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シンデレラの謎 なぜ時代を超えて世界中に拡がったのか
世界中のほとんどの人が知っている童話『シンデレラ』。
私は、シンデレラはグリム童話が原作で、ディズニーがアニメ映画化した作品だと思っていたが、違ったようだ。
そして、シンデレラと似たような構図の話が世界中に語り継がれていたということを初めて知った。
本当は怖いグリム童話
私は、この本を読んで、シンデレラはグリム童話が原作だと思っていた。
だから、原作はグロいけど、子供向けに消して、アニメ化したんだな~と思っていた。
が、今回読んだ本によると、フランスのシャルル・ペローが発表した『サンドリヨン』がシンデレラの原作なんだとか…。
じゃあ、グリム童話は?というと、サンドリヨンをドイツ版にしたものだそう。
『サンドリヨン』では、足を切ったり、ものすごい罰し方をするシーンなどはないらしい。
どうして世界にシンデレラが受け入れられたのか
この本の中では、シンデレラがどのように世界に広がっていったのかを様々な視点から考察している。
何が正しいとかは私は分からないが、興味深い部分があった。
このようにシンデレラ譚は伝播のプロセスにおいて、受容する側の価値観や文化に合わせて改作されていることがわかる。その結果、口承における民話の需要の際に、シンデレラ譚の骨格は残しつつ、みずからの文化に改編して自家薬籠中のものにし、受け入れやすくしたおかげで、シンデレラ譚は民衆に好まれたのである。
確かに~!と思った(感想が浅くて申し訳ない)。
最近私はベトナム版シンデレラと言われる「タムとカム」を読んだ。
中身は私が知っているシンデレラとは内容が全然違ったので、「何がベトナム版シンデレラなんだろう」と思いながら読んでいた。
この本の中でも、「タムとカム」が紹介されており、丁寧に考察されていた。
そこから、ああ、シンデレラの基本的な話の構造は変えずに、登場する人、物などはベトナム人にとって身近なものに変えて、お話ができたんだ、と理解することができた。
その国にとって何が大事なのかがわかる
各国のシンデレラに似た話を比較していくと、その国にとって大切なものが見えてくる。
それが、木なのか、動物なのか。動物もどの動物なのか。
そして、朝なのか、夜なのか。
こうやって見てみると、ただの童話というより、当時の人たちの生活、思考を紐解く一つの手がかりとなりそうだ。
最後に
本を読むと、また違う本を読みたくなるのだが、今回はこの本を通して各国のシンデレラを読むことが出来て、お得感満載だった(笑)。
現代では、人が大事にしているものが大事にできなくて起きる争いが多いように思う。
宗教も、価値観も、なにもかも、「この人にとってはこれが大事なんだな」と知ることができれば、争いは減るように思う。
私は、自分の価値観を大事にすると同時に、他人の価値観を知るために、日々読書をすることによって見聞を広げていきたい。
浜本隆志(2017)『シンデレラの謎-なぜ時代を超えて世界中に拡がったのか』
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