見出し画像

お金は後からついて来させる

「お金は後からついてくる」とは言いますが、実際にアートや自分の好きなことをやったからといってお金が後からついてくるとは限りません。かといって、先にお金を追いかけると自分が好きなことや表現したいことができなかったりします。

これを書いている筆者自身は毎日やりたい事をやりたい場所で好きにやっていたりするのですが、最近になってお金とやりたい事の関係について色々と思うことがあったのでここにメモしておきます。

やりたい事を追いかけるアーティストタイプ

自分の表現したい事をとことん突き詰めたり、表現したい事を中心に活動する人はアーティストと呼ばれるかと思います。音楽しかり絵画しかり自分の表現方法を持って活動していくことができ、常に世界は自分中心から始まります。

そのため自分の求めるものが現代の人のニーズに沿わなかった場合はお金になりません。歴史的に見ればゴッホは生前に着目されることはなく最終的に耳を切り落として銃で自殺をしましたし、ガウディは自然と調和した分譲住宅を提案しましたが当時の人々から理解されず借り手がつかずに最後はホームレスのような格好で電車にはねられて誰からも助けられず亡くなりました。

彼らは自分の信じる道や求める道を追いかけた結果、人々に理解されなかったためお金はついて来ませんでした。これは現代でも同じく、とても不思議な作品を公開しても誰からも注目されずにお金がついて来ない人は多々いらっしゃいます。

では彼らはもっとお金を求めた方がいいのでしょうか?

お金を追いかけるマーケタータイプ

人々が何を求めているのかを調査してそのニーズに応えるサービスを提供したり、儲かる市場を調査してそこに対してプロダクトや作品を落とす人はマーケタータイプでしょう。

そのため彼らはいいねやお金になる数値を重視するあまり、数年後に気づいてみれば自分の好きなことや表現したいことができていなかったという可能性があります。これは歴史的に見るよりもお金やいいねといった評価が可視化される現代に多く見られるでしょう。つまり、現在数万件ものいいねを得ているインフルエンサーという人も歴史を振り返ればそこまで大した記録に残っていないということです。

彼らは人からどう見られるか?というものを気にかけるあまり、ヒットしなくても自分がいいと思うものを作らなくなります。いつの時代も斬新なアイデアは他人がいいと思うものではなく、他人をいいと思わせるものから生み出されます。

マイケルジャクソンの登場でミュージックビデオは変わりましたし、ディズニーの登場でアニメという美術鑑賞の方法も変わりましたし、iPhoneの登場で人々はネットを使う生活へと突入しましたが、それらは世間の人がいいと思っていたものではなく世間の人をいいと思わせたものでした。

ここから見えるアーティスト/クリエイターとしての生き方

もちろん「自分はそこそこ好きなことができてそこそこお金がもらえればハッピー!」という人はマーケタータイプ寄りで制作活動を始めればいいと思います。私もそのタイプですが、これはリスクの少ない生き方でそこそこの安穏が訪れるため多くの人は評価を気にしたりお金が集まりそうな安易で短期的な道を選びます。

ただ、私は最近になってガウディの制作物や美術館を訪れて考えが少しずつ変わってきたのです。確かにガウディは生前に大金を手にすることはなかったかもしれませんが、死後100年以上にわたって数兆円規模の経済利益をスペインにもたらし続けておりそれは今後もサグラダファミリアやガウディの作品が消失しない限り続くでしょう。

同じくスペイン出身のアーティストであるパブロ・ピカソは非常にマーケティングが上手でものすごく莫大な金額を20代前半の時から稼いでいました。ピカソは最も稼いだアーティストの一人であるとともに、最も多くの作品を残しているアーティストの一人でもあります。

ピカソは人を雇いあらゆる画廊へと向かわせて「ピカソの絵はあるか?」と聞いて回らせたようです。すると画廊は何度も「ピカソの絵はあるか?」と聞かれるため無名時代のピカソが絵を売りに来た時にかなりの確率で置いてもらえたそうです。

他にも最近では西野亮廣さんが絵本を無料で公開したことで売り上げを上げたことや、葛飾北斎は孫弟子を含め200人も弟子を抱えその中で名前を30回も改名し前の名前を弟子に売ることで収入にしたりしていたそうです。

ただ、彼らに共通して言えるのが「お金よりもまず作品に注力している」ということです。これが人によっては「お金は後からついてくる」に見えるのでしょうしそう捉える人も多いかと思います。

しかしおそらく真実は、「自分の好きなことや表現に注力しろ!そしたらどう金にするかを考えろ!」という二段階で考える必要があるということです。

ピカソは自分の名前が売れていることを利用して、買い物は全て小切手で行なっていたそうです。すると小切手を受け取った人はピカソのサインがあるため、請求せずに小切手を家に飾ったと言います。

まず自分の作品の質ややりたい事のレベルをあげることが最優先でそしたらそれを利用してお金にする仕組みを作る事で両者のいい点をつかむことができるのではないでしょうか。アーティスト視点が欠ければ薄っぺらいクリエイターに見られ、マーケター視点が欠ければ惨めな生活を続ける可能性があるのでどちらにしろ両方を目指すべきだと最近は思い直しました。

ということでまずは自分の得意なことや好きなことの技術を磨いていくことを考えた方が良さそうです。

とある本に書かれていた1500人を対象にした調査によれば、1245人のビジネススクールの学生は卒業後は収入を安定させて夢を追いかけると答え、255の学生だけがすぐに夢を追いかけると答えたようです。その結果、収入の安定を求めた学生は1245人中1人が大富豪になっており、今すぐ夢を追いかけると答えた255人はその内100人が大富豪になっていたと言います。

個人的に思うこと

そういえば、学生時代に映画を見てかっこいいという理由で始めたダンスや、タイでパソコンが壊れた時にダラダラと暇つぶしで見た旅動画などは始めた当初は「これは金になるぞ!」とは全く思わずただ単に「かっこいいし好きだからやってみよう!」という理由で始めていました。

すると何年も後になってからダンスのリズムに合わせる感覚が映像制作で役立ったり、かっこいいシーンのイメージを自分の撮影に活かしたりできたりしている気がします。ジョブズが「点と点を繋げる」と言ったように、自分が好きで行なったことというのはどこかで繋がるのでしょう。

ハリーポッターの作者のJKローリングや(賛同してるわけでは決してないが)ヒトラーは生活保護受給者でしたし、ダイソン掃除機のダイソンも10年以上も引きこもりながら発明をしていました。

こう言ったことからも、ニートや学生、生保や主婦にヒモといった生活の心配をしなくてもいい人たちは大きな可能性があるので自分の好きなことをとことん突き詰めることを先に行なった方がいい気がします。

他にもGoogle社内では「マネタイズ、ビジネスモデル」といった言葉を聞くことはないと言いますし、一人の人間の感性を広げた先に何か可能性があるのかもしれません。

私はどちらかと言うとアルフォンス・ミュシャと似ていて、働きながら家に帰った後に少しずつスキルを磨いて徐々に独立して、システムを組んで自動化していき引きこもれる体制を作った感じです。

ただ、引きこもれるようになった今、今回の考察を得てこれから2020年以降の制作活動は他人の評価を得るものではなく、もう一度自分の好きなことや表現したいことに注力できる環境を作っていこうと考えました。

そういった点ではSNSやYouTubeを続けるかも考え直そうかと思います。

ご参考までに。

いつも応援ありがとうございます! すごく嬉しいのでお気軽にリアクションしていただければと思いますm(_ _)m