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集団IQを上げられる存在に~Independent Thinking part.3~

こんばんは。
前回、前々回に引き続き『インディペンデントシンキング』についての記事です。

最後に、「チーム作り」と「リーダー」についてアウトプットしていきたいと思います。
少し長くなりますが、最後までお付き合い頂けると嬉しいです!

今までのリーダーとこれからのリーダー

「リーダーに必要な力」と言われて、思いつく事は何があるでしょうか。
人を動かす力とか、プロジェクトマネジメント力とか、色々あると思います。

これは、目的や答えがある程度わかった上でのリーダーに求められていたスキルです。
チームは、目的・答えの実現に向けてリーダーシップを発揮する人と、それぞれの役割を与えられ、その価値を発揮するメンバーで構成されています。
この場合、リーダーは今までの経験から解決へのアプローチの検討が付いています。そして、各メンバーのモチベーションを維持しつつ、成果の品質に注意しながらチームマネジメントを行うべきだというイメージもあります。
この「HOW」が上手なリーダーが、リーダーとして評価を得ていました。

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一方これからのリーダーは、答えのない、問題の輪郭すらはっきりしないモノに対してアプローチしていく必要があります。
『知世学的リスクにさらされる未曾有の災害に直面したり、デジタル時代の中でアナログ思考が役に立たなくなったり、技術の進展が突然新たな競争相手を生み出し今までの競争力を根こそぎ奪ってしまったり等、いろいろな環境変化が考えられる。』とあるように、現に今、コロナによって強制的にテレワークをせざるを得なくなったり、壊滅的な打撃を受けている業界もあるでしょう。

メンバーに役割を振ろうにも、問題の全体像が分からない中でどうするべきか?
リーダー自身が答えを持ち合わせていない時、どのようにチームマネジメントを行えばいいのでしょうか。


集団IQが高いリーダーを作る

必要なのは、「WHAT」を求めることです。それをチーム全体が意識できるよう、リーダーは共有して行かなければなりません。
重要なのは、輪郭の曖昧な問題でも、リーダーが「初期値」として仮説をイメージすることです。
その曖昧な「初期値」の周辺を、メンバーがそれぞれカバーできるようなタスクを課します。

このチームでは、まずリーダーがまず自分でカバーできる範囲が限られていることを自覚する必要があります。
そしてメンバーは、リーダーの指示を待つのではなく、解決すべき問題範囲の特定と、その解決にコミットする必要があります。
リーダー・メンバー共にインディペンデントシンキングが求められるのです。
逆に言うと、インディペンデントシンキングを持ち合わせているチームでなければ、答えのない問題の解決は図れない、ということです。

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問題解決のための議論では、『obligation to dissent(意義を唱える義務)』というルールが必須になります。
メンバーが、初期仮説に沿って自分の領域について事実を集め分析し、何かしらの「意味合い」らしきものを抽出します。
この時、『「事実で物を言うこと」「もし何か問題だと思ったら必ずそれを議論の対象に持ちだすこと」「異なった意見のやり取りの中から新たな意味合いを見つけていくこと」』を共通のルールとすべきだとあります。
各々が好き勝手に「感じた事」や「個人的な意見」「人が言っていたこと」をベースに議論をしては、輪郭はいつまでもはっきりしません。
また、リーダー自身にも答えが分からないのに、リーダーに忖度してアウトプットしなければ意味がありません。

そこで、『意義を唱える義務』が重要になるのです。
メンバーが異なる意見をぶつけ合うことで、課題の輪郭がはっきり見えてくるはずです。

議論されたことをMECEで切り分け、いくつかの課題に区分した上で、その意味合いを整理して記述することで課題解決に一歩進みます。
そうやって議論を進め、次のステップをメンバーに明示できるかが、答えが見えない時のリーダーの手腕にかかっています。

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多様な人たちが集まり、異なる視点から議論することで知恵が深まります。
このことを、BBT(ビジネス・ブレークスルー)大学では『集団IQ』と呼んでいます。


集団IQが高いチームのリーダーとは

では、そんな集団IQが高いリーダーはどのような要素を持っているのでしょうか。抜粋していきます。

①インスピレーション リーダーか
ここで言うインスピレーションとは、「鼓舞する」という意味で使われます。
課題解決には厳しいですが、チームメンバーの成長に常に留意して機会を提供するリーダーであるべきでしょう。

②チームの問題解決的リーダーシップを持っているか
皆が答えを持っていない問題について、最初の破線(問題の切り口)を作り、メンバーごとの事実に沿った分析についてヒントを提供し、そして出てきたアウトプットに対して一段高い目線から次のステップを示すことで、チーム全体のアウトプットの質を高めることができるでしょう。
「一段高い視線」とは、プロジェクト依頼者の本当に求めていることを理解し、問題解決にどう組み込むか考える視点という意味です。

③危機的状況を察知して処理できるか
常に正しい課題解決に向かっているか、そしてもし何か起きた時に対応できるかどうかが問われます。

④結果に対して責任を負えるか
チームでの結果が出ない時、メンバーのせいにしないこと。答えが無い世界で破線が上手く書けなかったのは、リーダーの責任です。
また修正が必要な時、自分だけが分かる”ブラックボックス”にしないことも重要です。

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また、オンラインが一般化している時代だからこそ、リアルでの対話は重要な役割を果たします。
答えを「創出」するために必要なコミュニケーションは以下の通りです。

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特に、リーダーは「仮説とその共有が仕事」であること、メンバーは「事実ベースで分かったことを、そして異論を言う義務があること」を忘れないようにしたいですね。


集団IQの高いメンバー

最後に、そんなチームでメンバーたるために義務付けられたことをまとめて終わりにします。
私たち新社会人は、より良いリーダーになるためにより良いメンバーにならなければなりません。

そんなメンバーに求められるのは、
〇ファクトベースの発言であること
〇反論を述べること
〇自分が場面場面でどのような価値を提供できるか考えること
です。

分かりやすく、明日から意識できることがあります。
それは、会議中のメモは「自分の言うこと、考え」を書くです。

議論に貢献する上で有効なのは、今の議論のイシュー(本質。何を考え、何を解決すべきか)は何か、そのイシューを解決するために正しい議論がされているか常にチェックすることです。
その問題解決に寄与できる意見や、視野が狭まっている時に一度立ち返る意見を考えます。
その際、「3つの重要なポイントは」などとメモで確認しておけば、途中で何を言いたいか分からなくなったり、脱線したりしません。

もう一つは、その会議で得られた主要なことを自分なりに整理してメモすることです。
それさえ見れば、その会議の要点はバッチリですし、発言者それぞれの発言の価値や貢献度合いを思い出すこともできます。

まとめると、
「メモは人の言ったことを記録するのではなく、自分の言いたいことを整理するために使え」という事です。

自分の意見はファクトベースか、問題解決に価値を提供できているか?
まずは自分の発言をメモを通して振り返ると分かりやすいかもしれませんね。


まとめ:インディペンデントシンキングはこれからの時代では必須

『インディペンデントシンキング』を、3パートを通してアウトプットしてきました。
この知識という点を線にするには、私自身の経験が不足しているように感じますが、意識の土台は作れたように思います。

あくまで「自分の共通価値」は何か、それを継続して磨き続けていられるか。
会社に属しながらも、個人としての力を伸ばすために働きたい、より一層考えた本でした。

2020.04.28

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