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○ 年明け


 年明けに義理のお母さんが旅立った。

 年末から気にかけていて、入院先のお部屋にこれから何が必要かなと思い巡らせていた。

 元旦に電気ポットや洗面桶を持っていき、看護師さんの許可を得て手浴 ( 手のみをお湯の中で軽くマッサージする) をさせてもらった。

 その姿を側で見ていたご家族が涙を拭っているのを見て、 ( これが最後じゃないよ ) と思っていたのだけど、最後になってしまった。
 お義母さんは息子たちのお土産の缶コーヒーとヨーグルトを美味しいと言いながら召し上がった。
 あの時皆でお話できて笑顔も見られ、やわらかな時間だったと感じる。
 今思うと天使に包まれているようなひとときで、旅立つ前のギフトの時間でさえあったかもしれない。


 後日病院からすぐに来て下さいと緊急の電話が入り、支度をしながらお世話になっている先生に電話した。『 生命だけを見続けて、他のものは見ないで 』との事。


 到着後しばらくしてお義母さんが旅立たれた。

 これからお骨を見る事にもなるけれど、おかあさんの意識は消えずに続いている、消えてなくならない、という事で旦那さんとの意見が一致した。

 
 ややパニックにもなったが、今はひとつずつ、少しずつ、できる範囲のやれることをやろうと思う ( やれなくてもよし ) 。

  
 



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