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50数年ぶりに昔暮らしていた場所に行ってみた

不動産投資を始めて間もない頃。幼稚園〜小学校2年ごろまで住んでいた町に物件見学に行った。それは現在住んでいる場所からもそう遠くはないんだけど、これまでほとんど行く機会もなかった。
そこは高台でアップダウンの激しい道で、当時は雪が降ったりするとバスが登れなくて交通は麻痺状態。市内の中心部からそう遠くない場所なのに、雪だとタクシーは行ってくれないし、かなり難儀をする場所だった。(今は除雪されてそんなことはないのかも)

そんな場所だから自然は豊かで、当時私は鉄筋コンクリートの4階建アパートに住んでいたのだけれど、アパートの目の前が森というか山で、小川なんかも流れていたよ。

見学に行った、不動産賃貸にピッタリな小規模のアパートはその町の坂の上にあった。坂を登り切った小高い場所で、そこだけが奇跡的に平坦だった。そのアパートを過ぎた所から今度は下り坂が始まる。行きも帰りも急な坂で冬場はかなり大変な場所なんだろう。

内見させてもらい、作りは古いけど日当たりはまずまずで悪くはなかった。ただ私には値段的に折り合いかつかず結局は購入を見送る事になった。

そしてそのアパートから徒歩5分ほどの所に私がかつて住んでいたアパートがあるはずだったが、老朽化で既に取り壊された後だった。思い出すとそのアパートは公団住宅の初期の頃の間取りとそっくりな2DK。夫婦と小さい子どもが住むのにはぎりぎりの間取りと広さだったと思う。


↑ここの雰囲気にすごく似てた。規模はもっと小さかったけど。


自分の原点とも言える遠い記憶の彼方のそのアパート跡地を目の前にして、懐かしいような哀しいような不思議な気持ちを味わった。

幼稚園児だった自分が50年以上前に住んでいたこの場所。アパートは取り壊されていたけれど、周囲は変わっていない所も多かった。兄の同級生が住んでいた戸建て住宅がまだそのまま残っていた。子供会の集まりで何度かお邪魔したこともある家。表札も変わらずにあったから、きっとその家の人たちはまだ住んでいるのだろう。

坂道を登って通った小学校までの道をたどってみた。あの当時、春になると見事な桜並木だった場所は並木はまだあったけれど、桜の木が弱っていて切られた木も結構あった。ソメイヨシノは木の寿命があまり長くないと聞く。枯死寸前の弱った老木は痛々しいものだった。


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そうだよ、だってあれから55年は経っているんだから、それも仕方がない。桜吹雪の中をランドセルを背負って学校に通った6歳の女の子は、見事に白髪のおば(ぁ)さんになっちゃったよ。


市内ながら引越し後に訪れる事もなかったこの場所。変わらずに残っているものもあったが、面影が全く無くなっちゃった場所もある。好むと好まざるにかかわらず人も町も歳をとる。せめて歳をとっても見苦しくならずに年月を経ただけ美しくありたい、などと思うのは難しい事でしょうかね。






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櫻井みけ子久美
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