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大阪へ行ってきた話。〜こどもの森 中之島編〜

さて、時間ギリギリで行ってきた大阪だけど、大阪府立図書館のあと、少しだけ時間があったので、すぐ近くの「こども 本の森 中之島」へ。
図書館から5分くらいかな。川沿いに歩くと現れる、他の建物とはまた違ったシンプルでスタイリッシュな建物。
それが、安藤忠雄さん設計の「こども 本の森 中之島」。
安藤さんが大阪府に寄附した建物で、様々なジャンルの本が集められた、こどもたちのための建物。
以前から気になっていたから、今回こられたことが本当に嬉しい。

建物について少し。

改めてこの建物の設計は、安藤忠雄さん。竣工は2020年。有名すぎて、もっと前からあるような錯覚を起こすけれど、実は4年くらいしか経っていないi.
。安藤さんの建物は、コンクリート打ちっぱなしで、時代が経っていることを感じさせないから、なおさら。

こどもたちに多様な本を手にとってもらい、無限の創造力や好奇心を育んでほしい。自発的に本の中の言葉や感情、アイデアに触れ、世界には自分と違う人や暮らしが在ることを知ってほしい。「こども本の森 中之島」は、そんな想いでつくられた文化施設です。

HPより引用

この建物には、安藤さんのこどもたちへの思いが込められていて、建物自体にも遊び心がいっぱい詰まっている。壁一面の本。渡り廊下のようにかけられた橋。こどもたちのために建てられた、といっても、大人もバッチリ楽しめる場所になっている。

こどもの森は大阪だけでなく、兵庫県の神戸、岩手県の遠野の全部で3ヶ所あり、その全てが安藤忠雄さんの設計。これは全て制覇して、違いを比べたいと思ってしまう。

と思ったら、事件。

まだ時間があるなあ、と思い、大阪府立図書館のカフェ(スモーブローキッチン)で、こども本の森行けるじゃん!と意気込んでHPを検索していた。
入場料無料なのね!ここから5分くらいかなあ。などと、ぼんやりしていて目に入ったのが「事前予約制」のボタン。ふーん。土曜日だけど、まあ大丈夫でしょ、と何の不安も持たずに、時間予約のページに飛んだら、まさかの、当日枠の空きゼロ。嘘じゃん。嘘じゃんそれは。ここまできて。

東京から2時間以上かけて来て、外観で終わりなんて、あり得ない。(時間できた、ラッキー、みたいな博打感があったのは反省するが。)
カフェで前に並んでいたご夫婦が、こども本の森のショップバッグを持っていたのを見つけて、どこか羨ましくなってしまう。
なんとかして入れないものかと、何度もHPをリロードする。(変わるわけない。)
これはとりあえず、行ってみて懇願しようと、とりあえず現地に向かうことにした。

こども本の森に到着。

建物の前に来てみると、安藤建築が目の前にあった。どこか見覚えのある、屋根が低く、横に長いコンクリート打ちっぱなし。川沿いのテラス(のような部分)にある青いりんごが目を引く。特別に説明はなく、これを見た人がそれぞれに、想像を膨らませてほしいというものらしい。なぜここに青いりんごが。りんごなら、なぜ青なのか。なんで一つだけ。とか色々考えつつ。いや、そんなことを考えるよりも、どうやって中に入るかを考えないとだ私。リンゴを見て終わるわけにはいかない・・・!(全部自分が調べたりなかっただけ)

ダメもとでドアを開けて、受付の人に、「予約してないんですが・・・。」と、それはもう自身なさげに伝えると、「あ、大丈夫ですよ!こちらで注意事項の確認をお願いします。」と。

・・・あっけな!心配する必要なかった!!!ラッキーすぎる!

とにかく一安心。入れた。入れた。入れた。
なんで入るまでにこんなに神経すり減らしているんだろう、とか自分に呆れながら、ひとまず建築を楽しむ権利を得た。


館内の螺旋階段

中に入ると。

自分がまるで大きくなったかのような、そんな感覚に襲われる。本棚は私の腰くらいの高さで揃えられ、椅子も机もこどもサイズ。
図書館の案内は、全部ひらがな。本当に、こどもたちのために作られていると実感する。

建物は入った場所から数えると、地下に広がっていて、川に面する壁はガラス張りになっていて、景色を見渡せる。窓から見えるビル群が、どこか違和感があって、それも面白い。

館内は、どこで本を読んでも良い自由さがある。階段に座って本を読む親子、本棚に設置された椅子に腰掛けるこどもたち。こんなに自由な図書館、初めて見た。壁一面に展示された本は、高いところにあるものは、同じ本が下の段にも置かれていて、背の小さなこどもたちが難なく取れるように工夫されている。優しい・・・。

どんな本があるのかと、全体を見ていくと、全然、子供用じゃない。いや、もちろん絵本とかの文字が大きなものが多いのは確かなのだけど、テーマが様ざま。戦争とか政治とか、そういうものもあるし、アートとか化学とか。これは大人用だね?!みたいな本もある。
入った瞬間、これは滞在時間は短そうだな、とたかを括った私の考えの浅さを思い知った。めっちゃ楽しい。
子供用の椅子に腰掛けて、伊坂幸太郎を読み耽っていたアラサーは私です。椅子の座りにくさはもちろんあるけれど、そんなことがどうでも良くなるような、そんな空間だった。(もちろん、周りはご家族ばかりなので、一人でそこにいる恥ずかしさは否めないけれど)


壁一面の本棚と渡り廊下

東京で見てきた安藤忠雄さんは、かっこいい、とか無機質な、とかそういう形容詞をイメージするのだけど、ここにきて初めて、「かわいい」安藤さんの建築を知った。まさかコンクリート打ちっぱなしに「かわいい」と形容する日が来るなんて思わなかったけれど、ここは「かわいい」「安心」が似合う。
かわいいといえば、安藤さんの絵本があるの。これは本当にかわいい本だった。タイトルは「いたずらのすきなけんちくか」。これはかわいい。イラストになった安藤さんが、かわいい。私はまだ読んでいないのだけど、これはどこかで手に入れたい。

今回の「こどもの森 中之島」は動画撮影不可だし、たくさんの方が利用されていたので、投稿を作成するのは断念。
なので、note限定の記事にすることにした。ぜひ、撮った写真をここで成仏させられたら嬉しいなあ。

では、今回はこの辺で!


📍こども本の森 中之島
■設計
安藤忠雄建築研究所
■竣工
2020年
■住所
大阪市北区中之島1-1-28
■アクセス
Osaka Metro御堂筋線「淀屋橋」駅からすぐ
■開館時間
午前9時30分~午後5時まで
■休館日
毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は開館し、翌平日は休館)蔵書整理期間
年末年始
■入館料
無料




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