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5月23日週【中途採用市場動向】

企業動向

マイナビ転職、「2022年4月度 正社員の平均初年度年収推移レポート」と「2022年4月度 正社員求人掲載数・応募数推移レポート」を発表

  • 2022年4月の正社員初年度平均年収は454.7万円。職種別では「ITエンジニア」が555万円でトップ、高度専門人材への採用ニーズの高まりが経験者求人の年収を牽引

  • 求人件数は2018年平均比130%以上、企業の採用意欲は高水準で推移。飲食関連求人もコロナ前と比較し9割程度回復

  • 2022年4月の正社員の初年度年収は454.7万円(未経験者求人:422.7万円、経験者求人:518.0万円)。年間平均は2018年以降増加し続けているが、2022年に入り特に経験者求人の年収が増加している。

  • 職種別の4月の平均初年度年収は、「ITエンジニア」が最も高く555.0万円、次いで「コンサルタント・金融・不動産専門職」で549.6万円、「企画・経営」で519.4万円となった。

  • 前年平均と比較し2022年(1-4月)平均の増加額が高かったのも同3職種で、企業の高度専門職人材への採用ニーズが2022年に入りさらに高まり、経験者求人の初年度年収の引上げを牽引していることがうかがえる。

  • エリア別での4月の平均初年度年収は、「関東」が最も高く470.5万円、次いで「関西」が440.4万円、「東海」が437.4万円と続いた。「関東」の経験者求人の初年度年収は547.3万円と、最も低い「甲信越・北陸」の456.9万円と比較すると90万円以上の差が出た。

  • 4月の正社員求人数は、2018年平均を100%とすると、2022年に入り120~130%の水準で推移している。また掲載求人の募集比率は、未経験者求人が66.4%、経験者求人が33.6%と、引き続きコロナ前より経験者求人比率が高めの傾向で推移している。

  • 2022年(1-4月)平均で求人数が最も伸びている職種は「ITエンジニア」で177.9%、次いで「建築・土木」で162.1%、「企画・経営」で158.5%と続いた。コロナの影響が大きかった飲食関連の職種「販売・フード・アミューズメント」も2022年(1-4月)平均ではコロナ前の約9割の求人数まで回復した。

職種別の4月の平均初年度年収

職種別掲載求人増加率

日本の働き方 10 年での変化「社員クチコミ白書」を発表

人事・採用担当者に調査!コロナ禍での人事課題や人事向けサービスの選び方とは?

  • 「人事としてのご自身の“担当領域”を教えてください(複数回答可)」と質問したところ、『中途採用(69.9%)』と回答した方が最も多く、次いで『新卒採用(56.8%)』『人材育成(47.5%)』と続きました。

  • では、これらの人事業務に取り組む中で、どのような課題と向き合っているのでしょうか。

  • そこで、「貴社で現在発生している“人事課題”を教えてください(複数回答可)」と質問したところ、『中途採用(46.5%)』と回答した方が最も多く、次いで『新卒採用(41.7%)』と採用課題を抱える企業が非常に多いことが分かりました。

  • また、『人材育成(36.9%)』『社員の離職(離職率の上昇)(31.3%)』、『社員のエンゲージメント、文化浸透(24.3%)』についても、30%前後の方が課題を抱えており、広く人事課題を持っている企業が多いことが分かります。

  • 「新しい人事向けサービスを活用して、“利用目的が達成されなかった”“失敗した”経験はどれくらいありますか?(単一回答)」と質問したところ、『サービス利用に対して3割程度(31.2%)』と回答した方が最も多く、次いで『サービス利用に対して5割程度(25.0%)』が続きました。

  • 3人に1人が、5割以上の確率で失敗したと回答しており、サービス選択の難しさが伝わってきます。

  • 様々な課題を解決する人事向けサービスを十分に検討できていないという結果となりました。

  • また、「人事課題が発生した時に、“適切なサービスを十分に検討できている実感”はありますか?(単一回答)」と質問したところ、9割近くが、適切なサービスを十分に検討できていないという結果となりました。

  • 「人事向けサービスの検討について、“感じている課題”を教えてください(複数回答可)」と質問したところ、『価格が適正か分からない(38.3%)』と回答した方が最も多く、次いで『十分な数のサービスから検討できていない(36.9%)』『他社の評判や満足度などの客観的情報を取得した上で検討できていない(30.1%)』と続きました。

  • サービスの検討段階に取得できる情報の質と量ともに課題を持っていることが分かりました。

  • 「新しい人事向けサービスについて、年間で受ける“商談回数”を教えてください(単一回答)」と質問したところ、『1回~5回程度(40.6%)』と回答した方が最も多く、次いで『6回~10回程度(25.0%)』『0回(21.0%)』と続きました。

  • 6割以上の方が、年に数回しか商談を受けず、商談そのものを全く受けていない方も2割以上に及ぶことが明らかになりました。

  • 「人事向けサービスの検討の際に、“最も多い経路”を教えてください(単一回答)」と質問したところ、『インターネットで検索して(35.8%)』と回答した方が最も多く、次いで『他社人事担当や知り合いからの紹介(25.0%)』『テレアポやDMを受けて(17.1%)』と続きました。

  • 現在では当たり前のツールになったと言える『検索』が最多となりました。

  • 一方、アナログな手法でもある『紹介』『テレアポやDM』にもかなりの数が集まっています。

  • 皆さんは、昔よりも多様な“経路”を用いて人事向けサービスを検討しているようです。

  • 「インターネットで“人事向けサービス”を検索した時に感じる課題を教えてください(複数回答可)」と質問したところ、『大手のサービスばかりが見つかり、検索しても必要なサービスにヒットしないことが多い(50.5%)』と回答した方が最も多く、次いで『アフィリエイトサイトが多く、情報が信頼できないことが多い(36.4%)』『人材サービス事業者側の広告意図を感じ、情報が信頼できない(21.3%)』と続きました。

  • 3割以上の方が『アフィリエイトサイトが多く、情報が信頼できないことが多い』と回答しており、インターネット上の情報に信頼を持っていないことが分かります。

  • また、「人材サービス事業者からの“テレアポ営業について持っている認識”を教えてください(複数回答可)」と質問したところ、『ニーズがない時に電話が多く、断ることが多い(46.5%)』と回答した方が最も多く、次いで『ニーズがあっても“とりあえず断る”ことが多い(35.1%)』『テレアポが来る業者の中で最も多いのが“人材サービス事業者”からのテレアポだと感じる(22.3%)』と続きました。

