見出し画像

Bed Bath & Beyondの最後の希望?

米国に住んでいる人であれば、1度は受け取った事はあると思う上に張ったクーポン。そうBed Bath & Beyond(BBBY)の20%クーポン。BBBYでこのクーポンなしでBed Bath & Beyondでショッピしない人が殆どいない位出回っているクーポン。だからBBBYで販売している商品は常に20%高く設定されているのではと思ってしまうのは私だけだろうか。

そのBBBY関連で今日株式市場で興味深いニュースが流れた。
Bed Bath & Beyondは1971年に設立され、アメリカ合衆国とカナダで地域雑貨小売店チェーンを展開している。ほとんどの商品は中級品だが、高品質の地域限定商品も扱っている(寝室、浴室、台所、そしてダイニングルーム用商品)。S&P 500のメンバーである。

そのBed Bath & Beyondの株価が今日あるニュースのお陰で約20%上昇したのである。(昨日(10/9/2019)が$9.90だったのが今日(10/10/2019)に$12.00へ)そのニュースとはTargetでChief Merchandise Officeとして勤めていたMark Tritton氏が来月11月4日からBBBYのCEOになると発表された。新しいCEOが就任したと言うニュースだけでは株価はなかなか20%も上がらないのが普通だが、このMark Tritton氏がTargetのChief Merchandise Officeだったと言う事が大きな理由のようだ。過去5年間BBBYの株価は約80%下落しているのに比べ、その正反対の動きをしているTarget、この5年間で株価が80%上昇している。その大きな上昇要因がこのMark Tritton氏にあるとニュースでは伝られている。

ではこのMark Tritton氏が今まで何をして来たかを見てみたい。彼は小売業界の30年ベテラン、Targetに来る前はNordstrom, Timberland and Nikeなどで勤務し、Targetでは主にオンラインと店舗間の注文をシームレスに統合してきた立役者である。その次に大きな功績としてはTarget内でいくつものプライベート・ラベルを立ち上げ、Targetに大きな収益をもたらした功績者でもある。

米国内の小売業は年々店舗と比べEコマースの売上が上昇しており、その中の代表格とされるAmazonの成功を見ても納得が行く。大きなデパートやモールの売上はどんどん下がる一方の中、小売店で成功をしているのは、Walmart、Best Buy、そしてTargetだと言われている。この3ストアーが共通しているのは小売店とコマースのシームレスな統合がされている点である。例えば、消費者はアプリで商品を選択し、その商品を近くのストアーに行きピックアップをしたり、コマースで注文した商品を近くのストアーに返品したりと、コマースと店舗の境界線がなくなりつつあり、その統合が遅れている小売店はどんどん売上が落ちて言っていると言わざる得ない。それはBBBYが今まで効果的にコマース統合が出来ていない事が株価が物語っていると言える。

そして上記でも少し記載したモールの売上が下がっている話をしたが、TargetやBest Buyがモールのコンセプトをうまく利用し、売上を伸ばしている事が1つある、それはBest Buyに行くと、Best Buyの中にMicrosoftの専用カウンター、Appleの専用カウンター、Google専用カウンター、店舗の中に、小さな販売カウンターを設置し、それぞれのカウンターには専用スタッフもつけ、まるで店の中がモール化がされたように設置されている。Targetもしかり、同じ手法で店舗の中にブランドの小さな専用売り場を設け、あたかもモールに行ったような感覚で店内を改造し成功を収めている。これらはもちろん今始まった事ではないが、明らかに消費者の購買行動パターンが昔と比べ変わって来ている事が伺える。

今回BBBYがCEOにMark Tritton氏を起用した事により、BBBYの株価が上昇した事は株主に取り喜ばしいニュースである事は明らかであるが、しかしそれを喜んでいられるのも束の間にならないように、Mark Tritton氏は最速で結果を出し、今後のEarning Reportに反映される結果を出して行かないとBBBYは今までのようにどんどん店舗を閉鎖して行くしかない解決案しか選択がなくなり、また株価が下がる結果になる事は明白である。しかし今まで何もしてこなかった事を考えると、今回はMark Tritton氏をCEOに迎えたBBBYの判断は前進への第1歩だと信じたい。Good Luck BBBY!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?