Mika Kuramoto

航空会社勤務後、ニューヨークに移住。著書「未完の贈り物」(産経新聞出版/小学館)「生ま…

Mika Kuramoto

航空会社勤務後、ニューヨークに移住。著書「未完の贈り物」(産経新聞出版/小学館)「生まれてくれてありがとう」(小学館)英訳本「Born(e)」。優しい世の中づくりを目指して東奔西走してます。https://ameblo.jp/mikakura-ny/

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ANA予約の電話はなぜ繋がらないか?その2〜傾向と対策〜

春先にこの記事を書いたら、いろんな反響があった。 昨日また同じようにANA予約センターに電話をかけて、さんざん待たされた後の悲劇とその顛末を備忘録として。 これは米国在住の友人たちにも確認済みだが、とにかくANAが一番電話が繋がりにくい。 JAL(日本航空)、AA(アメリカン航空)、UA(ユナイテッド航空)は、1時間近く待たされることはあるけれど、ANAは「ああ無情」の世界だ。 海外在住者でなくとも、マイレージを使って航空券を購入することはよくあることだし、これだけネッ

    • サルのぬいぐるみ

      8月11日は亡き母の誕生日だった。 戦争で父を亡くしていた母にとっては、8月15日の方がずっと特別な日。 終戦記念日に、遠く離れた祖国を想う。 ****** 一昨年、母が他界して、父はそのまま高齢者ホームに残っている。 思い出の品に浸る感情は全て捨てて、本当に必要な物以外はすべて処分する。 裏千家の師範を長年続けた母の遺品や、家族が置いていった物。 実家の片付けに、これほどまでに時間を要するとは思わなかった。 本棚の隅に隠れていたサルのぬいぐるみ。 母が当時の

      • 国道沿いで、だいじょうぶ100回。海を超えて、だいじょうぶ100回。

        近頃はやりの「インスタライブ」というのがある。 誰でも発信できるけれど、プロが喋るラジオとは大きな違いがある。 たいていが主催者の一方通行で、主催者が発信したいことをひたすら喋る。 この手の「インスタライブ」は食傷気味、たいてい5分で聴くのを辞めてしまう。 リスナーの事情と自分の経験談をバランスよく話してくれるのが好き。 耳に心地よければ、他の作業をしながら、ずっと聞き流していられる。 「昭和スタイル」の深夜ラジオ番組も、こんな感じだっただろうか。 「X(旧ツイッター

        • 編集者さんという存在

          記憶喪失症候群という診断名があるかは分からないけど、私には、容易く人には言えないほどの記憶障害がある。 医者の友人から言わせれば、PTSDの一種だというけれど、あの時のことだけでなく、あの時以前と以降のすべての時期において、ぽっかり記憶が抜けていることが、多過ぎるのだ。 私ぐらいの年齢になると、会った人の顔や名前を思い出せないことは多々あるかもしれないけれど、 身の回りに起こった出来事、出会った人、語ったこと、さっぱり思い出せないことが多過ぎて、怖くなる。 私は本当に、その

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        • お気に入りのエッセイ
          2本

        記事

          父と見た桜

          コロナ禍の2020年夏、両親を高齢者施設に送り出した。 その半年前に糖尿病で右足を切断した母と、水頭症で足の不自由な父。 老老介護で過ごしてきた築40年の実家で生活することは難しくなっていた。 都内で生活することへの未練を断ち切り、のどかな場所に行きたいという希望。桜並木の美しい茨城県土浦の片隅に、ひっそりと拠点を移動した。 その翌春、車椅子の両親を姉弟が連れ出して、桜の下を歩いてくれた。認知症を併発していた母が、童心にかえって嬉しそうに微笑んでいたという。 一

          ANA予約の電話はなぜ繋がらないか?