求人広告件数6割増、4月137万件 飲食など採用強化

  • 人材サービス会社でつくる全国求人情報協会(全求協、東京・千代田)が25日発表した4月の求人広告件数(週平均、職種別)は、前年同月比60%増の137万7601件だった。新型コロナウイルス感染対策の行動制限がなくなり、飲食店や娯楽施設が採用を強化した。伸び率はコロナ禍初期の2020年1月以降で最も高かった。

  • 職種別では、飲食店スタッフなどの「給仕」が前年同月比88%増の18万3235件で全体をけん引した。4月としては3年ぶりに緊急事態宣言などの発令がなく、通常営業に向けた飲食店の採用活動が活発だった。「調理」も87.8%増の13万8712件だった。

64.5%が昨年度よりも人材を増員予定。採用意欲の回復鮮明に

  • 2022年度に採用予定が「ある」事業所は、88.4%。雇用形態は「正社員(中途採用)」が最多

  • 採用予定がある事業所のうち、64.5%は昨年度よりも増員を予定。理由は「業務量の増加」「業績好調」など

  • 採用以外に業務委託やアウトソーシングの予定がある事業所は、全体の20.4%に留まった

現在、採用面接をオンライン面接のみで行っている企業は5%未満。オンラインと対面面接を併用する企業の7割が”オンラインだけでは見抜けない”と回答

  • 現在採用面接は、約6割の企業が対面とオンラインを併用。

  • その理由として、「オンラインだけでは見抜けない」と思っている担当者が約7割。

  • 約6割が対面よりオンライン面接の方が採用ミスマッチを招きやすいと回答。

  • しかし、約3割の担当者がどんな形式の面接でも見抜くことは難しいと感じている。

  • 「オンラインと対面を組み合わせている」と回答した59.3%の人にその理由を聞いたところ、「オンラインだけでは見抜けないから」という理由が最も多く、68%もの人が回答しました。続いて、「多くの人を面接できるように効率重視のため」が51.1%と半数以上を占めました。

  • 「適切な適性検査を導入して採用ミスマッチを減らいたいと思うか」聞くと、82%が「はい」と回答し、正しい適性検査により客観的に採用する必要性を感じている人が多いと言えます。

マイナビ、「企業の雇用施策に関するレポート(2022年版)」を発表

  • 【賃上げ】2022年度に新規採用者の賃上げ予定がある企業は56.0%。賃上げ予定の水準は「前年度より10%以上」が最も多い。業種別では「不動産・建設・設備・住宅関連」「メーカー」が6割を超える。

  • 【教育訓練費】「増やす予定」と回答した企業は50.9%。DX化・リスキリングへの対応が目的で、人材育成への意欲が高い。一方、「従業員数50名以下」「サービス・レジャー」は3割台に留まる。

  • 【高年齢者の雇用】「定年を65歳までにしている」企業が最も多い。再雇用後の就労時間・業務量・給与はいずれも減少するが、特に給与の減少が顕著に。

求職者動向

転職サービス「doda」、女性管理職の意識調査を実施

  • 実際に「管理職になってよかったと思う」と回答した人は約6割

  • 管理職になってよかったことは、「給与が上がった」を上回り、「自身の成長に繋がった」という回答が最多

  • 管理職のオファーを受けた際、「職務を全うできる自信がなかった」と回答した人は半数以上

  • 管理職のオファーを承諾する前、「不安や悩みがあった」と回答した人は6割以上

  • 管理職のオファーを承諾する前に抱いていた不安や悩みは「部下をしっかりと育成できるか」「自身のストレスマネジメントができるか」という回答が同列で最多

  • 管理職になると決めた際に後押ししたものは、「上司の勧め」「待遇面の充実」「会社からの期待」が上位

  • 管理職になると決めたとき、あったらよりよかったものは「公平な評価制度」という回答が最多

管理職になってよかったこと

世界が学んでいること:Udemy、最新のグローバル・ワークプレイス・ラーニングインデックスを発表

  • 2022年現在、テクノロジースキルとパワースキルの分野では、それぞれ「ブロックチェーンの分散型アプリケーション」と「業務の効率化」に関する講座が世界中の学習者の間でトップを占めています。「DApp」や「Binance」といったブロックチェーン関連のテクノロジースキルは、2021年第4四半期と比較し利用率が450%以上増加しています。また、「効率化」(98%増)や「自己啓発」(92%増)といったパワースキルも、リーダーシップ能力を磨きたいとする人々の間で引き続き注目されています。

  • また本レポートでは、日本で急増している下記のトップスキルを含め、従業員研修における国別の傾向も多数紹介しています(パーセンテージは前四半期と比較した増加率)。

  • コーチング 830%

  • クラウドコンピューティング 545%

  • 財務諸表 334%

  • FastAPI 302%

  • Microsoft Access 243%

ウォンテッドリー、企業のパーパスと採用に関する調査結果を発表

求職者側 調査結果サマリー

  • 入社時にパーパスを「かなり重視した」人は年々増加し、直近5年間で倍増

  • 入社時にパーパスを重視した人の割合を入社タイミング別で比較すると、「かなり重視した」という回答が2017年の18%から2022年の36%へと倍増しました。

  • 給与よりもパーパスを重視して転職した事がある人は43%。今後そうすることがあると思う人は63%

  • パーパスに共感している人とそうでない人とでモチベーションが高い人の割合に2.5倍の差が

採用担当者側 調査結果サマリー

  • 選考時にパーパスへの共感度を重視すると87%が回答。スキルよりも優先する場合があると32%が回答

  • 採用時にスキルよりもパーパスへの共感度合いを重視することがあると32%が回答

  • パーパスへの共感性を重視して採用した人の特徴として63%がモチベーションの高さについて言及

  • パーパスに共感する仕組み作りに注力しているのは78%。しかし53%が十分に浸透していないと回答

入社後すぐ辞めたい新卒増加 口コミでミスマッチ防止

  • 入社後2週間で退社

  • 「利益を上げるためとはいえ、相手の弱みにつけこむ営業姿勢が自分には合わなかった」。4月に中古品の買い取りや販売を手がける企業をわずか2週間で辞めたAさん(22)はこう話す。就職活動の時点では給与など待遇を重視して企業を選んだが、入社してから違和感を持った。
    備品の位置がずれているだけで怒鳴られるなど高圧的な態度の上司が多く、説明会で聞いていた現場業務の支援体制も整っていなかった。Aさんは「いくら高い給与をもらったとしても、上司の高圧的な振る舞いに耐えられない。次は2~3年続けられる職場に転職したい」と考え、地元に戻ることも検討しているという。

