「推し」という生き方
推し活、甘く見てました。
推し活、軽蔑してました。
推し活、軽く見てました。
間違ってました、ごめんさない。
F氏に学ぶ ”正しい” 推し活
いい歳して、推し活かよ
コトは、私の友人のF氏に始まります。
F氏は、とある女子アイドルグループの推し活をやっていて、大阪に住んでいながら、東京まで度々やってきます。キャンピングカーを所有していて、関東で駐車場を借りて、推し活のベースに使っていたりします。
平たく言うと、お金持ちなのですが、ヲタク系のそのF氏が、推し活してるのを知ってはいても、軽蔑していました。わかりやすく言うとこんな感じです。
「いい歳をして、アイドルの 推し活 かよぉ」
50を過ぎてアイドルにはまる。
女性でもありますよね。いい歳をして何やってんの、って感じで、傍目で呆れながら眺めている、というケースは多いんじゃないかと思います。私の目線も同じでした。
推し活する人たちは、推しのアイドルのことを「推し」と呼ぶようで、「推しが〇〇した」という表現で一部始終を教えてくれます。
推し活は「推し」の行動を世間に広める広報役にもなっていることに気付きます。フィルターが掛かっているとはいえ、その熱意にはタダナラヌものを感じます。
”応援のカタチ”としての 純粋な推し活
F氏を見ていて、だんだん心が動いてきました。
なにより、とても楽しそう。
そして、推し活のお相手さんは、ぜんぜんチャラチャラしていないということにも驚きました。ノリじゃない。実に、真剣に、アイドルに取り組んでいるのです。
F氏いわく、推しの彼女は大学院で研究室にいて、でもアイドルがやりたくて、それでグループに加わったのだそうです。アイドル以外にも絵などの才能があることを見せてくれて、正直、やるじゃん!と見直しました。
エンタメのジャンルとして、アイドルグループは不動の位置を得ていますが、個々のアイドルたちが世間のスポットライトを浴びるのは稀です。それでもアイドルをやりたい。地下アイドルになったり、路上アイドルになったり、地域限定アイドルになったりと、様々なアイドルの形態があることが分かってきました。(いまごろかよ)
アイドルをやるにはお金がかかるということも知りました。スカウトされてメジャーデビューするのは一部のアイドルで、地道に「アイドルする」彼女たちは、自分でグループにかかる費用の不足分が持ち出しになります。
そんな「推し」の活動をサポートするのが、推し活の最も重要なコトで、さらに「見返りを求めない」という徹底姿勢が、潔くもあり、じつに美しい。
「推し」を占有するのはご法度で、皆で「推し」を応援して、皆で楽しむ。ゲームの育成プログラムのようでもあり、相撲のひいき筋と同じ感覚なんだと気付きました。
「推し」は推し活の彼らにとことん向き合う
そして、「推し」のご本人たちは、推し活してくれる人たちに、親密に、熱心に、感謝を込めて、推し活の応援が自分のチカラになっていることを伝えます。
おや、これってJリーグのサッカーファンと同じじゃないか、そう気づきました。全部持ち出しで、全身全霊で応援する姿を、テレビで動画で見る機会があるでしょう。その熱意たるやハンパではありません。
そして、ファンに対して選手たちも、真摯に感謝の姿勢を示します。その相互関係が「推し」とファンの一体感を生み、ファミリーとなって前進力に変わります。
そうか、推し活はファン活と同じなんだ、いままでケーハク眼鏡を通して見ていたけど、これはシアワセ活動のひとつなんだ、そう気づいたのです。
ファンとして応援する時、興奮成分アドレナリンと幸せ成分オキシトシンが出まくります。それにより脳は快感を覚え、快感を感じます。「推し」がピンチや窮地に立てば、推し活のボルテージは上がります。
推し活は、いい。
推し活は、健全だ。
そう気づいたのでした。
推し活は未来を創る
なんとZ世代の8割以上は推し活
「推し」が「今、いる」という人は約6割、若年層ほど割合が高い傾向で、Z世代は85%が「推しがいる」と回答しています。これはLINEユーザーを対象にしたスマートフォンWeb調査で、
・調査対象:日本全国の13歳以上の男女
・実施時期:2023年10月31日~11月30日
・有効回収数:28,182サンプル
という、なかなかの調査の結果です。
全体で6割の人が「推し活」していて、Z世代に限らず各世代で高い割合で「推し活」に人気があることに私は正直驚きました。どうやら「推し活」は人生の一部になりつつあるようです。
推し活は「良い人間関係」をつくる
