妊娠中の過ごし方
妊婦さんは、目を極力使わないでいることが安産の鍵になる、と教わった。例えば新聞は、大きな見出しなら見てもいい。それくらい目を使わないでいることが大事なんだそうだ。
朝起きるとまずテレビを付けて、仕事が終わればまたテレビを付けて夜更かし。そんな生活を送っていたので、テレビが見られないのは退屈だった。
本もテレビもダメ、パソコンもダメ、スマホもダメ。
となると、ラジオ。ラジオ生活始まる。ラジオはいつもすぐ隣でいろんな話をしてくれた。楽しい番組はあっという間に過ぎ、つまらない番組は長く感じた。それでも、消してしまうと部屋がしんとして、急にひとりになった。
好きなアーチストのCDを聴くも、今まで聴こえていた感じと違う。どれもダメ。何がどうダメなのか分からない。分からないけれど、受け付けない。
唯一、妊娠中に聴くことができたバンドは、「たま」だった。たまが居てくれて良かった。ありがとう、たま。ありがとうイカ天。たまが居てくれたことに感謝して泣いた。
たまと、他のバンドが違うところは、分からないけれど、なんというか「音楽」なんだ。リズムがあって、抑揚があって。たまを聴くと、他の今まで好きだったアーチストの曲がのっぺり感じて、急に聴きにくくなってしまった。妊婦さんは、五感が冴えて、感性が研ぎ澄まされるのだと思う。
夫さんは平日はもちろん、土日も仕事が入る。行ってみたかった産婦人科は、土曜日は予約で混んでいる。夫さんと、産婦人科の両方の都合が合う日、初診に行くことにした。
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