  • いきなり転職は一部の新入社員に限った話ではない。公益社団法人全国求人情報協会が2021年に実施した調査によると、入社後約半年で転職志向を持つあるいは離職したと回答した人が4割にのぼった。20年に比べて8ポイント増加している。

  • 具体的なエピソードが決め手

  • いきなり転職を経て新天地で活躍している先輩もいる。21年から広報支援のPR Table(PRテーブル、東京・千代田)で働く杉本彩夏さんは入社1年弱で新卒で入った会社を退職した。
    前職の上司は手厚くサポートしてくれたものの、新型コロナウイルス禍でテレワークになったことや、上司が多忙で気軽に質問ができないことから職場になじめなかったという。「業務上の情報伝達はあったが、同僚と雑談する機会がなくビデオ会議もカメラオフで顔が見えず不安になった」
    転職活動では社員同士のコミュニケーションが多い企業を探し、面接でも「年が近い先輩はどのように働いているか」について質問したという。他の企業では「皆一生懸命やっている」という程度の内容だったが、PRテーブルでは「Aくんはこうだったよ」と面接官から具体的なエピソードが出てきたため、就職を決めたという。

  • 就職活動の早期化もあり、準備が不十分なまま選考に臨むことになってしまう場合もあるだろう。自分にあう企業を見つけるのは難しい。仮にミスマッチに直面してしまっても、実際に働く人の話を聞きながら自己分析と企業研究に再挑戦すれば新天地は見つかるはずだ。

アフターコロナ時代の採用と人材戦略アンケート 「人材トレンド2022 - The Great X」を発表

  • 社員の気になる離職理由をランキング形式で発表しました。数ある回答の中で最も多かった離職理由が「仕事内容・業界を変えたい」であり、回答者の71%が仕事内容に変化を求め離職を決意していたことが判明しました。

  • 次に多かった理由が「キャリアアップ」であり、仕事内容や現状に満足をしていたとしても、回答者の47%が今よりもさらに良い役職を求め離職を決意したと回答しました。

  • 働き方改革やLGBTQ+への関心が社会的に高まりを見せる中で、企業経営におけるDE&I(ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン)への取り組みが改めて注目されています。「人材トレンド2022」の調査では、回答者の52%が採用面接でDE&Iの取り組みについて質問したことがある、または今後質問したいと答えました。

  • しかしながら、国内の企業におけるDE&Iへの取り組みはまだ弱く、話題には上がっていても実際の戦略や明確な方針等は決まっていません。調査によると、経営トップのうち49%が自分の組織に明確なDE&I戦略と方針が決まっていないと回答し、54%が自分の組織はDE&Iにおいて業界を牽引しているとは言えないと回答しました。

  • 近年再注目されているのが、社員の仕事に対する優先順位の変化です。調査によると、回答者の65%が年収よりもワークライフバランスを重視すると回答しました。

  • この結果により、年収と引き換えにしても、一人ひとりの社員の健康や働き方が尊重される企業に勤めたいと考える人が増えていることが明確になりました。この回答の背景には、コロナ禍による仕事量やストレスの増加が大きく影響しており、様々な悩みを抱える社員に対する企業からのアプローチやサポートの有無が社員の満足度に大きく繋がっています。

  • しかし社員のメンタルヘルスを考慮してパフォーマンス評価の調整を行った企業は28%に限られています。実際、会社に不満を感じている回答者のうち81%が「勤務先はコロナ禍のストレスに対して特別な取り組みをしていない」と回答し、78%が「自分のメンタルヘルスや健康状態について人事に安心して相談が出来ない」と感じていることが明らかになりました。

  • ワークライフバランスに対する企業の取り組みが今後優秀な人材の採用に影響する点を踏まえた上で、企業はこれまで以上に社員の声に耳を傾け、彼らが理想とする職場環境作りに努める必要があります。

  • ハイブリッド勤務を始めとする働き方の多様性が広がる中で、自己と向き合う時間が増え、人々は自分磨きにより積極的になってきています。調査によると、回答者の93%が次のキャリアアップまでに自分のスキルを磨く必要があると回答し、大多数は「社員のスキルアップは企業の責任ではなく、自己責任だと考えている」という回答が出ました。

  • 社員がこれまで以上にスキルアップに対し積極的に取り組んでいる背景として考えられるのが、現代のスキルアップに対するハードルの低さです。これまで「スキルアップ」=「長時間と高額な費用が必要な学位や正式な資格の取得」というイメージが人々の思想に強く根付いていましたが、近年電子書籍やオンライン学習プラットフォーム、YouTube動画等をはじめ、スキルアップの選択肢が大きく広がったことにより人々は必要なスキルを好きな時間に好きな分だけ学ぶことが出来るようになりました。つまり、これまで限られた社員しか臨めなかったキャリアアップへの道も、現代はより多くの社員がそのチャンスに恵まれているのです。キャリアアップの可能性は社員一人ひとりの多大な選択肢の中にあり、今後も広がり続けるであろうスキルアップの選択肢は企業、そして社員から大きな関心がもたれています。

ビジネスパーソンの6割以上、「人材データを活用する企業」に転職先として「魅力を感じる」/ HRMOS WorkTech研究所:人材データの活用に関するアンケート

  • ビジネスパーソンの約5割、勤務先の業務アサインに「自身の人材データが十分に活用されていない」

  • 本アンケートの結果、ビジネスパーソンの46%が、自身の業務アサイン(業務割り当て)に、「人材データが活用されていない」と感じていることが明らかになりました。役職別に比較すると、マネジメント(係長・課長・部長クラス)と一般社員では「人材データが活用された業務アサインをされていない」と感じる割合に18ポイントの差があり、一般社員のほうが「活用されていない」と感じる割合が多い結果となりました。

  • 6割以上、人材データを活用して業務アサインをする企業に転職先として「とても魅力を感じる」と回答

  • また、ビジネスパーソンの64%が、人材データを活用して業務アサインを行う企業を、転職先として「とても魅力を感じる」と回答しました。人材データを基に人材活用を行うことは、求職者に対して自社の魅力を発信するきっかけになると推測されます。

