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「王様」のロック魂(笑)

私の自分形成(アイデンティティとも言うね)の大きな要素の一つに、中学生の頃に出会った「洋楽ロック」がある。Queen、Led Zeppelin、King Crimson、DAVID BOWIE その他のニューウエーヴのバンドの数々……。いまだにその頃よく聞いた音楽を耳にするとその頃の気持ちが蘇ってくる。半人前で未熟で出来ない事だらけで、自分の置かれた環境には不満ばかりで何をどうすればいいのか、自分はどっちの方向に行けばいいのか。迷いと不安といらだちを抱えて毎日を過ごしていたよ。

高校を卒業したあたりにYMOの音楽に出会い、何だか耳が(頭が?)おかしくなった感じでその後は洋楽ロックの熱に浮かされていたような熱中からは卒業してしまった。その後は積極的に洋楽ロックやその他の音楽もあまり聞かなくなっちゃったんだよね。

そのロックをもうほぼ卒業した後にちょっとだけ耳にした「王様」という日本のミュージシャン。自分が夢中になった頃の洋楽ロックのヒット曲を日本語直訳の歌詞で歌ってしまうという、暴挙というか思い切ったパフォーマンスをする稀有な存在だったのよ。

王様、とにかく面白くてだけど批判精神に満ちて「わっ!これこそロックだわ❣️」と感激(笑)と衝撃を受けた。

*批判精神、と言うのはもしかしたらちょっと違うのかも知れないが、自分にはそう感じた。

↑22:22あたりからの「高速道路の星」をまず聞いてみて欲しい❗️いや〜もうなんも言えねぇ‼️

YouTubeの動画は割合最近のものだけど、小太りのおっさんが童話に出てくる西洋の王様(風)の出立ちでステージに立つ。この分かり易さと諧謔精神。あれだけヒットしたロックの名曲が日本語直訳の歌詞になると何だか腰が砕けるような感じになる💦物凄い破壊力だ。ここに目を付けて見応えのあるエンターテイメントに昇華させたのはすごい。この人ギターテクも中々であるし歌も上手いのだ。このミュージシャンとしての才能をこう言う方向に向けて使ったのは驚きと言うか何というか。

↑上の動画で王様の後ろでベースを担当している、いかにもオールドウェーブのミュージシャンって感じの黒ずくめのロングヘアの人は女性なんですね。彼女とても良い雰囲気出してますね。

例えばだけど、エレファントカシマシとかはしっかりした音楽性とセンスに裏付けされ、聴かせる正統派日本語ロックと受け取れる(わずかに1、2曲ヒットした曲を聴いただけなので詳しくは分からないです)しかし王様はそっち方向には舵を取らず、妙な感じにアマノジャクしてしまった?のかな?へそ曲がりになっちゃったかな?とにかくその辺りが自分にはど真ん中にツボってしまった❗️

ステージ上のMCでも王様自身が言っているけれど、デビューシングルが30万枚の大ヒットになっちゃったんだそうだ。その時彼は既に35歳だったと言う。

思うにこの王様と言うミュージシャンがまともに正統派のロックの方向に行かなかったのは、自分のキャラクターをしっかり自覚してそれを売りにしてしまったってことかな。この人自身が自分の見た目を茶化す方向でパフォーマンスしたから、って事なんだと思う。かっこよく真面目にロックをやったって自分はどうなのよ?ってことなのかも知れない。

まともに正統派のロックで勝負をかけても、あまたのミュージシャンと太刀打ち出来るのか?そう思った時に見い出した活路が若干のお笑い、色もの方面。だけどそれが期せずして破壊的な批判精神を帯びてしまった。そんな感じかも。正統派で続けてもちゃんとミュージシャンとして大成出来るかどうかは確率的にも難しい事だと思う。それがこういうニッチというか隙間的にロックファンに大ウケして今もライブ活動を続けている。これってすごい事じゃないか。

で、この王様、ディープパープルの日本語直訳パフォーマンス(深紫伝説)でデビューしたんだけど、耳馴染みの良いヒット曲の直訳カバーがこんなに似合う素材をパープルは提供してくれてたんだなぁ、と感心する。大仰なギターのプレイにシャウトするヴォーカル、力強く演奏されているグルーブ感あふれる曲。圧倒的な声量で歌われているのが日本語直訳だとこうなっちゃうのか、と言う事実に全く脱力しちゃうよ。自分たちは一体今まで何を聞いていたのか、とちょっと愕然とする想いだ。(私、FMとかで耳にはしてたけどレコード買ったり積極的に聞いたりはしなかった。何となく好きじゃなかったんだよね、Deep Perple。今聞くと懐かしいんだけどさ)


Zeppelinなんかはまともな歌詞の曲も多く、これは上記のパープルと比較すると、王様の曲としてそんなに大きな衝撃はない。割合まともに聞こえる。それではあまり面白くない😅ロックも60年代〜70年代初期にかけては専属の作詞家(詩人)をメンバーにしていたり、(特にプログレね)歌詞に載せるメッセージ性にも留意していた感じだったんだけど。

王様はパフォーマンスとしてあまりに特殊といえば特殊だし、最初に聞いた時の衝撃はすごいが、続けて聞いていると割合すぐに飽きちゃう💦オールドウェーブの古典的ロックはそれなりの作品ボリュームもありファンも結構いる。だからこその王様ロックなのだが、どんなに多数いてもファンはその範囲からは超えない。それがこの王様というアーティストの限界なのかもしれない。

余談であるが、王様の直訳ロックを耳にしてから自分の頭の中でロックの名曲が勝手に脳内変換で日本語の変な歌詞が浮かんできてリフレインするの。これ困ったものだわ💦例えばELPの「恐怖の頭脳改革」の中の1曲(悪の経典#9)なんか

隣のオヤジが怒鳴り込んで来たよ
「お前の音楽 うるさすぎるんだよ!」
黙れよオヤジ お前の方が邪魔だ
やってらんねぇ 俺にケチつけんじゃねぇ!

うせろ うせろ 俺 世界一!

あ〜グレッグレイクの力強いシャウトヴォーカルがぁ。参ったな(笑)

15:01から始まる曲です。レイクさん、ごめんよ💦


本題に戻る。
ただ彼は素晴らしいオリジナル曲もリリースしているのだ。私この曲、自分の葬式の時に流して欲しいっ!と心から思ったくらいなのよ〜。名曲です❣️

↓「万の土になった〜お墓参りに行こう〜」

美しいメロディで聴かせる内容の曲なんだけど、「千の風になって」を知っている人には、完全にパロディだしおちょくり感が満載だ。それを大真面目に歌っている。間奏のギターソロはZepの「天国への階段」のギターフレーズにそっくりである。これはこの人にしか出せない味だしパフォーマンスだと思うよ。いや〜いいなぁこの感じ♬


人間、どこにどんなチャンスが転がっているか分からない。王様がデビューして既に25年以上経っているのだと言う。最近でもライブ活動を続けているみたいだ。演奏している王様自身が非常に楽しそうで見ているこっちも嬉しくなるよ。

どこに転がっているか分からないチャンスと転機をつかみたいと思っている人は五万といる。それをちゃんとチャンスとして活かせる人って一体どれくらいいるのかな。自分という人間のキャラクターと能力の限界と続けられる方向性。それを的確に掴んだ人が自分という人を活かす事に邁進出来る。

機会があればライブに是非とも行ってみたいものだ。




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