          ニューヨーク時間、深夜3時前。 ANAマイレージセンターに電話をかけ始めたのが夜中の0時半頃だったから、すでに2時間以上待たされている。 スイーツカフェの手伝いをした時に、3つ以上のメニューを一緒に覚えられなかった私が、今は繰り返し流れてくるレコーディングのアナウンス数種類のセリフを丸暗記してしまいそう。 ANAはいつも電話が繋がらない。 かつて5時間待って諦めたことがある。 私の貴重な5時間を返して欲しいと、誰に当たることもできずにいた。 はっきり言うけれど、他社はこ

          ANA予約の電話はなぜ繋がらないか?

          東京マラソンを遠隔から応援すること

          この記事を書いているのは、2024年3月2日。 ニューヨークは、3月最初の土曜日昼下がり。 冷たい雨が降っていて、気温6度より体感気温はずっと低い。 日本はすでに本番当日、あと数時間したらレースがスタートする。 SNSで12年前の投稿が上がってきた。 「3キロ以上走ったことのない40代女性が1ヶ月でフルマラソンを走れるか?」 2012年にはすでに人気で参加が難しくなり始めていたところ、興味本位で応募してしまったら抽選に当たってしまった私の従姉。 もう後には引けないと、冗談

          東京マラソンを遠隔から応援すること

          休業宣言中の岸田奈美ちゃんへ

          「2月10日から18日まで前向きに休業します」 奈美ちゃんの「X(旧Twitter)」を見て、「よしよし!」と思った。 昨年末から岸田家を襲った怒涛のような事件は、note読者の皆さんなら周知の事実だけれど、その後の彼女の呟きが気になっていた。 「好意」もしくは「おせっかい」もしくは「興味本位」で送られてくるアドバイスひとつひとつに、レスすることさえにも時間を取られたり、むしろ滅入ってしまうことが多いのだと。 奈美ちゃん、最初に伝えておくけれど、貴女は少し走り過ぎ、頑張り

          休業宣言中の岸田奈美ちゃんへ

          大好きな季節のはずなのに、喪失感に襲われる夏。

          「地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰化の時代が始まった」 国連総長のメッセージに、この世の末を案じつつも、わたしはこの暑い夏という季節を楽しむ気でいっぱいだった。 ************ 幼い頃の実家には、もちろんエアコンなどなかったけれど、夏の暑さを回避する昭和の知恵が満載だった。 家の前の道路に子供用のバスタブを置いて、ホースで水をかけて遊んでいると、近所の人が笑って声をかけてくれる。 「いただきものがあったから」と、スイカを差し入れてくださる。 冷蔵庫で凍らし

          大好きな季節のはずなのに、喪失感に襲われる夏。

          LOVOTと岸田奈美ちゃんが繋がった御縁が、また次の御縁を呼んでくる。

          所用があって日本に行った時、タイミングよく岸田奈美ちゃんからイベント開催の連絡をいただいた。 「LOVOT」生みの親、林要さんとのトークショー! これは行かねば。 「役に立たない、でも愛着がある”新しいロボット”を作ったんだ」 LOVOTをデザインした根津孝太くんから連絡をいただいたのは、もう5年くらい前のことだったか。 根津くんは高校同級生で、今でもよく連絡を取っている。 トヨタから留学先のUSCを訪問したこともあったし、彼のデザインした斬新な商品の数々に、毎回度肝

          LOVOTと岸田奈美ちゃんが繋がった御縁が、また次の御縁を呼んでくる。

          セントラルパークを走りながら号泣してたら、すれ違う人にたくさん声をかけられた。

          コロナ禍のロックダウン中、家族みんなが家にいて、狭いアパートで大きなトドを飼っているような状況、本当に意気が詰まる日々だった。 カンファレンスコールはアパートの屋上で受けたり、日が出ている時間はセントラルパークを歩いたり。 せめて家族それぞれが、バラバラに時間差で外に出ようという暗黙のルールが、いつしか出来上がっていた。 今でも深呼吸をしたくなると、セントラルパークに足が向かう。 お決まりのランニングコースをゆっくり走ったり、散歩したり。 途中でショートカットしても5マイル

