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お花見と建築のはなし。

都内(東日本)の桜の開花予想は、3月24日。書いている今日が3月16日なので、もう開花が間近。ちなみに満開は3月31日だそう。(tenki.jpによると)

この時期になると、今年のお花見はどこに行こうか考える。近場で楽しむのもいいし、今まで行ったことのない新名所を探すのもいい。どこにするにも大事なのは、人の密度がそこそこで、美味しいご飯があること、そして、面白い建築がそばにあること。この3つ。
だから結局、選ぶ場所が限られてしまうのは正直あるし、すでにお気に入りの場所がいくつかあったりもする。3つ全てが揃うのためには、多少の時間の調整も必要だけど・・・。本当に良い場所ばかりなので、今回はそこを紹介させてください!参考にしていただけたら、嬉しい。

あ、一つ言わせていただくのは、かなり偏りがあります。悪しからず。



国営昭和記念公園

最初に紹介したいのは、立川市にある「国営昭和記念公園」。
ここに行ったことがない人は、ぜひ一度行ってみてほしい!そもそもここを初めて知った方へ。

国営昭和記念公園は、昭和天皇御在位50年記念事業の一環として米軍の立川飛行場跡地につくられた総面積180haにもおよぶ国営公園です。 昭和58年10月26日、第⼀期開園区域として70haが開園しました。東京都立川市・昭島市にまたがって位置し、『緑の回復と人間性の向上』をテーマに、豊かな自然環境の中で多彩なレクリエーション活動の場となるよう計画されました。

 HPからの出展

70haって、本当に広い。園内では自転車をレンタルすることができて、自転車で一周を楽しむのも楽しい。もちろん徒歩で、ゆっくり自然を楽しむのもあり。季節の植物が植えられて、特に春と秋は本当に綺麗で、特に今はFLOWER FESTIVALがやっていて、咲き誇る花々を楽しめる。

忘れてならないのが、どんな建築が見られるのかってことで。この公園内では、2箇所のおすすめ建築を紹介します。

OKA CAFE


OKA CAFE外観

まず最初に紹介したいのは「OKA CAFE」。設計は隈研吾さん。正門から大体20分くらい歩いたところにあるので、少し歩きます。そこは注意!
でも、見つけた瞬間の感動は計り知れないです、本当に。


照明のデザインが圧巻

木組みの外観がインパクト大で、屋根がなだらかな坂になっていて可愛い。中に入れば自然素材っぽい布で作られた、まるでアートな照明が。席も全部木材で、いるだけで落ち着く場所。原っぱ側が全面ガラスなので、どの席に座っても、外の自然が楽しめるのがいい。店内で楽しめるのは、クロワッサンなどのパンや、パスタのランチ。本当に、ほっこりするから一度は試してみて。外でピクニックもいいけれど、ゆったり席でコーヒーを楽しむのもいいよ。

花みどり文化センター


花みどり文化センター

ここは、有料エリア外にある誰でも楽しめる場所にある施設。昭和記念公園は、無料エリアもあるの。嬉しいことこの上ない。

この施設の設計は、伊東豊雄さん。一面ガラスの壁面に、天井が高い館内。エレベーターも全面ガラスで上のテラスにつながっている。伊東豊雄さんって、仙台メディアテクや、川越のヤオコー美術館の時にも思ったけど、柱を湾曲させたような形が好きなのかな、よく見るよね、あれ。トランペットのホーンの部分をひっくり返したような。(伝われ)
あれが、それぞれきちんと機能しているからすごい。デザインとしても、なんとなく可愛いので、個人的にすごく好き。

花みどり文化センターは、さまざまな展示や研修、ワークショップが行われる場所。入館無料で楽しめるから、素晴らしい。


未来っぽいエスカレーター(?)

ここ、感動するのは施設の屋根の部分が、空中庭園になっていて、景色を見渡せること。立川のまちを一望できるし、なんだか全てがどうでもよくなる何かがある。さらに私が好きなのは、この空中庭園に行くまでのエスカレーターと螺旋階段。素晴らしい選択肢が与えられているのだ。すごい。(もちろん両方楽しめるよ)
まるで別世界に移動するかのようなエレベーターと、鉄筋で少し錆びついた、いかつい螺旋階段。もう、カッコ良すぎる。それで、上に辿り着けば、心落ちつく空中庭園って・・・SFだよ。伊東さんすごいよ。(映画の見過ぎ感は否めない)

ひとつ問題点を挙げるなら、こちらの施設にカフェはないので、各自好きなものを持っていってください。おやつは500円まで!(?)
建物の前は、気持ちがいいほど広い原っぱになっているので、ピクニックも良いし、空中庭園にも椅子があるので、運良く空いていれば、そこで楽しむのも◎。

追記)
ここに行くのに、何か買って行こうと思っているそこのあなた。
昭和記念公園のそばにある「GREEN SPRINGS」はおすすめですよ。美味しいパン屋さんやカフェでTOGOして、持っていったら完璧。

東京ミッドタウン

立川から移り、今度は六本木へ。東京ミッドタウンは、商業施設やアート施設、ホテルなどが集まったおしゃれエリア。ここのミッドタウンガーデンは、緑がおおく、桜も楽しめるのでおすすめ。おしゃれで大人なお花見をしたい人には、ここをおすすめしたい。

21_21 DESIGN SIGHT 


地下の展示室に繋がる階段

桜とともに楽しめる建築、ここでいってほしいのは、「21_21 DESIGN SIGHT」。ここは安藤忠雄さん設計のアート施設。三宅一生さんを中心にデザインされた場所で、美術館のデザインは、一生さんの「一枚の布」という理念を用いて、屋根が、一枚の鉄筋コンクリートでできているようなデザインとなっている。表現が難しいが、いってみるとわかる。

