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出生前診断

この度第二子を授かりました。
現在妊娠6ヶ月。

今回の記事は出生前診断に関する私個人的な感想をお伝えするものであります。出生前診断に対して否定的・ネガティブな感情を抱く方が読むことはお勧め致しません。
また、医療的知識に乏しい為、何かしら不安なことがある方はこの記事を鵜呑みにせず、かかりつけの医師を頼ってくださいね。

少しでも、同じようなことで悩んでいる方のお力になれればと思うのと同時に、私の備忘録としても綴らせていただきます。


去年第二子を人工死産しているので(他記事参照)、今お腹の中にいる子を『第二子』というのには非常に違和感を感じるのだが、世間一般的には『第二子』なのだろう。
しかし市役所に母子手帳を貰いに行った時、去年の人工死産を伝えているのにも関わらず『母子手帳の表紙に‪は”‬‪第二子”って書いてくださいね〜‬』と言われたのにはモヤモヤして結局今でもそこは空欄のままだ。

今回の妊娠にあたり、何かしらの出生前診断を受けようというのは夫婦間では暗黙の了解だった。
それほどに去年の出来事が衝撃的かつ残酷であったし、私も31歳となるので年齢的にも不安があった。

出産する場所は、去年産声のない出産をした大きな総合病院に決めた。順調にいっていれば死産した赤ちゃんを産むはずだった1番近くの個人経営の産院は、去年赤ちゃんに病気が見つかった際の対応が冷たく1年経った今でも心の傷が癒えない程のトラウマがある為、建物すら見たくないのが現状なのである。
その点、今回お世話になる総合病院は毎回健診にあたる医者や看護師、助産師さんが別の人なのにも関わらず(総合病院なのでとにかく人が多い)1回も嫌な思いをしたことが無かった。
去年死産した際も、亡くなってしまった赤ちゃんや私自身の心のケアまでしっかりしてもらって、もし次の妊娠が不安だったら最初からここで健診受けていいからね。と言って頂いていた。
県を跨ぐので車で20〜30分はかかるが、私の実家からも近いし今回はこちらでお世話になることに決めた。

出生前検査にも様々な種類がある。
最近よく聞くようになった『NIPT(新型出生前診断)』、こちらは妊娠初期の10週から受けることのできる非確定検査である。陰性の場合の感度は99%と言われている、非常に核心を突く検査である。陽性の感度は年齢によって異なり、年齢が低いほど感度も低くなるようだ。
年齢制限などが撤廃され、受けられる産院も増え、利用する妊婦が増えると言われている。
しかし私が受診していた産院では実施しておらず、紹介できるのは電車で1時間かかるもっと大きな総合病院であった。値段も20万円以上するということで選択肢からは除外した。

結果、産院で実施していた『クアトロ検査(母体血清マーカー検査)』を受けることにした。
この検査はNIPTと同じく非確定検査ではあるが、感度の高いNIPTとは異なり、自分のお腹の中に居る子が21・18トリソミー・神経管閉鎖しょうがい等を保有している確率を知るものである。その為、単純に年齢が上がれば上がるほどなんらかのしょうがいを持っている確率は上がり、陽性判定が出やすくなる。
ちなみに私の年齢、31歳の場合、ダウン症の子を妊娠している固有の確率は平均的に見ると『613分の1』となっている。自分の年齢ではどうなのだろうと気になる方は『クアトロ検査/カットオフ値/年齢別』と検索すると表が出てくる。
さらに『カットオフ値(これより確率が上だと陽性ですよという値)』は『295分の1(ダウン症の場合において)』となっており、これより確率が高いと陽性となる。

妊娠15週の時に採血を行った。この血液は船で外国に運ばれて検査をするとのことで、結果が出たのは丁度2週間後だった。

私は今回『64分の1』という確率でダウン症という、陽性の検査結果を受けた。この数字の確率が高いか低いか、皆さんはどう思うだろうか。


実際もらったクアトロ検査の書類


64枚のくじ引きが入っている箱から当たりの1枚を引くことはとても難しいことのように思えるが、64発の弾が入っている拳銃を1発撃ってみてくれと言われておいそれと気軽に撃てる人間は中々居ないように思える。

