちの息子は重度の知的障害だ。
字を読んだり書いたりもまだできない。ダウン症の人は知的障害の部分はとても個人差がある。
そうは言ってもいくら優秀なダウン症の方でも日本で障害者枠以外で働いている方はいらっしゃるのだろうか・・・
ましてや眼科で働いているダウン症の方なんて。

私はその方からのお話を聞いただけなので、実際に見た訳ではない。
でも、「うちの子、ダウン症なんですよねー」と言われた時に、「は？それが何？」という雰囲気になるほどに、アメリカではダウン症の人が普通にその辺で働いているということ？
そのデザイナーさんの、「え？」という表情は、「え？それがどないしたん？」の「え？」だったのだ。

ダウン症次男が通う小学校はインクルーシブ教育を実施しているので、普通にクラスにいる。
クラスの子供たちは次男が「ダウン症」ということを知らない。
先生に「保護者からの説明は不要」と言われたので、私が子供たちの前で説明したことはない。
(親御さんには保護者会でご説明したり、次男の取説プリントを用意し、お配りしたことはある。)
さすがに高学年にもなると、子供たちも「なんか違う」ということはわかる。
無邪気な男子だと4年生くらいの道徳の授業を聞いて初めて、「え・・もしかしてあの子は障害者ということ？」と気づくらしい。

このような環境で子供たちが育つと、もしかしたら、次男のクラスメートが大人になり、誰かに「ダウン症の子供が生まれた」と相談されたら、「それがどうしたん？小学生の時にクラスにいたけど、普通に楽しそうにしてたで。」と事も無げに言うかもしれない。

実際に私が、〝次男がダウン症の疑いあり〟と産科の先生から言われた時に、入院中の病院から私の妹(アメリカ留学の経験あり)と電話で話をしていて、妹に「えー？ダウン症の子、普通に大学にいたけどなぁ～」と言われ、気持ちが少し落ち着いた経験がある。

「インクルーシブな社会に！」と啓蒙活動をしなくとも、「いろいろな人がいて当然」の社会だと、障害の有無関係なく、みんなもっと気楽に生きられはずだ。
「こうあるべき」「こうするべき」と考えなくても良い、「だいたいのことは大したことないよなー。」と思える社会になれるはず。

すみません、話がちょっと変わりますが・・
うちの息子は英語に憧れが強く、日本語もまともに話せないのに、YouTubeで勝手に英語を覚えて、それっぽくアメリカ発音で簡単な英単語を言ったりしているので、生意気にもプライベートレッスンに通わせてみることにした。
毎週機嫌よく通っている。
不思議なことに、日本語を話す時は
最初の音が落ちるのに、例えば〝りんご〟だと〝○んご〟のように。
しかし、英語だと〝Apple〟とちゃんと言える。
〝えんぴつ〟は〝ぴつー〟と言うのに、〝pencil〟はちゃんとpにアクセントを置いてはっきりと発音できる。

何故なんだ。 

英語がダウン症の人にとって、比較的発音しやすい言語なのか？
発音しやすい→話せる→知的な刺激が多くなる→知的な発達につながるから、普通に働ける人が多くなる？

どうなんやろ～？
だれかご存じの方、教えて下さい。