  • 人事異動・配置における人材データ活用、「個人業績」や「職務経歴」よりも「スキル」「適性」を参考にしてほしいと回答

  • 企業が人事異動・配置などを行う際、ビジネスパーソンが参考にされていると感じる人材データは、「個人業績・評価」「職務経歴」「スキル・資格・語学力」「社内での評判」の順となりました。一方で、今後どのような人材データを参考にしてほしいかを質問したところ、「スキル・資格・語学力」「適性」「個人業績・評価」の順となり、参考にされていると感じる項目とギャップが生じる結果となりました。企業の人事担当者に実施した調査※2でも、人事異動・配置等のために今後参考にしていきたい情報として最も多かったのは「スキル・経験(52%)」で、次に「適性(45%)」という結果となりました。企業にとっても、これらの情報をいかに可視化し、適切な人事異動・配置等に活用していくかが重要になると推測されます。

HRtech系

就職面接の“デキ”をAIが評価 ベンチャーが練習アプリ開発

  • AI動画解析技術を手掛けるエフィシエント(横浜市)と就職支援のジェイック(東京都千代田区)は5月23日、面接練習アプリ「steach」をリリースした。面接練習を録画するとAIが動画を解析し、表情や声、身振りなどを5段階評価する

  • 就職や転職、アルバイトなどの面接を想定した質問をアプリ上に表示し、それに答える場面を撮影する。評価項目は、声の大きさ、話すスピード、ボディーランゲージ、笑顔、自信の5個。顔写真の印象を評価する機能や、回答の文字起こし機能なども備える。

  • steachは神奈川県のオープンイノベーション事業で支援を受けて開発。今後も機能追加や改善を続けるとしている。

内定承諾率40%→89%への改善事例あり!企業訪問を疑似体験できる動画コンテンツ制作サービス「潜入オフィスレポート」ローンチ

「潜入オフィスレポート」の概要

  • 「潜入オフィスレポート」は、企業の社員様を突撃取材し、学生向けに職場や人の雰囲気を伝える動画コンテンツ制作サービスです。「企業訪問」を疑似体験できる動画として、より具体的に入社後のイメージを持ってもらい、他社との差別化を狙います。

  • カメラがオフィスへ潜入し社員様がディレクターから質問を受けるスタイルのため、バラエティ番組風コンテンツとして、学生にとってリアルな職場を気軽に理解できることが大きな特徴です。質問の回答に限らず、社員様同士の会話やオフィス内の施設などを取り上げることで、実際に働く環境をイメージさせることができます。

  • 動画制作にあたっては、「伝えきれていない魅力」を棚卸ししたのちに、ディレクターがロケーションハンティングを実施し、ご登場いただく社員様や施設を定め、構成を作成します。撮影当日はディレクターがカメラを回しながらインタビューを行います。撮影後は2~3回ほど試写会を行い、細部まで作りこみを行い、ご納品をさせていただきます。

「潜入オフィスレポート」の導入メリット

  • 内定辞退の増加を課題とする企業様に導入いただいた際には、内々定後のフォロー施策としてご活用いただき、内定者承諾率40%から89%への改善につながりました。新型コロナウイルスの影響で、オフィスでの面接も減少している中、新卒採用だけでなく、中途採用でもご活用いただけるコンテンツです。

マイナビの求人情報まとめサイト『マイナビジョブサーチ』をオープン

  • 株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)は、マイナビの求人をまとめて検索・閲覧できるサイト『マイナビジョブサーチ』(https://jobsearch.mynavi.jp/)をオープンしました。『マイナビジョブサーチ』の特徴

  • ①地域密着の仕事が満載
    全国各地の地元・地域に密着した求人が満載です。ユーザーの希望やライフスタイルにあった仕事探しを気軽に行うことが可能です。

  • ②幅広い求人をまとめて検索可能
    学生のアルバイトから、シニア歓迎求人、高年収のハイクラス求人、医師・看護師といった専門職の求人まで幅広く網羅。

  • ③安心の求人を掲載
    マイナビの掲載基準をクリアした案件だけが掲載されていますので、安心してご利用いただけます。

離職率改善・マネージャー育成に役立つ組織診断ツール「PULSE AI(パルスアイ)」が、組織改善の実行力を高める新機能をリリース


  • PULSE AI(パルスアイ)は、月1回のアンケート配信で、従業員の本音を把握&退職リスクを可視化する組織診断サービスです。今回新たに「PDCA支援機能」と「フォロー記録機能」をリリースし、さらに便利なサービスへと進化いたしました。「PDCA支援機能」は、マネージャーのPDCA管理をサポートし、組織改善に向けた計画策定→実行→評価と改善が回しやすくなります。「フォロー記録機能」は、コンディションに改善余地のある部下とのフォロー面談の記録を残すことができ、社員(従業員)へのフォローを組織的、かつ、効果的に行うことができます。

  • また、今回料金改定を行い、単一の料金プランから、ニーズに合わせて最適なプランを選べる3プラン制に移行します。

  • PULSE AI(パルスアイ): https://pulse-ai.jp/

  • 【新機能1】PDCA支援機能
    PDCA支援機能は、マネージャー(管理職)向けのマネジメント支援ツールです。担当する部署と改善したい項目を一つ選び、PLAN(現状分析と計画策定) > DO(施策の実行) > CHECK&ACTION(評価と改善)を通して、スコア改善を目指します。組織運営上の取り組み(施策)とスコア変化の関連性を確認することで、施策の有効性を検証でき、マネジメント上の判断精度の向上に役立ちます。

  • 【新機能2】フォロー記録機能
    フォロー記録機能では、コンディションに改善余地のある部下とのフォロー面談の記録を残すことができます。直属の上司による面談記録だけでなく、人事担当者や経営陣による面談記録も残すことができるので、過去のやりとりを踏まえた上で、社員(従業員)へのフォローを組織的、かつ、効果的に行うことができ、社員の離職率改善・定着率向上に効果を発揮します。

  • 【新料金プラン】
    PULSE AI(パルスアイ)は、今回料金改定を行い、単一の料金プランから、ニーズに合わせて最適なプランを選べる3プラン制に移行しました。毎月の結果さえ分かれば、社内で運用できる企業様向けの「スタンダードプラン」、毎月の結果をうまく活用できるサポート機能が欲しい企業様向けの「PDCAプラン」、社内だけだと具体的な活動や成果につなげていくのが難しそうな企業様向けの「組織改善プラン」の3プランとなっております。会社の実情やご希望に合わせて、最適なプランをお選びいただければと思います。

【新卒・中途採用厳選11選】 ダイレクトリクルーティング媒体(メディア)徹底比較

政治・経済動向

「人的資本」を重視し始めた投資家──“人への投資”が、なぜ企業の生存を左右する指標となるのか?

