練習-作詞⑴

文章練習の一環として、テーマを決めて短めの作詞をしてみます〜。ゆるめに。

さっそくですが、初回のテーマは「初め」でいきます。サビとかの区別はよく分からないので、まだ書きません。

また、何かしらのオマージュだったり、引用のような高度なことはしていません。ただ、記憶の中から釣り上げてきてしまうこともあるかもしれません。

これもひとつのチャレンジなので、お願いします。

詞文の後に解説を載せます。

テーマ「初め」 タイトル「初めて」

私、路地裏の夕陽

ビバリウムの片隅に

座り込んで揺るぎ始めた

ただのブランコ

これが最後で

これが最初さ

だから初めておくれよ、ああ

初めて初めて初めて、ただ初めて


夕焼けも朝焼けも

もう何回も待った

硯垂らす黒い羽は君の影法師

落とす文字は同じ

だから忘れないで

だから忘れないよ

2人でまた染まるよ、ああ

染めて染めて染めて、まだ染めて


「解説」

初回と言えば書初めの「初め」という事になりましたので、

「初める」という動詞を中心に物語を連想し、歌詞のような形で書き起こしてみました。

主人公は2人です。仮にAとBとします。この2人は異性間に限らず、同性間かつ、その関係性も恋愛関係ではない可能性があります。

それでは、それぞれの文言をどのような考えの下書いたのか説明していきます。

前半-A

「私、路地裏の夕陽」
ここに関しては、この物語自体において、Aが陽で、Bが陰に当たるという事を示唆しています。

「路地裏の」としたのは、砂浜に落ちゆく夕陽を、その砂浜の一歩後ろの暗く煤けた路地裏から見つめているような、Bから私Aへの認識を表しています。

そして最終的にはその「もう一人から見たA」を分かっているAの自己評価と言った所です。

「ビバリウムの片隅に」
ビバリウムとは、

「生き物の住む環境を再現した場所」

であって、爬虫類などの飼育のためのケージなども同様に指します。

AはBにとっては美しい夕陽のような存在だが、実際にはビバリウムで飼育される爬虫類のように、親族や社会の作り出した環境で生かされているだけだという意味です。

「座り込んで揺るぎ始めた ただのブランコ」
基本的に
    ・「揺るぎ」という言葉=精神的
    ・「揺らぎ」という言葉=物理的

な揺れを中心に表す時に使用されるというのが私の解釈です。

なので、この「揺るぎ始めた」は精神的な揺れを表します。

では「ブランコ」とは何か。

路地裏によって長方形に切り取られた夕陽=ブランコの形状

という比喩であり、それが揺れ動く事で、「美しい夕陽も、視点を変えればぐらぐらと動揺している」というAの内面描写です。

「これが最後で、これが最初さ」
ここは、年末年始を言い換えたような形で、「何かが終わり、また同時に何かが始まる」という表現です。

「だから初めておくれよ、ああ 初めて初めて初めて、ただ初めて」
Aは終わるけど、BはBの人生を書き初めてという意味です。

前半まとめ

Bから見たAは路地裏から見える夕陽のように美しいかもしれないが、実はAはペットに過ぎなかった。
心も弱く、動揺している。
そして今Aの命は終わるけれど、 BはBの人生を歩み始めてほしい。

という感じです。

後半-B

「夕焼けも朝焼けも もう何回も待った」
夕陽のように輝くAを探して、夕焼けも、朝焼けすらも何回でも待った。待つだけ待ったけど、一度もAを見る事はできなかった。

「硯垂らす黒い羽は君の影法師」
書初めになぞらえて、硯垂らす黒い羽の部分は

硯を指に引っ掛けた(硯垂らすの良い意味はもっとありそうな気もする)
黒い羽(死神)と、
書道での黒いハネ(止め、ハネ、払い)

を掛けています。
君の影法師という部分は、前述の死神がAの影を映したように見えるという表現で、Aの死を予感させます。
ハネというのも1つの字=1つの人生だとした時に、節目を表すでしょう。

「落とす文字は同じ」
白紙の人生に何か文字を書き落とすとしたら、その文字は君と同じにする、という意味です。
同じ文字を同じように、筆圧まで真似して書こうという確かな愛(友愛を含めて)を感じます。
前述の羽(ハネ)に関しても模写するのであれば、Bは後を追おうとしているのかも知れません。
もしくは、同じ文字を新しく書こうという決意の可能性もあります。

「だから忘れないで だから忘れないよ」
これは
    ⑴Aに「だから忘れないで」と言わ
     れて、「だから忘れないよ」と返し  
     ている。
            ⑵死んでしまったAに自分の事を忘
     れないでと頼み、Bも忘れないと
     誓っている。
の2つの場面が考えられます。

「2人でまた染まろう、ああ 染めて染めて染めて、まだ染めて」
この部分は夕陽に染まる、というそのままの意味だと思います。
2人でまた、という所から、路地裏でAを見ていたBも同じ文字を書く事で誰かにとっての夕陽になれるのかもしれません。
もしくは、Bも後を追って、海に沈む夕陽に向かって砂浜に足跡を残したのかもしれません。

後半まとめ
BはAを失った後、その人生をなぞるように死神の硯を掴んだ。
しかしそれはBにとってはハッピーエンドである。2人は夕陽に染まり、寄り添い合う肉体が影を落とす描写が見て取れる。

歌詞まとめ
AはBにとって憧れの人だった。
しかしAは病気で療養中で、まるでビバリウムのような場所で過ごしていた。親は金は持っているが、病気の我が子に関心は薄かった。
だからAはブランコのように孤独に揺れ動きながら、自殺という道を選んだ。Bの事は大切に思いながらも、自分の人生を歩んでもらいたかった。しかし、Aの事は覚えていてほしいと呪縛をかけてしまってもいた。

BはAを失った。
自分自身の人生を歩むか、Aという呪縛を受け入れるかを迫られる。
Bは迷いなく後者を選び、そして、Aの人生をなぞるように、入水自殺した。
彼らの夕陽が沈む事は無くなった。


という感じで、作詞+解説を載せる、というチャレンジを不定期にします😎

どっこいしょ。

よろしくお願いします。



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