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会社員を辞めてフリーランスになった理由

最近はフリーランスが一般的にも受け入れられ、パラレルワークなんていう派生的な働き方も生まれています。しかし私が独立した2010年は、やっとクラウドソーシングという言葉が少しずつ世に出始めた時期。フリーランスという働き方も、そこまで浸透していませんでした。そんな中、なぜフリーランスという道を歩むことにしたのか。人それぞれ独立理由は異なりますが、特に結婚している、子どもがいる方にとっては、何かしら参考になるかもしれません。

子どもがいたから独立した

収入が不安定な状態では、家族を養うことの難度が高まります。そのため、家族あるいは子どもを理由として、独立に踏み切れないという方がたくさんいるようです。

私が独立したのは、ちょうど次男が妻のお腹にいた頃でした。妻は専業主婦で、長男は保育園など通っていない2歳児。会社員として営業職や企画職を経験していましたが、それだけで独立できるような技術・人脈は持ち合わせていません。ライターという仕事は学生時代から取り組んでいたものの、当時はWebライティング等もニーズが低く、今ほど仕事は溢れていませんでした。そのため、不安が無かったかと問われれば、答えは間違いなく「NO」です。

それでも私にとって、独立することは自然な流れだったように感じます。その理由は、子どもが産まれたことで、自分にとって時間の価値が変わったから。朝から晩まで外で働くのではなく、日中を含めて、もっと子どもとの時間を共有したいと考えたのです。そして次男の誕生を控え、長男と過ごした会社員としての2年間を振り返ったとき、

「よし、独立しよう」

と決意したのでした。仕事は自分次第でなんとかなる。しかし、過ぎ去った時間は取り返せない。まして成長著しい子どもたちの姿は、私にとって何にも代えがたいものだったのです。

守られていないことを実感した

もうひとつ、独立を考えたキッカケがありました。それは、新卒入社した会社を辞め、転職した先での出来事です。営業職としてトップセールスの成績を残し、兼業で自社のWebサイト運営を中心とした企画職を経験。転職先では、事業企画に関わるリーダーポジションでした。実際、私が配属された部署では、特にデータ周りの整備と新施策への取り組みが急務だったのだと思います。

しかし転職してすぐのこと。その会社が希望退職を募り始めました。私は新たな人員として採用されたのに、それ以上の人員を切り始めたのです。「それなら、私なんか採用せず1人でも現社員を残してあげてくれれば…」なんていう、なんとも言えない気持ちが募りました。誰かが採用される一方で、別の場所では退職を余儀なくされることもある。社会人経験が乏しく、また初めての転職だった私にとっては、それだけで衝撃的な状況だったことを覚えています。

また、新卒入社した会社でも、実はこんなことが起きていました。上司と合わず、耐えかねて異動願いを提出。これが受理されず転職活動を進めていると、数ヶ月後、今度は人事側から異動を命じられたのです。すでに気持ちはその会社から離れていましたが、とはいえ転職先が決まったわけではありません。私には異動を受け入れる選択肢しかなく、社命のもと別部署での勤務となりました。

とはいえ、転職は決めたこと。恐らく異動先の部署では、私を戦力として考えてくれていたのでしょう。それを感じたからこそ、すぐ先輩に「実は転職する予定で活動している」と伝えました。結局、私はその部署で戦力としては活躍できず、申し訳ない気持ちながら、少しして転職しました。人事側としても不服に感じたのか、通常行われる退職スピーチは無し。誰にも見えない社内の隅っこに呼ばれ、人事担当者から事務的な連絡を受けると、ひっそりと社を去りました。

こうした経験から、「会社は社員を守ってくれる」なんていうことが幻想であることを、早い段階から感じていたのだと思います。そのため独立を決意した際、あまりリスクの大きな選択だとは受け止めていませんでした。会社にいたところで、同じようにリスクはある。それなら、独立した方がコントロールできることが多いのではないか。こうした考えが、私に独立という道を選ばせてくれたのだと思います。そう考えれば、会社員時代の経験も無駄ではなかったのでしょう。

今はもっと独立しやすい時代

私が独立した当時と比べたら、今は随分と独立しやすい時代になりました。もちろんフリーランスで食べていけるまでの道のりは険しいですが、フリーランスを支えるサービスが山のように存在します。例えばクラウドソーシングを活用し、会社員のうちから複業してみるのも良いでしょう。自分の力だけで稼ぐことの大変さと面白さ、そして何より、フリーランスが自分に合っているのか否かを見極める判断材料が得られます。

人それぞれ異なる独立の理由。では独立したとき、その理由はちゃんと満たされるのかどうか。その答えについて心から「YES」と答えられるなら、それは独立すべきタイミングなのかもしれません。それでも悩む方は、ぜひ『フリーランス ワーク&ライフアドバイザー』をご利用ください。1対1で向き合い、最良の働き方選びをお手伝いします。

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