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ウィーン国立歌劇場《トスカ》の舞台の凄さについて〜そして次は《ファルスタッフ》から学ぶ!


OTTAVA Accademiaの生配信+オンデマンド配信講座「オペラでイタリア語!」。去る10月27日(木)に、#4の〈プッチーニ《トスカ》で恋人のヤキモチをかわす〉が無事に終了。


何だかちょっと困っているような私。そしてOTTAVAの斎藤茂さんは今日も優しく見守ってくださるのであった。

インターネットラジオOTTAVAさんで開催しているOTTAVA Accademia、「オペラでイタリア語!」講座。#4〈プッチーニ《トスカ》で恋人のヤキモチをかわす〉を受講してくださった皆様、どうもありがとうございました。ライブ配信中に、挨拶や感想などのコメントをくださる方が多く、とても励みになっています。

配信をしていて思うのは、マイクに向かって話をするのは結構難しいということ。前を向いたり、横にいらっしゃる斎藤さんの方を向いたりしていると、声が大きくなったり小さくなったりしてしまうことに後から気がつきました。

配信映像をチェックしてみたところ、さすが斎藤茂さんはプロ中のプロ。私に話しかけている時でも、前を向いて話している時でも、ご自分とマイクの距離は常に一定。だからいつも適切な音量なんですね。そして顔の傾け方や視線もやっぱり上手。プロじゃのう…(笑)。勉強になります。私も、次こそは完璧なマイク乗りを目指します!

プッチーニ《トスカ》の回では、イタリア語のgelosiaとinvidiaの違いについてご説明しました。前回も少し書きましたが、英語のjealousyとenvyに相当し、前者は自分が持っているものを失いたくないという気持ち、後者は自分が持っていないものを妬む気持ちです。

そして《トスカ》の原作であるフランス語の戯曲、サルドゥの『ラ・トスカ』について。この戯曲には、カヴァラドッシとトスカの出自について詳しい記述があるので、トスカの信心深さや嫉妬深さなどの言動への理解も深まります。(オペラがいつも、原作の内容を完全に反映しているとは限りませんが…)

ウィーン国立歌劇場で収録された《トスカ》映像をご紹介。


この《トスカ》の詳細はこちらへ。

今回の講座もキングインターナショナルさんに映像提供のご協力をいただきました。

このウィーン国立歌劇場の《トスカ》、実は非常に歴史あるプロダクションです。初演はなんと1958年!!!ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮、マルガレーテ・ヴァルマン演出で、主演はレナータ・テバルディ、ジュゼッペ・ザンピエーリ、ティート・ゴッビと錚々たるメンバーでした。


歴史的な名舞台。マルガレーテ・ヴァルマン演出の《トスカ》


演出のマルガレーテ・ヴァルマン(1904?-1992)さんは元バレリーナでしたが怪我のため引退して演出家になり、ウィーン国立歌劇場、ミラノ・スカラ座他で活躍した女性です。マリア・カラスとも数多くの仕事をしています。この《トスカ》も重厚な美術セットと美しい衣裳、そして奇をてらわない正統派の演出で見応えたっぷりです。それにしても、このヴァルマンさんの演出を今もまだ使っているウィーン国立歌劇場もすごいですね。少なくとも、減価償却はとっくの昔に終わっていますね!?。

この映像は、記念碑的な《トスカ》の舞台が観られる貴重な機会というだけでなく、トスカのカリーネ・ババジャニアン、カヴァラドッシのピョートル・ベチャワ、スカルピアのカルロス・アルヴァレスとキャストも素晴らしいです。指揮は手練れのマルコ・アルミリアート。


プッチーニ《トスカ》は名作中の名作だけあって、受講者の中には、私よりもこのオペラに詳しそうな方もちらほらいらっしゃいました(汗)。映像も素晴らしく、また、斎藤さんとのかけあいも楽しく、いつのまにか時間が大幅に延長してしまいました。

#4〈プッチーニ《トスカ》で恋人のヤキモチをかわす〉、オンデマンドで視聴可能。こちらからどうぞ。



そして、OTTAVA Accademia 次回の講座は…

2022年11月17日(木)19時〜 OTTAVA Accademiaー井内美香「オペラでイタリア語!」 #5 ヴェルディ《ファルスタッフ》で楽しい老後を目指す!


フランス人バリトン歌手、リュシアン・フュジェールが演じるファルスタッフ(wikipediaより)。表情が可愛い!


もう来週です!第5回目は、ヴェルディの《ファルスタッフ》が教材となります。生涯現役が叫ばれる現代ですが、若いころ輝いていた人ほど、寄る年波を感じるとがっくり来ることがあるのではないでしょうか?しかし心配はいりません。老騎士サー・ジョン・ファルスタッフのように、懲りない性格で老後を乗り切りましょう!

もしくは、もう一人のお手本がいらっしゃいます。このオペラを作曲したジュゼッペ・ヴェルディです。なにしろ《ファルスタッフ》が完成し、ミラノ・スカラ座で初演されたときにヴェルディ先生は79歳でした。最晩年まで自分自身を刷新し続けていたヴェルディ、見習いたいです。でも、なかなか真似はできないと思いますので、そんな人は私と一緒にファルスタッフ型で乗り切りましょう〜!

11月17日(木)の19時〜の生配信にご参加いただければ、コメントを書き込めますので質問なども可能です。その後は、オンデマンドで期限なしでご視聴いただけますので、ご興味ある方は是非どうぞ!講座は一回分が2,200円(税込)、3回分のおまとめチケットは5,500円(税込)です。詳しくはこちらからどうぞ!


そして今年最後の講座がこ・ち・ら。

OTTAVA Accademiaー井内美香「オペラでイタリア語!」#6 2022年12月15日(木)19時〜
モーツァルト《ドン・ジョヴァンニ》で数字に強くなり、記録を伸ばす方法を学ぶ

第六回目はモーツァルト《ドン・ジョヴァンニ 》を取り上げます。スペインの貴族ドン・ジョヴァンニの生きがいは女性を誘惑すること。従者レポレッロは、彼の主人ドン・ジョヴァンニが征服した女性の名前を逐一、手帳に記録しています。レポレッロの歌う愉快なアリア「カタログの歌」では、ドン・ジョヴァンニが陥落させた女性の数はイタリアでは640人、ドイツでは231人、フランスでは100人、トルコでは91人、そしてスペインでは1003人と紹介されています!さあ、レポレッロと一緒にイタリア語の数字に強くなりましょう。
詳しくはこちらからどうぞ!

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