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妊娠中に毎日していたこと

妊娠したかも知れない。

生理が遅れていて、胸が張って来た。

その時、まだ籍は入れていなかったけれど、旦那さんと妊娠検査キッドを薬局に買いに行った。

結果は陽性。

自分の人生にこんなことが起きるなんて?ってびっくりしたし、嬉しかった。

正直、妊娠を願っていなかった。というと語弊があるかも知れない。

「子供は絶対に産みたくない」とも、「産みたい」とも、そのどちらにも気持ちがなかった。

もう年だし、子供が欲しいとか欲しくないとか、自分が選べる年齢じゃなくなったと思っていた。

産婦人科に行って検査して、
「妊娠しています、おめでとうございます」の次に出て来た言葉は、

「覚悟してくださいね」だった。

かくごしてくださいね、心の中でゆっくり繰り返しながら意味を考えた。

産婦人科の院長先生が言ってくださったその言葉の意味は、

「高齢だし、妊娠したからといって必ず産まれてくるとは限らないのです」

ということだった。

そうか。

人生で44歳で、初めて妊娠した。元気に産んであげたい、そう思った。

そう思う反面、もし、万が一、お腹の中で天国へ行ってしまったことを考えて、

準備しすぎない、ということをしました。

身体の準備は沢山したけれど、物質的な意味で、準備し過ぎないようにした。

産着もオムツも最小限。ギリギリまで用意しなかった。

もし産まれて来なかった時のことを考えて、それを処分するのは精神的にきついと想像できたからです。

一日、一日、母である瞬間を大切に過ごそうと思った。

夜になって布団に入ると、お腹に手を当てて、

「今日も一日、お母さんをお母さんでいさせてくれてありがとう。お父さんをお父さんでいさせてくれてありがとう」

と話かけて、今、この瞬間は母である感謝を小さい命、我が子に伝えました。

それには、明日にはもしかしたら伝えられなくなってしまうかもしれない、という覚悟もあったのです。





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