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日本の自然栽培の欠点

前の記事で、自然栽培が必要になると書きましたが、日本の「自然栽培」には欠点が多く残っていると感じています。作業効率や経済性のせいだと想像しているので、実際に自然栽培を行っている農家の方からすれば「だったらお前がやってみろ」という反応がありそうですが、書かせてください。

【単一栽培が主体になっていないか?】
日本で自然栽培と言っても、区画を小さく区切ったり、雑草や害虫を徹底的に手で排除したり、といった形での対応も多く、区画の中を見ると単一栽培に近い形になります。雑草が多様性を担っており、もったいない、というか課題がありそうに感じています。

【階層的な利用の例が少ない】
地中沿岸の伝統的な農業や南アメリカに残っている伝統的な農業では高木・亜高木・低木・穀物・牧草を上手く組み合わせて栽培を行っています。これに対し日本の「自然栽培」では「畑」か「水田」のどちらかの形が主になっています。木と混ぜる、穀物と牧草を混ぜる、といったことが充分に模索されていない状態です。
ただし、これは日本の主食が米である影響が大きいかもしれません。米を作ろうとすれば陸稲でもない限り、水をためて水田を作らなければいけません、そうすると、自然と「水田」と「畑」という二項対立のような関係が出来てしまいます。また、水田のある所に樹木を植えるなどもっての外。。。
高木・亜高木・低木・穀物・牧草を混ぜるのはなかなか難しい農業形態です。

【牧畜が上手く混ぜられていない】
これは、慣行栽培が始まる以前から指摘されている内容です。江戸時代でも、日本は水田や畑の面積に比べて家畜が極端に少なく、水田・畑に養分を戻すことが課題でした。そのため、江戸ではし尿を買取り、農家へ販売する仕事が成立していたほどです。
これには日本の土地と土壌と気候の問題があるかもしれません。日本の土地は山がちのため、水が流れやすい環境にあります。また、日本の土壌は火山灰を多く含み、水がしみ込みやすくなっています。その状態で雨が降ると塩基性の養分が地下や川に流されてしまい、残った酸性の成分により土が酸性化します。そうなると、特に牧草が育ちにくいため、そもそも家畜を殖やすことが出来なかったのかもしれません。

私が自然栽培に感じている課題(というか感想ですね。。。)をつらつらと書いてみました。

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