  • 「──2020年9月、経済産業省が「持続的な企業価値の向上と人的資本に関する報告書 ~人材版伊藤レポート~」を発行。人的資本経営の基本的な考え方を示しました。そして2021年6月には、改訂コーポレートガバナンス・コードにおいて、日本でも上場企業に対し人的資本の情報開示が求められるようになりました。

  •  人的資本をはじめ、非財務資本の情報開示の動きが世界中で加速しています。そもそも、この「非財務資本」が企業や投資家から重要視されるようになったのは、いつ頃からでしょうか。

  • 白藤 大仁氏(以下、敬称略):まず、日本において“非財務資本”の考え方が興ったのは、1975年前後であると思われます。そのあたりから、企業が自社の有形資産と無形資産の比率などといったデータを公開し始めました。

  •  そして2015年、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)がPRI(国連責任投資原則)に署名したことが、日本における近年の潮流の起点ではないかと考えています。

  •  昨今、少子高齢化などにより日本の年金制度が持続困難に陥るのではないかともいわれていますが、GPIFはお金を運用し増やすことで、今の若い世代にも年金を支払えるだけの力をつけようと考えたのです。そこで、GPIFは当時保有していた資産のうち、25%を国内株投資に充てることとなりました。

  •  そしてGPIFは、ESGを指標として投資を促進していくことを決めました。なぜなら、PRIの中で「投資分析と意思決定のプロセスにESGの課題を組み込むこと」「投資対象に対し、ESG課題の適切な開示を求めること」など、ESGに関する原則が明確に示されているからです。

  •  これを皮切りに、日本企業におけるESG経営や非財務資本への関心は急速に高まりました。

  • ──人的資本は、「非財務資本」と呼ばれる項目の中でどういった位置づけになっているのでしょうか。

  • 白藤:一般的に、非財務資本は「人的資本」のほか、「製造資本」「知的資本」「社会・関係資本」「自然資本」と全部で5つ項目があるといわれますが、人的資本に関する企業への要求事項は、まだ「すべての企業がここまで開示すべき・ここを目指すべき」という詳細なレベルまで定まっていません。非財務資本の中で人的資本をどこまで重要視するかという方針は、ある程度企業に委ねられています。

  •  ですから、現状ではどうしても気候変動問題など目に見えやすい分野が重視されがちです。しかし、人的資本の重要性は、間違いなく今後高まっていくでしょう。

  • ──それはなぜでしょうか。

  • 白藤:たとえば製造資本といっても、自社で製造設備を持たない企業もありますよね。また、ソフトウェアビジネスを展開する企業は、製造業などに比べるとそこまで自然資本に影響を及ぼしません。現在、5つの非財務資本は並列で語られる場合が多いですが、このように産業や事業モデルによって事情が異なるため、各項目に関する共通の指標は定めることが難しいのです。

  •  そこで、非財務資本の5項目の位置づけ・構造を見直そうという考えが広がり始めています。これまでの並列的な構造を改め、人的資本を「すべての非財務資本の根本に位置づけよう」という動きです。

  • ──なぜ人的資本が、あらゆる非財務資本の根本となるのでしょうか。

  • どのように自然資本と向き合うのか、製造資本をどう作り、維持するのかなど、あらゆる項目を意思決定し、実行するのは「人」だからです。

  • 「──2020年9月、経済産業省が「持続的な企業価値の向上と人的資本に関する報告書 ~人材版伊藤レポート~」を発行。人的資本経営の基本的な考え方を示しました。そして2021年6月には、改訂コーポレートガバナンス・コードにおいて、日本でも上場企業に対し人的資本の情報開示が求められるようになりました。

  •  人的資本をはじめ、非財務資本の情報開示の動きが世界中で加速しています。そもそも、この「非財務資本」が企業や投資家から重要視されるようになったのは、いつ頃からでしょうか。

  • 白藤 大仁氏(以下、敬称略):まず、日本において“非財務資本”の考え方が興ったのは、1975年前後であると思われます。そのあたりから、企業が自社の有形資産と無形資産の比率などといったデータを公開し始めました。

  •  そして2015年、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)がPRI(国連責任投資原則)に署名したことが、日本における近年の潮流の起点ではないかと考えています。

  •  昨今、少子高齢化などにより日本の年金制度が持続困難に陥るのではないかともいわれていますが、GPIFはお金を運用し増やすことで、今の若い世代にも年金を支払えるだけの力をつけようと考えたのです。そこで、GPIFは当時保有していた資産のうち、25%を国内株投資に充てることとなりました。

  •  そしてGPIFは、ESGを指標として投資を促進していくことを決めました。なぜなら、PRIの中で「投資分析と意思決定のプロセスにESGの課題を組み込むこと」「投資対象に対し、ESG課題の適切な開示を求めること」など、ESGに関する原則が明確に示されているからです。

  •  これを皮切りに、日本企業におけるESG経営や非財務資本への関心は急速に高まりました。

  • ──人的資本は、「非財務資本」と呼ばれる項目の中でどういった位置づけになっているのでしょうか。

  • 白藤:一般的に、非財務資本は「人的資本」のほか、「製造資本」「知的資本」「社会・関係資本」「自然資本」と全部で5つ項目があるといわれますが、人的資本に関する企業への要求事項は、まだ「すべての企業がここまで開示すべき・ここを目指すべき」という詳細なレベルまで定まっていません。非財務資本の中で人的資本をどこまで重要視するかという方針は、ある程度企業に委ねられています。

  •  ですから、現状ではどうしても気候変動問題など目に見えやすい分野が重視されがちです。しかし、人的資本の重要性は、間違いなく今後高まっていくでしょう。

  • ──それはなぜでしょうか。

  • 白藤:たとえば製造資本といっても、自社で製造設備を持たない企業もありますよね。また、ソフトウェアビジネスを展開する企業は、製造業などに比べるとそこまで自然資本に影響を及ぼしません。現在、5つの非財務資本は並列で語られる場合が多いですが、このように産業や事業モデルによって事情が異なるため、各項目に関する共通の指標は定めることが難しいのです。

