見出し画像

もいっかい、百年目

百年目の続き。いよいよ落ちへ向かう志ん朝師匠。
「あ、番頭さん。ちょっとお待ち。きのう、お久しぶりだとか、ご無沙汰をいたしましたなどと妙なことをいってたが、一つ屋根の下にいるのに、どういうことだい。
へい。番頭は硬い硬いと思われておりましたのに、あんなざまをまでお目にかかりまして、これが百年目だと思いました。」
と、トンと落として仕舞う。

いいなあ、未練もなくあっさりと仕舞って見せる。これが西洋だと、カーテンコールだの屁だのと言って死に際の悪いこったないんだけど、江戸前は違うンですよ。
もちろん、観客は席でじっくりと名人芸の余韻を楽しむ。「どうですか?面白かったでしょ。もっと聴きたいでしょ」なんてぇ擦り寄らないから、その余韻が切り立つンです。小粋でしょ?
粋じゃないよ。小粋。
実はですね。"小"を添えると俄然、言葉が江戸前になるンです。
器用より小起用。さっぱりより小ざっばり。半刻より小半刻。
小春日和なんて、いい言葉ですな。

実はですね。"小"を添えると俄然、言葉が江戸前になるンです。
器用より小起用。さっぱりより小ざっばり。半刻より小半刻。
小春日和なんて、いい言葉ですな。
先日、いらした若い女性お二人が、ウチのティファニーのお皿をみて「小洒落た感じがティファニーらしくて素敵!」とお話されてました。チョー可愛い!とはおっしゃらなかった。あ、東京の方だなと思いました。
あ。そうだ思い出した。ウチのティファニーのお皿だけど、小さいTの字が散りばめてある。これ見て
「Tカードのオマケですか?」と言ったカップルがいたな、そういや。ははは♬中々あっぱれなカップルだった。
あっぱれカップル。あまちゃでカッポレ。

小坐敷の 丁ど半分 小春哉
小林一茶でございます。
本日は佳いお日和でした。


無くてもいいような話ばかりなんですが・・知ってると少しはタメになるようなことを綴ってみました