見出し画像

「母性」をこじらせて

自分ではあまり、というか、かなり認めたくなかったのだけど、自分の人生のテーマのひとつは「母性」だったんだなぁ...とここ1年ほど感じている(これを書いているいまもまだ、あーあ...と思っているくらい抵抗がある)。

子どもを育てるなかで、自分や自分の母を知っていくこと。
そしてそれらの関係性を腑に落としていくこと。
子どもを愛するように、自分を慈しむこと。

子どもを持つことにずっと抵抗があったのは、自分のなかの「母性」と折り合いがつけられていなかったからなのだ、と、昨年の初夏、パリのサン・シュルピス教会を訪れたとき天啓のように浮かんだ。

(その場所は、4年前、導かれるように南仏を旅したそのスタート地点だった。いま振り返っても不思議な旅で、あの日々がのちにわたしを母にしたと思っている)

「ワクワクすることをしなさい」という類のアドバイスはわたしにはあまり響かなくて、「ものすごく抵抗があること」をするほうがいつも一気に道は開けた。そこに膨大なエネルギーがかかっていたのだろう。いざ始めてみるとスムーズにことが運んだり、文字通り見える世界が変わる経験をしてきた。母になることも、そんな経験のひとつだった。

人生で何がしたいか、と問われれば、究極的にはそんな瞬間−すごく抵抗があることをしてみることで、自分を取り巻く世界が変わる−を何度も味わいたい、というのがわたしの答えだ。抽象的だし自分以外のだれの役にも立たないし、わかりやすくお金になるわけでもないけれど。

「これまで信じていた世界がひっくり返る」、あの経験がしたくて、いまの自分にとって「ものすごく抵抗があること」って何だろう、と考えている。

#日記 #エッセイ #毎日更新

Thank you for reading!