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水曜日の本棚#29 革命前夜

正直、読みながらも読み終わってからも、「期待したほどではなかったかな」と思った1冊。店頭でのプッシュ(ポップなどで推されてた)に引っかかったかなぁ、と。

ベルリンの壁崩壊前のDDR(東ドイツ)に留学した日本人学生シュウが、音楽を通して人々と交流を重ね、苦悶したり反発したり、恋に落ちたり裏切られたりの青春と、歴史の大きなうねりのなかで徐々に崩壊していく東ドイツとそこに生きる人々のことを描く物語。

音楽シーンや知識を語る部分も冗長に感じられたし、登場人物がなんとなく軽い気がしてモゾモゾしたし(後で知ったけど、作者はもともとラノベのひとなのですね。それなら納得)、ストーリー的に盛り上がる部分もなんかもっと欲しい..と思ったし。

けれど、どうでしょう。

読み終わったあとも、ときどき本のことを思い出して「末期の東ドイツって本当にあんな感じだったのかなぁ」「てか、ドイツって東西別れてたんだもんな。ベルリンの壁崩壊とか、当時の大人にとっては衝撃だったんだろうな」「自由とか、これほど渇望されるものなんだよねぇ」とかつらつら考えている自分を見ると、それくらい後をひく作品だったってことね、好きなんじゃん、と気づいた次第。

読んだことのある方と、感想を言い合いたくなる作品でした。誰か、読んだー?




Thank you for reading!