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コロナで癖になった出不精、自営業の貧乏性のため、脱却できず

今回は、久々の個人的なつぶやき。

昔、私が会社員だった頃、と言ってもそれほど前のことではなく、2021年9月末までの話だけど、年30日間の有給休暇を100%消化して、年2回バカンスに出かけることも珍しくなかった。
この「バカンスルーチン」は2020年にコロナによる様々な移動制限措置で中断されてしまったのだ。
コロナウイルスは今やあまり危険ではない変異株が蔓延しているが、移動制限などの対応措置はもう完全に撤廃されている。
だから、そろそろバカンスに行きたいと思い出したわけなのだけど、なかなか実現できないうちに夏も終わろうとしている。

理由は、1つにはバカンスに行くのすら面倒になってしまっていることがある。目的地を決め、日程を調整し、ホテルなどを予約して…といった手続きが面倒で仕方がなくなって。そうかといって、お任せパック旅行とかだと、何が詰め合わせに入れられるか分からないし、ぼったくられるのもやだし、ということで気が向かない。
もう1つの理由は、会社を辞めて自営業となり、有給休暇がなくなってしまったことだ。幸い、仕事は次から次へと絶え間なく来るので、収入は自営業とはいえ、かなり安定している。けど、休みを取るのは、2・3日ならともかく、以前のように2週間まとめてとなるとかなり気が引ける。自分が社長なのだから、誰かに気兼ねする必要などまったくないのだけど、気が引けるのは懐具合だ。自営業者が休みを取ってバカンスに行く場合、バカンスにかかる直接的な出費の他に、休んでいる間に稼げない分(機会損失)をコスト計上する必要があるわけで、こうなると、バカンスがとてつもなく高額になってしまうのだ。

ああ、有給休暇って、なんてありがたいものだったんだろう。
なくしてから気づく本当のありがたみ。

別に2週間くらい働かなくても生活に困るわけではない。正直、丸々数カ月働かなくても、あまり困らない程度の「生活防衛費」の蓄えはある。
単に、私の心の問題なのだ。

インフレのせいで、いろんなものが高くなっている。
旅行業界の物価上昇率は20%以上になるのではなかろうか。
それなのに、私の収入は会社員+副業を通年でやっていた2020年の水準に比べるとざっくり40%減ってるのだ。

そういう状況では出費に対する目がどうしても厳しくなってしまい、ただでさえ値上がりしている旅行費+機会損失コストを計上する価値がバカンスにあるのかどうか疑念が湧いてきてしまい、踏ん切りがつけられなくなるのだ。

仕事の区切りがないということもある。大きなプロジェクトを抱えているときは、「これが終わったら絶対休みを取ろう!」なんて思っていても、いざそれが終わると、いや、もう終わる前にすでに次のプロジェクトが待ち構えてたりする。いろんなところからひっきりなしに大小の仕事依頼が来るので、休みを取るためには、一大決心をして、依頼を全断りしなくちゃいけない。しがないフリーランスがそういうことできますか、という話だ。

まあ要するに、貧乏なわけではなく、貧乏《性》のせいで踏ん切りがつかないわけだ。

だからといって、有給休暇のある会社員に戻りたいかと言えば、そういうことはまったくない。時間や場所の拘束がない自由さ、例え仕事が詰まっていて実際にはそれほど自由ではなかったとしても、理論的に、自分さえその気になれば、仕事をしてもしなくてもいい自由があることはとても大事だ。だから、たとえバカンスに行くのにすごく勇気が必要だったとしても、私はフリーランスの現在にそれなりに満足している。


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