  •  そこで、非財務資本の5項目の位置づけ・構造を見直そうという考えが広がり始めています。これまでの並列的な構造を改め、人的資本を「すべての非財務資本の根本に位置づけよう」という動きです。

  • ──なぜ人的資本が、あらゆる非財務資本の根本となるのでしょうか。

  •  どのように自然資本と向き合うのか、製造資本をどう作り、維持するのかなど、あらゆる項目を意思決定し、実行するのは「人」だからです。

  • 意思決定し、実行するのは「人」

  •  人的資本にかかわらず、投資家の非財務資本に対する関心は近年高まり続けていますが、リンクアンドモチベーションの調査によれば、企業の情報開示レベルに「満足している」投資家は約30%ほどでした。実際にどのような方針・施策を打ち出すのか、明確にできていない企業が多いことが原因ではないでしょうか。

  • ──では、現段階で企業が打つべき施策はないのでしょうか。

  • 白藤:そんなことはありません。「人に投資する」という観点で、企業が実践できることはたくさんあるはずです。むしろ今こそ人的資本と向き合い、情報を開示していくべきだと考えます。

  •  たとえば、給与や社内評価制度の変革をはじめとする取り組みによって、従業員エンゲージメントを高く維持することは人的資本経営にとって非常に大切です。労働市場における企業への期待を高められるだけでなく、人的資本の情報開示においても、良い成果を公表できるようになるでしょう。

  •  今の企業に必要なことは、「非財務資本こそが、未来の企業成長に大きく影響する」ということを理解することです。年度ごとの単純な利益だけでなく、従業員エンゲージメントに向き合い続けることも、企業が永続的に発展していくためには必要なのです。

人材マネジメント

Z世代の離職をどう防ぐ? “データドリブン人事”の最前線を聞いた

  • 「データドリブン人事」って何? 導入を後押しする4つの変化

  •  1点目は経営視点からの必要性だ。経営との連動や説明責任を遂行するために、人事版DX(デジタルトランスフォーメーション)となるHRX(ヒューマン・リソース・トランスフォーメーション)が注目されている。

  •  2点目は雇用や働き方の変化だ。従来の日本企業に多い、仕事内容や勤務地を限定しない「メンバーシップ雇用」から、職務に適したスキルを有しているかどうかを重視する「ジョブ型雇用」への移行に加え、コロナ禍でテレワークが普及し、働く時間や場所も多様化している。これまであまり推進されてこなかった副業や兼業も容認が進み、人材の流動化が進んでいる。

  •  3点目は労働人口の変化だ。大卒年齢の22歳人口は減少し、団塊世代は後期高齢者となった。今後、労働人口の減少が進み人材不足はより深刻化する。優秀な人材の確保や定着のためには、1990年代半ば~2010年初頭生まれの「Z世代」特有のライフスタイルや価値観にも配慮する必要がある。

  •  4点目はHRテックのフェーズ変化だ。データ取得のテクノロジーが進展し、人事課題に関する要因把握や対策に活用され始めている。人事が扱う基本情報以外にも、多種多様なデータを組み合わせて活用する道が開けてきた。

  • 職場改善、配置の最適化にも データドリブン人事の今後の課題

  •  他の場面も見ていこう。職場改善に向けたマネジメント変革を進めていく場面では、富士通の事例がある。富士通はビジネス環境の変化から共創的な組織作りを目指す必要性が高まり、優れたマネジャーの在り方をアンケート分析などから整理した。単に分析しただけではなく、優れたマネジャー像を分かりやすいポスターにして社内展開した施策が特徴的だ。マネジャーの理想像がキャッチーな形で示され、理想的な組織作りに向けた改善プロセスの迅速化につながった。

  •  異動や配置の最適化(適材適所)によって、パフォーマンス向上や自律的なキャリア形成促進を目指す場面もある。これを目的にHRXを導入する企業も多い。従業員と仕事情報をデータベース化してキャリアルートを類型化・可視化することで、従業員は自律的なキャリア形成を判断するよりどころができ、人事は最適な配置やポスト検討に役立てる。こうした取り組みは従業員の定着やエンゲージメントにもいい影響を与えそうだ。

  •  ジョブ型雇用が進むことで、育成対象は新人以外にも広がっている。ビジネスが変化すれば必要なスキルも変化するので、中高年のリスキリング(学び直し)も話題になっている。前述したオンボーディングや異動配置施策も含め、人材育成で重要なポイントとして湯浅氏は「適度な負荷」を挙げた。

  •  心理的な負荷は、その重さによって「快適ゾーン」「ストレッチゾーン」「パニックゾーン」に分けられる。負荷が軽すぎれば成長につながらず、重すぎれば潰れてしまう。本人の成長に最も効果的なのがストレッチゾーンと言われる。負荷への耐久性には個人差があるので見極めが難しいところだが、パーソナライズや分析精度が高まれば適度なストレッチゾーンへと導くことができそうだ。

  • 最後に湯浅氏はHRXやデータドリブン人事の今後の展望について、次のように語った。「人事データの取得や蓄積は裾野がかなり広がっています。それがタレントマネジメントシステムの導入・活用の増加に表れていますが、今後は可視化以降の要因把握や施策への接続が課題になると思います。今後必要なことは、経営と人事が足並みをそろえて取り組むことと、データ利活用推進チーム内に人事領域に理解がある人材を獲得、または育成していくことです」(湯浅氏)

  •  湯浅氏がこう語る背景には、データ解析のスキルを持つ人に必ずしも人事領域の知識があるわけではないという課題があるようだ。「現時点ではデータ解析に詳しくても人事には詳しくない人が人事データを分析することがあり、仮説設計や解釈がうまくいかないケースも多く見られます。経営・人事領域における知識や経験と、データや技術を掛け合わせて進めていくことができれば、日本のデータドリブン人事はさらに躍進するでしょう」(湯浅氏)

  • 「見えにくい」ものをどう測る? パーソナリティー領域の可視化と定量化

  •  湯浅氏は「Z世代や若手のモチベーション維持や定着には、『本人が大切にしていること』『得意なこと』『任される仕事』、これら3つをうまく重ね合わせることが大事です」と話す。そのためリクルートMSはオンボーディングの課題に対して、以下の3つのフェーズでアプローチする。

