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母の日の贈り物は、「しこり」を見つけてもらったこと② (#3)

あんまり予想もしないことが起きると人って、幽体離脱したみたいに自分を外側から眺めちゃうんですね。俯瞰するってやつですか。
っていうか、幽体離脱したことないからわからないですけれど。

5月15日(月)つづき

単なるおっぱいの毛穴の炎症だったはずなのにがん細胞の特徴のある形をした影が画面に写っていた。

それは、外側の形がギザギザした丸。
斜線をたくさん無造作に書いて無数の斜線が集まって円形になったそんな形。

いいもんは、まんまる
悪もんは、ギザギザ

あんまりにも単純な自然の摂理になんだか納得してしまった。
だって、悪性の腫瘍がギザギザなんて、あまりにもそれっぽいじゃない。

病院を出た私は、夫に電話しようとしたが「今日は会議だから出られないな」と思った。
だから、母に電話をかけた。

正直あんまり覚えていない。
どうやらガンだと言うことを伝えたように思う。
いつもはすっとぼけた母だが、緊急時にはとても冷静で、これからどう動いたらいいかを考えているようだった。

先の約束なんて大体まぼろし
ぶつっと電源が落ちたみたいに全てが途切れた。

その晩、夫と二人で泣いた。


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