DTPオペ目線で

印刷会社のDTPオペレーターをしています。
会社を転々としつつ、DTP暦はながーくながーくなりました。

そのため、いろいろな入稿データを見てきました。
誰もデザインができるものだから、感心するようなデータから、これはちょっと…というデータまで。
ひどいデータは、印刷に回せるデータへ修正します。
それがわたしのお仕事です。
が、デザイナーさんの方で守っていただきたい点もあります。

そこでオペレーター目線から、最低限してほしいこと3点。

1.ファイル名は簡潔に
わたしの制作環境はWindows 10です。
Macも使えます(もともとはMacでDTPをしていました)
Windowsでは、ファイル名の文字数に制限がある(256文字)のですが、たまにあるんです。
なが~~~~~~~~~いファイル名が。
Macでも困っちゃうんですが、Windowsでは読めなくなっちゃうのです。
お願いです。
ファイル名をテキストエディタの代わりにしないでください。
(ファイル名からテキストを取って、という指示が入ったことがありました)

ファイル名は短く、簡潔に。

加えて機種依存文字も使用しないで欲しいです。
文字化けしてしまい、わけがわかりません…。

2.拡張子を正しく
最近は少なくなりましたが、拡張子がないファイルや、拡張子がうそつきさんのデータが、たまーに。たまーに見かけます。
データの種類を、判別するのに時間を要することがあります。
ひどいときは、ファイルが壊れます。

3.トンボを必ずつけ、線カラー設定にレジストレーションカラーを設定
トンボは必ずつけてください。
たまにあるのです。
判型に合わせられません。

Illustratorでトンボをつける場合。
線のカラー設定は“レジストレーション”を充ててください。

線のカラー設定で、C100、M100、Y100、K100と設定しないでください。
そのままで印刷をすると、インク量400%です。
印刷して乾きにくくなります。裏うつりしやすくなるはずです。
そして4色(フルカラー印刷)なら、まだ良いですが、
1色版、2色版、3色版の場合、印刷をしない色の版もできてしまいます。特色版を使う場合は、トンボが出ないはず。

会社により対応は、まちまちかと思いますが、
必要のない色の版が出ると、弊社の場合は制作に差し戻され、再確認の上、印刷へという流れになり、時間のロスになります。(分版プレビューで確認をしているけれど…)

トンボ:線設定がこの状態だと、修正です。


トンボ:線設定は、スウォッチからレジストレーションを選択


以上3点。デザイン以前のところです。
最低限この3点だけは、押さえて欲しいです。

本当は、
◎たち落とし分を作って欲しい
◎フリーフォントは商用OKなものを使用して欲しい
◎アートボード外にオブジェクトを作らないで
◎リンク画像を支給できないなら埋め込み
◎印刷するならCMYKで制作を
(RGB印刷は可能だけど、色が意図しない色に)
◎スウォッチは必要な色のみに
◎レイヤー名は正しくつける

…などなど、挙げればキリがありません。

わたしに言わせればデザイナーさんも印刷の基礎を勉強していただきたい!最低限なところを。
トンチンカンなことを言うデザイナーさんに出会うこともありました。
(話になりませんでした)

あとは印刷所ごとに、入稿基準がありますから、基準をクリアすれば、間違いないでしょう。

余談ですが…
わたしに仕事を任せてもらえるものは、
きっちりキレイにします!
原稿から判断して、突っ込みも入れます。
そのおかげでお客様に満足いただけ、制作担当はわたしで、と指名でお仕事をいただけたこともありました。
上司は、デザイナーならわかるが、オペレーターで指名がかかるなんて、聞いたことがないと言っていました。

デザインは楽しいですが、基礎はきっちり守って制作してくださいね。


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