  • モニタリングで可視化 要因・構造把握 施策・運用

  •  まず、1では周りから見えやすい活動や成果などに加え、心理状態やストレスなどのコンディション推移を把握する。リクルートMSではこれまで「見えにくい」とされていたパーソナリティーの領域も可視化と定量化を進める。

  • 2では、新人がつまづく要因を探る。本人の適性や力量が高いにもかかわらず、定着や活躍につながらない場合は環境的な要因を探る必要があるためだ。上司とソリが合わないなら、それはどんなところか要因を探る。それが見えてきたら、対策として3の施策や運用に結び付ける。

  •  例えば「上司と新人の価値観」と「新人から上司への満足度」を掛け合わせて分析することで、両者の相性が浮かび上がるケースがある。

  •  ある企業では「リスクを重視するかどうか」という価値観で分析したところ、「リスク軽視」(冒険に挑みたがる)の新人に対して、「リスク重視」(歯止めをかける)の上司は相性が悪いと思いきや、実際はそうでもなかったという。逆に「リスク重視」で保守的な新人に対して上司が「リスク軽視」で前のめりの場合は、新人の不満が高く出た。もちろん、この結果がどの企業にも当てはまるとは限らない。それぞれの現場で分析することで、相性や不満の要因がより鮮明になる。

  •  また、会議や面談中の発話を分析したケースもある。村田製作所の「NAONA」は会話のテンポや発話量を分析することで、誰が多く話しているか、どのようなモードで話しているかをデータで示す。会議で「Aさんばかりが話している」ことが可視化されれば、「Bさんにも話を振ってみよう」とコミュニケーションの均衡化につなげられる。「上司のBさんが部下にたたみかけるように話していて、部下の満足度が低い」と分かれば、上司は話し方に配慮するなどマネジメント改善につなげられる。

従業員との対話を通じて定着率を高める方法

定着のための対話

  • 1.状況を設定する

  • 2.対話に向けて精神を集中する

  • 3.ミーティングを正しく始める

  • 4.相手の話を掘り下げ、真摯に耳を傾ける

  • 5.隠れたコミットメントを探す

  • 6.次のステップについて合意する

  • ギャラップの調査によれば、自主退職する従業員の52%が、マネジャーや組織は退職を防ぐために何かできたはずだと答えている。すべての従業員を引き止めることはできないが、従業員とのチェックインの時間を確保すれば、定着率の向上は可能だ。

  •  HR担当者が退職の意向を示した従業員と面談し、その理由を聞き取る「退職面談」には、馴染みのある人がほとんどだろう。これに対して「定着のための対話」は、従業員が職場に留まりたいと思えるような体験をしているかどうかを、リーダーが確認するものだ。筆者はこの対話を四半期ごとに行い、重要な節目(例:就業記念日)にも設定するよう推奨している。

  •  このような「キャリアのリスクトリガー」を心に留めておくことがいかに重要かは、研究で明らかにされている。最大のリスクはマネジャーや職責が変わった時に生じ、従業員が転職活動を行う割合が17%上昇するという。

ジョブ型雇用の導入に伴う、人事制度改革を進める際の効果的なプロセス

ジョブ型雇用の導入に伴う、人事制度改革に必要なこと

  • 人事制度改革においては、「7S」全体を俯瞰したうえで何をどのように変革するべきなのかを考えることが重要です。具体的に見ていきましょう。

  • 人事制度改革を進める背景として、多くの企業に共通していることが「企業を取り巻く環境変化により、実現したい経営戦略が変化している」ことです。

  • 例えば、昨今注目されているジョブ型雇用も、外部環境・内部環境の変化を踏まえて新たに実現したい目的や経営戦略をかなえるための手段として導入されます。

  • 1. 解凍

  • ジョブ型雇用を導入する際には、年功序列制度などの従来の雇用体制で成長し続けてきた組織であるほど、新たな雇用形式を受入れ難い社員が多いでしょう。過去の同質的・安定的な状況を打ち破るためには、最初のステップとして「解凍」が必要です。

  • 組織が変化する必要性を理解・納得させるメッセージをトップが発信し、変革に向けた前向きな意識や健全な危機意識を醸成することで、後々の具体的な施策導入ステップをうまく進めるための土台となります。

  • 2. 変革

  • 変化を受け入れられる土台ができていると、具体的な「変革」である全社戦略の方向転換や制度変更、組織構造改革における施策が受け入れられやすくなります。

  • ここでは特に、経営の現状と現場の双方をよく知るミドルマネジメント層が、リーダーシップを発揮する必要があります。全社の方針転換を、各部門・部署のおかれている具体的な状況に置き換え発信していくことで、社員一人ひとりの課題意識を引き出し変革の必要性を理解してもらうことが、ミドルマネジメント層に求められる役割といえるでしょう。

  • 3. 再凍結

  • 具体施策の成功の積み重ねと成果の定着により、組織に変革を根付かせていく「再凍結」を踏むプロセスも必要です。変化を生みだす具体的な施策を導入しても、社員が腹落ちできていない場合は効果が継続せずに一時的な変化に留まってしまいます。

  • 導入した変化を組織に定着させるには、社員一人一人が変化の必要性と意義を理解することが必要です。例えばジョブ型雇用の導入によって社員に自律的なキャリア形成・自己成長を求めるのであれば、主体的にキャリアを築く必要性の訴求に加え、求める期待役割の具体化や、あるべき姿の実現に向けて必要な具体行動とスキルセットを明示することは効果的でしょう。さらに、社員が自ら目指すキャリアに向けて自己研鑽に励むことのできる機会として、キャリア研修や公募の研修プログラムなどを用意することで、社員の自律的な行動を促すことができます。

経営層と従業員の報酬の一体的検討に向けて

  • コーポレートガバナンス・コード(CGコード)の施行以降、経営者報酬は大きく変容を遂げた。業績連動部分の拡大、株式報酬の導入、社外取締役・報酬委員会の関与を伴った制度の運用などが広範囲に渡って浸透している。

  • 業績連動報酬の拡大、特に株式報酬の積極的活用によって、経営者の報酬が株主価値と連動するようになったことは、従来不十分とされてきた株主価値・企業価値に対する経営者の意識を涵養(かんよう)するという意味において前進といえよう。一方で、経営者が中長期的な企業価値の伸長に向けて、抜本的な変革に実際に取り組んでいるかどうかが課題といえる。

