![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/135990015/rectangle_large_type_2_96b2502e99f718fdd407ca2071139632.jpg?width=1200)
小林製薬の「紅麹問題」について解説します
昨今、小林製薬が製造する『紅麹』を使用したサプリメントによる、健康被害問題が報じられています。
◆そもそも、『紅麹』って?
紅麹とは、米や麦などの穀物に、カビの一種である「紅麹菌」を混ぜて発酵させたもののこと。
鮮やかな赤色をしていることから、『紅麹』と呼ばれています。
ここで押さえておきたいのは、『紅麹』原料そのものに問題があるわけではない──ということ。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/136073248/picture_pc_01f71d4e9e5b09f5c7fcb55bc70f59d3.png?width=1200)
また、天然由来の色素として安全性が評価されており、小林製薬に限らず、数多くのメーカーに製造され、様々な食品に「食品添加物」として使用されています。
◆じゃあ、「紅麹問題」って?
一方で、『紅麹』はコレステロールに対する効果も着目されており、サプリメントの原料としても広く活用されてきました。
そんな「紅麹サプリ」の一つである、小林製薬の「紅麹コレステヘルプ」を服用し、腎疾患による死亡者が発生した、と疑われているのが「紅麹問題」です。
ただし、小林製薬の「紅麹サプリ」が本当の原因かどうかは不明で、現在調査が急がれています。
ここで押さえておきたいのは、「紅麹サプリ」全体に健康被害を引き起こす高い可能性があるわけではない──ということ。
たとえば、(株)ファンケルは、紅麹サプリの一つである「コレステサポート」について、
「小林製薬の紅麹原料を使用しておらず、安全性に問題はない」として販売を継続しています。
◆とりあえず「サプリメント」やめとくべき?
「紅麹問題」をきっかけに、サプリメント全体の安全性に対する疑念も広がっています。
本日は、小林製薬による情報開示がなかなか進まない中、「紅麹サプリ」はじめ、サプリメントの安全性について解説する本をご紹介します。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/136072473/picture_pc_b4aa9d7e7886714144c8943c19de4f56.jpg?width=1200)
著者は、「医療従事者が自信を持って使えるサプリメントを」をモットーに、医療機関にのみ製品提供するサプリメントメーカーの代表を務める田村忠司先生。
メーカーの立場でありながら、消費者に「安易に買わないで」と喚起する一冊です。
◆うちの工場では誰も飲みません
業界の踏み込んだ裏事情にも切り込んでおり、たとえば、こんな体験談が語られています。
著者があるサプリ工場を訪ねたときのこと。「いろいろなサプリが飲み放題でいいですね」と、ほんのお愛想のつもりで工場員に話しかけてみたら、「まさか……。何が入っているか知っているんです。飲むわけないじゃないですか」と。驚きましたが、一方で「やはり」という思いでした。
刊行は2年前ですが、紅麹エキスについても「医薬品との相互作用が起こる恐れがある」と警鐘をならしています。
そのほかにも、
ウコン/グルコサミン/イソフラボン/ヒアルロン酸/ごまサプリメント/卵油/カルシウム/グルコサミン/コエンザイムQ10 /青汁……など、
普段よく耳にする栄養素について、賢く・安全に・効率よく摂取する方法を紹介しています。
◆最後に、“機能性表示食品”って?
「紅麹問題」をきっかけとして、“機能性表示食品”そのものに対する疑念も広がっています。
“機能性表示食品”とは、健康効果を表示することが認められている食品のこと。
小林製薬の「紅麹サプリ」は、“機能性表示食品”として販売されていました。
国の審査が必要な「トクホ(=特定保健用食品)」と異なり、効果や安全性について審査は必要なく、企業によるエビデンスの証明で足りるようです。
“機能性表示食品”は、私たちの身の回りにあふれていて、たとえば、ストレス緩和&睡眠の質向上で話題になった「ヤクルト1000」もその一つです。
“機能性表示食品”が必ずしも悪というわけではありませんが、「企業にとって使い勝手のよい表示」だったことも事実──。
実際に、消費者庁は、すべての機能性表示食品(約6800点)について緊急点検を行なうことが発表されています。
◆おわりに
今回の報道に触れえ、私が最初にしたのは、両親に電話をかけて「サプリ、大丈夫よね?」と確認することでした。
皆さまにもお変わりがないことを、心より願うばかりです。
そして本書が、サプリメントとの付き合い方を今一度見直し、
これからの健康被害を防ぐ一助となれば、これ以上に嬉しいことはありません。
◆スキ800超えました🎉✨😆✨🎊
(編集部 中西航大)
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?