安藤さんの建築といえば、コンクリ・ガラス・光の取り入れ方。ここでも、それが十分に楽しめる。展示室は地下にあるため薄暗く、静寂が心地いい空間である一方で、建物のほぼ中心の中庭は、ガラス窓で覆われているため、地上からの光が差し込み、地下空間を照らす。これがなんとも幻想的で、何回でもみたくなってしまう。ああ、行きたくなってきた。

ここの展示は、いつも他の美術館とは違うところがあって面白いので、展示の内容をチェックして、ぜひ行ってみてね。

おまけ:国立新美術館


波打つガラス

ご近所さんなので、ミッドタウンまで来たら、国立新美術館までぜひ。言わずと知れた黒川紀章さんの傑作。波打つガラスが特徴の美術館。

壁面は全面ガラスなので、朝いっても夜行っても、館内の雰囲気が変わり、独特な良さを見せてくれる。光の入り方は、全てのものの見方を変える。それは建築じゃなくても同じことだが。

特に好きな時間は、昼下がりの少し暗くなった館内。平日にいけば人が少なく、我が物顔で、広い館内を歩ける(?)。建築の素晴らしさと同様に、一休みエリアにある椅子に注目してほしいのだけど、ほぼ全てが名作家具と呼ばれるもので、例えばエッグチェア、シェルチェア、セブンチェア・・・。ここに来れば、名作家具に気軽に座って、良さを実感できる。インテリアを学んでいた身としては、本当に貴重な美術館だった。(家具屋さんでも体験はできるのだが、店員さんに声をかけられるのが嫌で苦手である。)

あとは、この美術館にはカフェもあり、そちらもおすすめ。円錐型をひっくり返した柱の底辺部分に位置している。その位置付けも面白いし、そこからみられる景色も特別なので、時間が許せばぜひ。

葛西臨海公園

次はところ変わって海沿いへ。私は、ディズニー好きということもあり、京葉線に頻繁に乗るのだが、(夢の国「舞浜駅」は京葉線の駅です)、最近まで「葛西臨海公園」駅は千葉だと思っていた。ごめんなさい。だって舞浜が千葉だから・・・。ともかく、葛西臨海公園は江戸川区。ということで、都内のお花見スポットとして、選抜させていただきました!!

葛西臨海公園は、水族館や大観覧車がある場所として有名。水族館のガラスドームが特徴的で、本当に美しい水族館だ。私自身も小さい頃から何度もいっている場所で大好きな場所。
何度も通っているし勝手知ったる場所と思って、よく調べたこともなかったが、建築が好きになって改めて調べたら、なんと、葛西臨海水族園は、あの谷口吉生さんの設計でした。それはあんなに美しいわけですよ、納得。
近代建築の名手、谷口さんのガラスの建築は、美しいとしか言いようがない。この公園では、水族館以外にもまだ、谷口さんの傑作が見られるので、そちらをご紹介する。

展望レストハウス クリスタルビュー


空に映えすぎる展望台

水族館とは少しだけ離れる(とはいっても公園内)のだが、これもまた息を呑むほどに美しいガラスの建築が現れる。四角いガラスの箱が、海を面して聳える。中に入ると、透き通るガラスから海が見晴らせ、時間を忘れる。水族館のガラスのドームも、レインボーブリッジもよく見える。(プロメテウス火山もタワー・オブ・テラーも見える!)
ここほど、大人になって訪れると小さいときの見方が変わると感じた場所はない。
桜に海に、建築に。こんなに贅沢な場所は、あるだろうか。

目黒川

言わずとしれた桜の名所。満開の時期になれば、多くの人が訪れて桜を楽しんでいる。正直、ここは混雑するから、私の希望を満たしているとは決していえない。人が多い場所が苦手な私は、できるだけ人が少ない場所を常に探している。けれど、ここは例外で、混んでいると分かっていても足を運んでしまう理由がある。

Starbucks Reserve Roastery Tokyo


まるで工場見学な店内

ここは、普通のStarbucksとは異なる。設計は、隈研吾さん。桜モチーフのアクセントが散りばめられ、日本らしさが残るデザインになっている。
目黒川に面したテラスに出れば、桜を楽しみながらコーヒーが飲め、贅沢極まりない。

このスターバックスでは、コーヒー豆を煎っているところが見られたり、天井をコーヒー豆が通る管が通るなど、半分アトラクションを楽しんでいる感が強い。コーヒーの香りが漂う店内の幸福感は、この上ないものがある。

その分、土日はもちろんのこと、平日も空いてはいないので、時間をうまく調整していってみてください。さすがに出来てから時間が経っているので、開店当初ほどの混み具合はないが、時間にゆとりを持って楽しむことができる時に行くのがおすすめ!(Starbucksってなんでどこに行っても混んでいるんだろうね、謎だ!とか言いながら、私も行っているんだから同じ穴のムジナだよな。しょうがない。)

終わりに。

さて、いろいろと都内の桜の名所を紹介してきたけれど、行きたい場所は見つかったでしょうか。一つでも見つかったら嬉しい。
あ、このリストに「上野恩賜公園」を入れなかったのは、混みすぎていて嫌なのと、あの雰囲気が好きではないっていう完全に個人的な嗜好によるものです。悪しからず。もちろん、名建築の宝庫なので、お花見は毎年上野に決めているの!っていう方はぜひ、上野の建築を楽しんでいただけたら嬉しい。ここに書ききれないほどの名建築がひしめいているので、お好きなものを見つけてほしい。

このあたりで都内の桜と建築の名所の紹介の締めといたします!
ではまたー!












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