  • 昨今のジョブ型人事ブームの潮流のなかで各社とも人事面での取り組みを進めている。ここでは、まだ実践の余地を残していると感じる取組みについて、特に従業員の処遇の改善を前提としたときに想定し得るものを例示する。

  • 1.組織設計と人員配置の最適化

  • 従業員の給与水準を引き上げるとしても、許容できる範囲でコストをコントロールするには、効率的な組織体制を整えつつ、企業の成長に向けて重要な役割を果たす人員を適切に配置し、十分な権限を与えなければならない。ジョブ型人事制度を導入するとしても、無駄のない形で組織と各ジョブの機能・役割を定義し、適切な人員を配置するという文脈で実行しなければ何も変わらない 。

  • 2.人員の登用状況の検証

  • 昨今では殆どすべての企業において、非連続な成長やイノベーションを生み出す人材として女性や若手の活用が必要である、といった考え方が打ち出されている。ただ、弊社が有する各社のデータを見る限り、大企業において大きな変化が表れているようには見えない。 一方で、成長著しい企業を中心に女性や中途社員、外国人社員の活用や若手の抜擢などにおいて思い切った取組みを進めている企業があるのも事実である。

  • 自社でそのような動きを促進するにあたっては、まず自社がどの程度の位置にあるのかを客観的・徹底的にベンチマークすることが、俯瞰的な視点のもとで目指すゴールと取組みを具体化する上で有効である。1.の人員構成と一体的に検証することも考えられる。

  • 1.株式報酬の適用範囲の拡大

  • 日本において、株式報酬は一般に執行役員以上にのみ適用されている。従業員の処遇の改善を図るとき、一律の引上げがコスト上許容されない、成長が未実現であるなかで原資が確保できない、といったことが想定されるが、株式報酬の活用はそうした状況を克服するうえで一考に値する。公平性重視で考えざるを得ない給与とは切り離して、将来の成長を担う人材に対して重点的・選別的に株式を付与すれば、コストインパクトを抑えられる。株式報酬は、将来の成長期待によって報酬としての効果が高まることから、そうした期待が共有されていれば、より一層原資を抑制することができる。

  • 株式報酬を非役員層に積極展開している外資系企業は、日本の人材マーケットでの差別化に成功している。日本企業も、そろそろ株式報酬の積極活用を考えるべき時期に差し掛かっているといえるのではないか。今は、日本企業の中で先行者利得を狙う最後のチャンスかもしれない。

「事業責任者の人・組織課題解決の支援ニーズに関する調査(事業局面別支援ニーズ編)」の分析結果を発表


  • 現場の課題認識は、人材獲得、ミドルマネジメントの過重負担、中堅・若手・次世代リーダー育成

  •  現場の課題認識は、いずれの事業局面においても、人材獲得・育成の課題において選択率が高い。要変革局面では、「優秀な人材が流出している」「難しい仕事に挑戦する人が少ない」「メンバーの自発的な活動が少ない」など、優秀人材・自律人材の活躍の課題に特徴がみられる。

  • 要変革局面事業では社内人事の支援、成長局面事業では社外専門家の支援へのニーズが特徴 

  • 人事/社外専門家への支援ニーズは概ね課題認識の高さと連動している。成長重視局面と要変革局面の特徴の違いについて見てみると、「ミドルマネジメント層の負担が過重になっている」「次世代の事業経営を担う人材が育っていない」といった課題解決の支援ニーズに関して、要変革局面では自社人事の支援のみを選択する傾向があるのに比べ、成長重視局面では社外専門家支援も期待する傾向がみられる。

  • 社内人事には中途採用、要員計画への支援、社外専門家には能力開発、中途採用、メンタルヘルス対策への支援ニーズが共通してみられる

  •  人事スタッフ・人事部門に対しては、「中途採用者の募集・採用の交渉・決定」「要員計画の策定」へのニーズがいずれの事業局面においても3割を超える

  •  社外専門家に対しては、「メンバーの能力開発(Off-JT)」「中途採用者の募集・採用の交渉・決定」「メンタルヘルス対策」など専門知識が求められる場面のほか、「メンバーの能力開発(OJT)」「次世代リーダーの育成」「管轄組織内の異動や配置の交渉・決定」など、組織内の人材マネジメント場面での支援にも期待が及んでいる。従来の自社のやり方とは異なる方法を取り入れるニーズが示唆される。

  • 事業局面別では、成長重視局面事業では異動・配置への社内人事支援ニーズと能力開発への社外専門家支援ニーズが、要変革局面事業では能力開発や次世代リーダー育成に支援ニーズがみられた

  •  成長重視局面では、「管轄組織をまたぐ異動や配置の交渉・決定」への人事支援ニーズが高く(31.2%)、「メンバーの能力開発(Off-JT)」への社外専門家支援ニーズが高い(25.8%)。事業の成長のための組織改編や人材の配置転換、人材の抜擢や早期育成の場面で、人事や社外専門家の支援が期待されている。

  •  要変革局面では、人事支援ニーズが「メンバーの能力開発(Off-JT)」、「次世代リーダーの育成」、「中堅社員のモチベーション向上」で高く、横の異動というよりは、縦方向のマネジメントを強化する人材育成が社内人事に期待されている。社外の専門家に対しては「メンバーの能力開発(Off-JT)」(34.2%)だけでなく、「メンバーの能力開発(OJT)」(25.2%)でも高いのが特徴で、専門家の風を入れて、職場における人材育成を変革・強化したいという意図が推察される。

  • 人事に求める専門性は、自社の戦略・ビジネス/従業員個々人の情報/人事制度の設計や運用への精通

  • 人事への期待を、専門能力面からたずねた結果が図表3である。情報面では「自社の戦略・ビジネスについての精通」「従業員個々人の情報についての精通」が、いずれの事業局面でも多く選択されている。「自社の戦略・ビジネスについての精通」は、特に効率重視局面で50.8%と高く、重視されている。

  •  知識・技術面では、「人事制度の設計や運用への精通」が共通の期待として挙げられる。「コーチング、カウンセリング、ファシリテーションなどの実践スキル」は、効率重視局面ではさほどでないが、成長重視局面、要変革局面では3分の1以上が選択している。他に、成長重視局面では「リーダーシップや人の心理に関する専門知識」「英語などの語学力・異文化マネジメントの知識」への期待、要変革局面では「人事関連データを集計・分析するための統計解析に関する専門知識」への期待に特徴がみられる。


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