          セントラルパークを走りながら号泣してたら、すれ違う人にたくさん声をかけられた。

          こんなに悲しい「母の日」は初めてだった。

          アパートを出る時に、ドアマンがにっこり微笑んで、声をかけてくれた。 「Happy Mother's Day !!」(母の日、おめでとう) スーパーのレジでも、同じことを言われた。 「Happy Mother's Day !!」 家に帰ると、ダイニングテーブルの上に、子供たちお手製のカードが並ぶ。 「母の日、おめでとう。 いつも応援してくれて、ありがとう。 これからも、よろしくお願いします」 少し幼なさも残るけれど、しっかりした日本語だった。 それぞれの個性溢れるカード

          こんなに悲しい「母の日」は初めてだった。

          「大丈夫?」という言葉がけ。

          もうずっと前から、この言葉をかける相手とタイミングには気をつけようと思ってきた。 シンプルだけど、こんなに責任重大な言葉を、(わたしも含めて)世間の人は皆、挨拶のように使っている。 「大丈夫?」と聞かれたら、何と答えるか。 十中八九の人が「大丈夫」と反射的に言葉を返してしまうのではないのかな。 本当はしんどくて助けてほしいのだとしても。 わたし自身、「大丈夫?」と口に出してしまうこともあるけれど、 本当はしんどくて助けてほしい気持ちを察して、もっと具体的な声をかけるように

          「大丈夫?」という言葉がけ。

          「岸田奈美のキナリ⭐︎マガジン」絶対購読のオススメ

          全身に衝撃が走る、とはこういうことを言うのだろう。 「あなたの知らない世界」の入り口が、こんなに近くにあったのに、 わたしはずいぶん長い間、その扉を開けずにいたことを、ひどく後悔した。 岸田家を応援する「岸田団ニューヨーク支部長」を自負するわたしだというのに、実はこれまで「キナリ⭐️マガジン」を購読してこなかった。 今となっては言い訳に過ぎないけれど、海外在住のわたしにとって、noteの定期購読をするのにはハードルがあった(と思い込んでいた)。 「日本で発行されたカードで

          「岸田奈美のキナリ⭐︎マガジン」絶対購読のオススメ

          「当たり前でない日常」だからこそ、家族の「愛せる距離」を冷静に考えられること。

          つかの間の日本滞在中、地下鉄でお子さん3人を連れているお母さんを見かけた。 1人の乳飲み子を抱っこ紐で抱え、ベビーカーの中にもう1人、そしてまだ歩き方も少しおぼつかない幼児1人に、ベビーカーを捕まらせている。 彼女が地下鉄の車両に乗って来た時、一人の若者男性が席を譲ろうとした。 日本の若者もやるじゃんと思って眺めていたけれど、その後の展開も想定の範囲内だった。 彼女は、席を譲られることを、丁寧に断っていた。 若者の気持ちはとてもありがたいことだけれど、彼女は彼女なりに、かろ

          「当たり前でない日常」だからこそ、家族の「愛せる距離」を冷静に考えられること。

          愛する岸田家の皆さんが、再びニューヨークにやってくる!という大事件。

          noteには、note向けの告知記事を書こうと思う。 岸田家応援団の皆さんは(昨日から告知開始になったので)もうご存知かと思うけれど、4月21日(金)NY時間18:30〜 ニューヨークでトークイベントを開催します!! 奈美ちゃんから最初に相談を受けたのは、昨年末のこと。 胆石の手術を受けたお母さん(ひろ実さん)の入院が長引いて、年内には退院できそうもないという事態に向き合いつつ、奈美ちゃんは常に家族皆が前向きになれるような未来を描いていた。 NHKBSプレミアムでの連続

          愛する岸田家の皆さんが、再びニューヨークにやってくる!という大事件。