国道沿いで、だいじょうぶ100回。海を超えて、だいじょうぶ100回。
近頃はやりの「インスタライブ」というのがある。
誰でも発信できるけれど、プロが喋るラジオとは大きな違いがある。
たいていが主催者の一方通行で、主催者が発信したいことをひたすら喋る。
この手の「インスタライブ」は食傷気味、たいてい5分で聴くのを辞めてしまう。
リスナーの事情と自分の経験談をバランスよく話してくれるのが好き。
耳に心地よければ、他の作業をしながら、ずっと聞き流していられる。
「昭和スタイル」の深夜ラジオ番組も、こんな感じだっただろうか。
「X(旧ツイッター)」で岸田奈美ちゃんの「スペース」を聞いていたら、
彼女の新刊の話になった。
1日も早く読みたいけれど、「紙の本」が好きな私は、電子書籍だと味気ない。
「次回、日本に行ったら購入しますね」とメッセージした。
「えーーーー、美香さん、私ニューヨークに送りましたよ!」
そこから大騒ぎになった。
昨秋、それまで長く住んでいたアップタウンからミッドタウンに引っ越した。
こちらでは転居のお知らせをする習慣がないので、すっかり失念してしまった。
彼女が、新刊の発売日に先立って、わざわざ郵送してくださったというのだ。
日本の郵政事情では考えられないほど、米国の郵便事情はひどい。
特に国際郵便物は、宛先不明の場合、ほとんどが行方不明になる。
世界中をたらい回しにされて、1年ぐらい経って見つかるケースもあるけれど、
まず期待できない。
さて。どうしたものかと落胆すること数週間。
なんと。
奇跡的に、お知らせが届いた。
税関で開封されることなく、まったく無傷。
あったかいメッセージも一緒だった。
「だいじょうぶ、だいじょうぶ」奈美ちゃんのママ(ひろ美)さんは、国道沿いで100回唱えていたというが、
私も、海を超えて、いろんな奇跡を信じたいと思った。
その言葉は「だいじょうぶ」だから言うんじゃない。
「だいじょうぶにする」という願いを込めて、発するのだと。
「だいじょうぶ、だいじょうぶ」
岸田奈美ちゃんの新刊「国道沿いで、だいじょうぶ100回」もちろん届いたその日に一気読み。
泣いたり笑ったり。
とっても元気をもらえる一冊。
皆さんも、ぜひ。