私が去年妊娠した赤ちゃんは『内臓錯位症候群』という病名だったのだが、この病気は10000分の1の確率で発症するものである。『10000分の1を引いた人間だよ、64分の1なんてすぐに引くよ。』と検査結果を聞いた帰りの車で旦那さんに泣いてもらした。

クアトロ検査で陽性が出た際は『羊水検査』を受けよう、と私と旦那さんの間で意見は一致していた。この時点で妊娠17週。あまり時間がなかった。産院に電話をして2日後に羊水検査の予約を入れた。

羊水検査当日は8時過ぎに産院に到着した。外来の患者さんや妊婦さんを診る前に処置を行うので早い時間に来る必要があるとのことだ。羊水検査の方法や日帰り入院なのか、さっと終わるのかなどは産院によってバラバラだと思うが、私の場合本当に電光石火の如く素早く終わった。

8時半にベッドに横になりお腹を出してイソジンを塗って針を刺す準備。エコーを付けて胎盤の場所や胎児の場所や羊水の量を確認する。そして子宮内のスペースのある所に長い針を刺し、羊水を約20ml摂取し終了である。
お腹に刺す瞬間、プツッ、プツッという感覚が2回あった。1回目はお腹の皮膚、2回目は子宮を刺す感覚なのかな?などと思っていた。
普通の注射よりは少し痛かったが我慢することはできた。

その後エコーにて胎児の無事を確認して、20~30分横になったまま様子を見て何も異変がなければ終了。張り止めや抗生物質の処方はなかった。
会計は10万円に消費税を足して11万円。大体このくらいが相場なのだろうか。日帰り入院をしてベッド代や食事代を払う場合は13万円程度になると話を聞いたことがある。

そこから結果が出るのに2週間と3日かかった。

去年の地獄を経験しているので、正直妊娠初期から今回の妊娠が上手くいくイメージが持てないのが本音だった。私も旦那さんも、娘の前や日中はいつも通り過ごしていたが、夜になるとお互い不安な気持ちを話すことが増えた。丁度胎動を感じ始めた時期だったので、ぽこぽこお腹で元気に動き回る感覚を感じては意味もなく涙が頬を伝う日々だった。

結果は『陰性』。
この検査で知りうることのできる範囲では、疾患やしょうがいは確認できなかった。
しかし、検査で知ることの出来る疾患以外でも気を付けなくてはならないことはごまんとある。ひとまず安心することは出来たものの、手放しで喜ぶことは出来なかった。

去年の妊娠では迎えることが出来なかった妊娠6か月。
このまま出来るだけ穏やかに過ごして、出産予定日の1月21日を迎えることが私の今一番大きな目標だ。

そして今現在出生前診断を受けるか悩んでいる方がいたら、クアトロ検査などの非確定検査ではなく確定検査を受けることをお勧めする(あくまで個人的な考えであるが)。非確定検査からの確定検査の流れだと、悩んだり不安だったり辛い時期がとても長い。私は丸1か月、生きた心地がしなかった。

NIPTは非常に感度の高い検査だが、一応非確定検査に分類されているので、陽性が出ると確定検査に回される。NIPTと羊水検査を行うと30万円以上かかるので、経済的にとても負担が大きい。
なら最初から羊水検査を受ければいいと考えるが、羊水検査を受ける頃はお腹も少し膨らみ、もしかしたら胎動を感じているかも知れない。そんな赤ちゃんをとても身近に感じるようになってからの検査は、今回個人的には精神的にとても苦しかった。

どのような方法で検査を行っていくのか。
陽性が出た場合どうするのが自分にとって、家族にとって、ベストなのか。よく話し合った上で検査に踏みきることが大事だと、今回学んだ。

出生前診断を良く思わない考えがあることは重々承知の上だが、その家庭の事情や考えは自分達にしか分からない。その決断の裏にどれほどの葛藤があったのか、他人に知ってもらおうとは思わないが、頭ごなしに否定されるべきものではないと思っている。


私達は常に悩み、最善の選択をして今現在があるのだと思っている。


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