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《序章》ネオチェリーブロッサム空港

疲れ切っていた。

こんな小さな街で
人間関係と理不尽な社会に嫌気が差し
波打際に立っているような日々を過ごしていた。


休みの日に、徒歩30分の場所にある空港へと足を運び1日1便 東京行の飛行機を眺めることが唯一の楽しみであり、心の安らぐ時間だった。


だが今は、その余裕すらもない。


気が付けば、今年も終わりに差し掛かっていた。

最後に友達と会ったのはいつだっけ
思い出そうとしても思い出せない。


そんな、何にもならないことを考えながら帰路につく。

明日は休みだけど、空港には行けそうにないかな
諦める変わりに、今日は違う道で帰ろう。




疲れ切っていた。

それがすべての始まりだった。




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