世知辛くなってきて、人と人とのコミュニケーションが難しくなりつつあります。世に言うコミ症(コミュニケーション障害)の人は若年層を中心に上の世代まで広がっているように感じます。
「推し活」の良いのは、このコミ症のバリアを軽々と越えていくことでしょう。共通の「推し」に対して、年齢も性別も住んでいる場所も関係ありません。なにより「推し」という共通の話題があるので、会話に事欠きません。それでも面と向かってお話しできない極度のコミ症の人でもSNSを通じてなら意思疎通ができます。
推し活は良い経済圏をつくる
「推し活」の良いところは人間関係だけに留まりません。彼らが落とすお金も相当なものです。お金は留まっていると意味は成しませんが、回っていくとで社会を潤します。なるものが既に存在していて、そこにマーケットがあり、提供者があり、消費者があり、というエコシステムが形成されています。
「推し活」人は、よりマニアックに突き進むヲタク傾向にありますから、マーケットは無限です。「推し」に優れたマーケッターが付けば、大きな経済圏をつくることができます。この経済圏は実に平和で、トコロさんの世田谷ガレージに見られるように独自の文化圏を形成して発展していきます。こういったとこがサブカルのヲタク文化ならでは。実に良いですね。
推し活とクラウドファンディング
考えてみれば、この推し活はクラファンと似ています。クラファンには見返りのあるものもあれば、無いものもありますが、基本的に「応援したいという気持ち」が第一にあっての行動です。
私も、クラファンにはいくつも参加してきました。最近なら『タダの箱庭』、数年前の「糸島の顔の見える本屋さん」、ほかにも幾つか。
見返りを求めないということなら、株式会社eumoの株主になったことも、同様の行動です。株式会社eumoは株主配当の「ない」出資者をファンディーノで募り、今に至っています。
ああ、思い出しました。個人ベーシックインカムへの出資も同じでした。月々の生活サポート費をサブスクで送るものです。
このnoteでも、気に入ったクリエイターさんにはどんどん「投げ銭」してきました。これも一種の推し活といって良いでしょう。見返りは一切求めない、ペイフォーワドの考え方です。私が受け取ったお金は全部、クリエイターさんへの「投げ銭」という名の推し活で飛んでいきました。実に気持ちよく。
誰かの財布のおカネが、他の誰かの財布に移っていく、これが経済活動です。どこかに滞留することなく、循環することで経済が、そして気持ちが、回っていきます。
おカネはそうして、私の財布から誰かの財布に移っていき、そしてまた、戻ってくるのです。実に良い循環、エコシステムだなと思います。
「推し活」で「恩送り」
なんだかイイコトずくめの「推し活」ですから、やってみましょう。
私の推し活は、実にシンプルです。
見返りを求めない
恩送りで”お布施”をする
共に楽しみ、苦しみ、歩む
お布施、これは見返りを求めないものです。ただ差し上げる、愛で差し上げる。気持ちを載せて差し上げる。受け取る側も、礼はしない。仏僧の托鉢がそうです。
いま、私は様々な人に「推し活」と称して、お布施しています。
ギブアンドテイク、ではなく、ギブアンドギブ、ただ与える。
見返りは求めません
期待もしません
ただ与える
受け取って頂く
与えることで、エネルギーを得ることができます。
そんなの 損するだけじゃないか!
と、やったことない人は言います。
もらいっぱなしの人も、います。
それでも、
やってみると、自分の心に変化が訪れます。
良いエネルギーが、心に生まれます。
そのエネルギーが、活力を生み、心に幸せを生みます。
不思議なものです。
お釈迦様がやりなさいと、最初に言ったのが、この布施行でした。
お布施には様々な種類がありますが、一番簡単なのは、お金を差し上げること。
私はもう沢山の御恩を頂いて、ここまで生きてきました。
生かされてきた、と言った方が良いでしょう。
すべては、お蔭様であり、ご縁と御恩があったからです。
私はもう還暦を過ぎて、お返しする歳となりました。
御恩はその方にお返しするのではなく、恩送りでお返しします。
英語で言えば、ペイ・フォーワード(Pay it forward)ですね。
分り易く説いたものが、この大愚和尚の説法です。
基本は「自分のため」に。
これによってエネルギーを得る、と語ります。
”孤独から脱却する「最良の処方箋」”から
ぜひ、お時間をとって20分間、これを聴いてみて下さい。
動画は14分から始まります。
今日も善き日で。
ではでは
三川屋幾朗@mikawaya1960
幸せメンター https://menta.work/plan/954