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年上ブラック美女

彼との関係は、「深まる」という感じではなく、時々会うだけ。イギリス🇬🇧とフランス🇫🇷と離れてるし、大好きなお父様をパリの事故死で失った彼は、パリは辛くて来たくない。私が用事を作ってロンドンに行ったときに会う、というだけの関係が続いていた。
ある時、会うことになっていた私が着いて、インターフォンを鳴らした。入ると、鍵を開けてくれた彼が、階段の上から身を乗りだしてこちらを見ている。なんだかボーっとした感じ。「やあ。グレイス・ジョーンズ知ってる?」
「ええ。」
実は、名前を聞いたことがあるけど、よく知らない。顔も浮かばない。
「彼女が来てて、一緒に音楽作ってたんだ。基本的に、彼女は夜活動するから。。。」
なんだか心ここにあらずな気がした。
そして、私の勘は正しかった。

それから、彼らの関係は、ゴシップ雑誌を賑わし、彼の音楽は注目されていった。
業界の大先輩ともいえる彼女は、よいアドバイスができたに違いない。子どももいる彼女には、甘えやすかったに違いない。
私には、業界のアドバイスはできないし、私が甘えたい方。
だんだん会わなくなっていった。。。

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