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予感

当時、東京での暮らしは充実していました。

大自然への思いは、休みのたびに家族で出かけるキャンプで満たしていたし、「自分で畑を耕して育てた安全な野菜を、毎日食べたい」という思いは、近隣にある「体験農園」を始めたことで実現していました。体験農園は7年続けたので、野菜づくりにはそこそこの自信もつきました。

仕事もある。さして楽しい仕事でもなかったけど、自分のペースで続けられ、そこそこの稼ぎにもなり、嫌ではなかった。

友人にも恵まれていたし、都会には魅力的な商品、サービス、イベント、何でもあったし。

まぁ、多少お金はかかるけど、充実した日々でした。

なので田舎暮らしは、「定年後の第二の人生」と考えていました。


そんなとき、「ん?」って思う出来事があったんです。


①うちの車の隣の車の、フロントガラスが粉々に割れていた。

集合住宅に暮らしていたので、住民の車は駐車場に横並びに停めていました。いつものように、週末に家族で車で出かけるため駐車場に向かったら、警察官と小学生くらいの男の子、その母親らしき人物が、うちの車の前に立っていました。

なんだろう?

そこで、我が家の隣の車のフロントガラスが割れているのを目の当たりにし、状況を察しました。

私は警察官の男性に「何かあったんですか?隣の車の持ち主ですが」と声をかけると

「特に事件ということでもないので、問題ありません」とのこと。

まぁ、察しはつきましたが。

「明日は我が身。ここに車を停めておくのは危険かも、、、」と思うようになったのです。


②夜中に未開封の缶コーヒーが、我が家の住宅の敷地内に向け、投げつけられた。

23時すぎ。

ガコーン!! ガラガラガラガラ!!! (怒鳴り声)

大きな衝撃音と、男性の怒鳴り声。何をいってるのかは聞こえなかったけど・・・ 

そのときは怖くて外には出ませんでしたが、翌朝、玄関前の階段の上に凹んだ未開封の缶コーヒーが転がっていました。

ああ、これか。

そして、我が家の車が停まっている駐車場とは別の、近隣の駐車場に二人の男性が立って話をしていました。駐車している車の側面上部に凹みがあり、指をさしながら二人で話していたのです。

これまた察するに、昨晩、駐車場前の道路をはさんで対面にある自動販売機で購入した缶コーヒーを、何らかの理由で投げつけた人物がおり、それが車の側面を凹ませ、我が家の集合住宅の階段まで跳ね返り、衝撃音がしたのだろうと想像しました。

①の件があり、②の駐車場に変えようかと考えていた矢先の出来事でした、、、。

こんなことは15年以上暮らしていましたが、今までなかったこと。

「そろそろココを離れたほうがいいよ」と、見えない何かが伝えているように感じました。

つづく